「お名前は?また来てね」が嬉しかった。知的障害と自閉症でヘルプマークをつけている子どもの家族へのインタビュー

2019/08/16

けがの後遺症や重い病気の人など、助けが必要な人が身につけている「ヘルプマーク」。見た目ではわからないかもしれないけれど、助けが必要であることをわかってほしい…。このマークにはそんな思いが込められています。今回は、そんなヘルプマークをつけて暮らす小学生とそのご家族にお話を聞きました。

<お話を聞いた人>
Mちゃん(小3)
特別支援学校3年生。知的障がいと自閉症があり、お話はできない。音が鳴る絵本と音楽(童謡からJ-POPまで)、トランポリンで跳ねるのが好き。父(38歳)母(37歳)弟(3歳)の4人家族。

●ヘルプマークをつけ始めたきっかけは?
娘を連れて出かけて、病院と支援学校以外の世界を見せてあげたいと思い始めた。娘の言動には障がいという理由があることを伝えたかった。

●つけてよかったことは?
知らない人から気にかけてもらえるようになった。このマークをつけて外に出続けることで、いつか娘が地域の人とつながれるかも?と期待している。

うれしかった言葉「お名前は?何歳?また来てね」

障がいの特性から、片時も目と手が離せないMちゃん。そんな彼女は最近リュックにヘルプマークをつけ、支援学校や病院以外にもお出かけするようになりました。両親に話を聞きました。

「手を離すとすぐ脱走するし、たとえばスーパーでは野菜の濃い緑の部分をちぎって口に入れたりするなどいたずらも絶えないので、娘を連れての外出は大変です。手をつなぎっ放しだから、レジに並ぶときはあらかじめ千円札をポケットに入れ、さっと会計できるようにしています」。

Mちゃんは首から何かを下げるのもバッグを持つのも苦手。それで少し前まではヘルプマークをつけることもあきらめていたといいます。「でもリュックなら大丈夫だったので、今はヘルプマークをつけたリュックを背負わせ、ショッピングモールに出かけるようになりました」。

これまでほとんど外出しなかった最大の理由は、周りの反応が気になったから。「娘は突然『イー!キャー!ヤー!』などと叫んだり、喃語(なんご)のような声をずっと発し続けたりします。普通の人はびっくりしますよね……。娘から目をそらす人も多いです。障がいがある人をじろじろ見てはいけない、という気持ちの表れということはわかっているのですが、見て見ぬふりをされるのもつらいです」。

ですがヘルプマークをつけるようになったことで、Mちゃんに障がいがあることをわかってもらえたり、ときには手伝ってもらえることもあり、外出を踏みとどまる気持ちがだいぶ薄れたといいます。近所のたい焼き屋のおばちゃんは、Mちゃんはお話ができないとわかっているのに、他の子と同じように話しかけてくれます。「うれしいですね。娘にも私たち親にも、どんどん声をかけていただけたらありがたいです」

参照:『サンキュ!』7月号「ヘルプマークを知っていますか?」より。掲載している情報は19年5月現在のものです。

取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

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