30代から急増!歯を失う原因No.1の「歯周病」知っておきたい6つのこと
2019/07/08
30歳を過ぎると、歯周病などさまざまなお口のトラブルが増加するって知っていましたか?ほうっておくと将来歯がなくなってしまうリスクも……。まずは、歯周病に関する正しい知識を身につけて、早めのケアを心がけましょう。
<教えてくれた人>
倉治ななえさん
歯学博士。テクノポートデンタルクリニック院長。子どもの予防歯科からアンチエイジング歯科まで最新の研究を反映した提案で、雑誌・テレビなどで幅広く活躍。『むし歯 歯周病の最新知識と予防法』(日東書院)など著書も多数。
日本人にとても多いとされている歯周病は、重症化すると歯を支えている骨が溶け、歯が抜け落ちてしまうことも。初期なら正しい処置を行うことで健康な状態に戻せますが、自覚症状がほとんどないため知らないうちに進行しがち。30代からは歯周病が急増するので、手遅れにならないよう、ここに挙げる6つのことを知っておきましょう。
1)30代以降の3人に2人が歯周病!?
歯周病は女性に多いという調査結果が出ています。さらに、歯周病の初期段階である歯肉炎は若い世代でも目立ち、5~15歳の30%以上、15~24歳では70%以上が歯肉に症状が見られます。
2)歯が抜ける原因No.1は歯周病!
「歯が抜けるのは虫歯か老化」というのは大きな誤解です。虫歯が約3割に対して歯周病が約4割と、歯を失う原因では歯周病がトップ。
3)歯垢の正体は、食べかすではなく細菌
歯垢(プラーク)は、虫歯菌や歯周病菌が固まった物。できたては柔らかいので歯みがきやフロスなどで簡単に取り除けますが、時間がたつと硬い歯石となり、自力では除去できなくなってしまいます。
4)口の中だけでなく全身にも悪影響が!
歯周病菌は歯肉の血管から全身に入り込み、糖尿病や動脈硬化などの重大な病気に影響を及ぼします。さらに妊娠中には、早産や低体重児出産を引き起こすリスクもあるので要注意。
5)口臭のもとになる「ドライマウス」にご注意
口の中が乾きすぎる「ドライマウス」が女性にも増加中。これは、口呼吸や室内の乾燥、ストレス、加齢や不規則な食生活、糖尿病など、さまざまな原因で起こります。ドライマウスになると虫歯菌や歯周病菌などの細菌が増え、口臭のもとにも。気になったら歯科医に相談を。
6)歯周病菌は女性ホルモンが好き!?
歯周病菌のなかには、女性ホルモンを栄養源として好む種類があります。特に、女性ホルモンが大量に分泌される思春期と妊娠・出産期は、きちんとした歯間ケアや歯科医での定期検診を心がけましょう。
歯周病などにかかっていない健康な歯だとよく食べ物をかめるので、唾液の分泌がアップします。実は、唾液に含まれる「パロチン」という成分には、皮膚や骨などの新陳代謝を促す働きがあるんです。さらに、かむことで口元や顎の筋肉が鍛えられて、若々しい表情をキープできるといううれしい効果も。体の健康のためにも、早速お口のケアを始めましょう。
参照:『サンキュ!』7月号「30代から始めたいお口のケアの新習慣」より。掲載している情報は19年5月現在のものです。監修/倉治ななえ 撮影/林ひろし 構成・文/松崎祐子 編集/サンキュ!編集部
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