「これさえあれば自分はハッピーになれる」そんな何かを持っている人って、強いですよね。あなたには、ありますか?この連載では日々のちょっとしたことを、自分をハッピーにする素に変えてしまう。 そして(きっと)まわりもハッピーにする。そんな人を全国に訪ねています。あなたのヒントが見つかりますように。
1週間はメリハリ。週末のちいさなぜいたくが平日乗り切る力をくれる
7歳、5歳、4歳の3姉妹のママのsekoさん。3人ともかわいい盛りで、元気いっぱいです。家族との時間も大切にしながら、昨年からは育休も明けて、フルタイムの仕事に復帰。それから1年ちょっとがたちました。
「平日は本当にバタバタです。出勤・登校前の、朝の1時間とか......とても見せられないですよ」
北欧のヴィンテージ家具が配され、大きな窓から庭の緑が望める家には穏やかな空気が流れています。が、平日は、打って変わって“戦い”というほどの状態になるのだそう。仕事中にも気が抜けないのに、帰宅するときは、さらに「さあ、ここからだ」と自分に気合を入れるほど、怒濤(どとう)の時間に突入します。
夜の9時ごろになって、ようやく3人とふとんへ。sekoさんが即興でつくるお話が、子どもたちは大好き。お話しながらいっしょに寝落ちしてしまうことも多いですが、バタバタ時間の終わり、一瞬のハッピーを感じるときでもあります。
そんな平日を送っているからこそ、休日はとても貴重。ふだんは朝早く出勤し、子どもが寝てしまってから帰宅することが多い夫のyoshiさんが大活躍します。
コーヒーのハンドドリップからはじまる休日
「平日は妻に任せっきりだから、週末の料理は僕の担当なんです」。朝食のコーヒーをハンドドリップしてくれるところから休日は始まり、朝昼晩と、yoshiさん作のごはんが並びます。なんとも、うらやましいという声が響きそうな話。
「元々は、私があまりカレーが好きじゃなくて、夫が自分でつくるようになったのがきっかけかも。私は日常のごはんの担当。夫がつくる料理のほうが凝っています」とsekoさん。スパイスからつくるカレーなど、時間をかけて準備し、辛さを分けて大人と子ども用の2種類をつくるこだわり。
その間、sekoさんはのんびりしながらも、手が回らなかった掃除をしたり、子どもたちと遊んだり。
「家が好きなんです。だから特別なお出かけをするより、みんなでお気に入りのお店に花を買いに行って飾ったり、庭でごはんやおやつを食べてコーヒーを飲んだり。本を読んだり。そんな時間が楽しい」
子どもたちがいて、夫がいて。おいしいコーヒーがあって、きれいな花を飾って。家を整えながら、ゆるゆる過ごす休日。平日がバタバタだからこそ、週末ののんびりとした時間は最高のぜいたくと感じられます。特別なことはしなくても、そんな週末があれば、いろいろがんばれる。メリハリのある日々は、小さなことに幸せを感じる力をつけてくれます。
#夫コーヒー
豆をひくところから始まる、夫のコーヒー。好みの豆は取り寄せることも。日常のものをていねいに選ぶことも日々を楽しくするコツ
#前髪パッツン
3姉妹の休日の洋服は、ついおそろいにしたくなってしまうのだそう。ママが切ってくれる前髪パッツンが3人ともすごくお似合い
#本を読むとき
同じ本&雑誌を読んでいることも2人の趣味が近づく理由。村上春樹さんの著作を読むと料理や家のことに興味がわく、とyoshiさん
#何もなくても花を買う
お祝いじゃないときに花を買うことのぜいたくさといったら!ドライでも楽しめるので、2,000~3,000円の予算で、幸せが長く続きます
#うっかりおそろい
好みの似ている2人。無意識におそろいで休日を過ごしていることもあるのだそう。「けんかは損だと思っているので、ほぼしません」
#庭で食べるとごちそう
夫のつくってくれるカレーを庭で食べればさらにごちそうです。コーヒーやおやつも時々庭で。お出かけしなくてもハッピーに
愛知県sekoo102さん(妻) yoshihi_cwdさん(夫)
子ども関連の仕事をする妻sekoさんと、会社員の夫yoshiさん夫婦。小2の長女を筆頭に3人の娘と5人暮らし。家族の仲のよさが伝わってくる暮らしぶりがインスタグラムで注目を集めている
Have a try!
□コーヒーを淹れて5分だけぼーっとする
□村上春樹の本を1冊買って夫に渡す
□週末にがんばるから、今日はもうぐちゃぐちゃで寝る!
撮影/小野田陽一
取材・文/加藤郷子
出版社にて料理・生活情報誌編集を経てフリーに。得意ジャンルは暮らしまわりいろいろ。趣味は食べること。取材先で見つけた小さな知恵を家で試して、うまくいったらほくそえむこと。著書に『あえて選んだせまい家』(ワニブックス)、共著書に『パリでうちごはん、そしておいしいおみやげ』(小学館)、『「北欧、暮らしの道具店」店長のフィットする暮らし』(パイ インターナショナル』、編著書『アートと暮らすインテリア』(パイ インターナショナル)など。
参照:『サンキュ!』2017年11月号「わたしのHappyのつくりかた」より