「コンプリート」とは?ビジネスシーンで使われるときの意味や反対語、言い換え方を解説
2022/08/13
コンプリートとは、「全部がそろっているさま」や「完成・完結しているさま」を表す言葉です。コレクションをすべて集めることをコンプリートと呼ぶことが多く、略して「コンプ」と呼ぶこともあります。日常のなかでは、たとえばゲームで得られるアイテムやカプセルトイで出てくるおもちゃなどにコンプリートという言葉を使うのが一般的です。
一方、ビジネスシーンでコンプリートというときは、業務を完遂することを指します。実際にビジネスシーンでコンプリートを使うときの意味や使い方、反対語や言い換え方を詳しく解説します。
コンプリートとは?由来と意味
コンプリートという言葉の由来や意味について解説します。
コンプリートの由来は英語のcomplete
コンプリートの由来は、英語の「complete」です。語源はラテン語で「完全に満たす」という意味の「completus」にあります。英語の「complete」は、「全部の」や「完璧な」という形容詞です。動詞も同じ形で、「完了する」や「仕上げる」という意味があります。たとえば、次のような使い方をします。
・My grandfather has the complete works of Shakespeare.
(私の祖父はシェイクスピア全集を持っている)
・My work will be complete soon.
(私の仕事はもうすぐ終わるだろう)
コンプリートの意味
コンプリートは、英語の「complete」と同様に「完全にそろっている様子」や「完璧である状態」を表す言葉です。一般的には、カードやフィギュアなどのコレクションをすべてそろえたことに対して使います。「コンプ」という略語もよく使われています。
ビジネスシーンでのコンプリートの意味は、「任務完了」や「職務完遂」といったものです。英語の「mission completed」に由来しており、資料作成や顧客獲得などの課題をすべてこなすことを指します。
また、シリーズすべての作品や商品を入れたものを「コンプリート・エディション」と呼ぶことがあり、商品開発などの場面で登場する可能性のある言葉でもあります。
コンプリートを使った言葉の意味と例文
コンプリートを使った言葉の意味と例文をご紹介します。とくによく使われる4つのフレーズは次のとおりです。
コンプリートした
「コンプリートした」には、「すべてそろえた」という意味があります。たとえば、限定販売されたアニメのキャラクター・フィギュアをすべてそろえたときに、「〇〇をコンプリートした」といいます。
ミッションコンプリート
「ミッションコンプリート」は、「任務完遂」や「成し遂げる」という意味がある言葉です。ビジネスシーンで使われるコンプリートは、これに由来しています。たとえば、「私は今月行うべきミッションをコンプリートした」などと使います。
コンプリートボックス
「コンプリートボックス」は、「一連のシリーズ作品がすべて入った完全版」のことです。コンプリートボックスは、連続ドラマのDVDやシリーズもののゲーム作品などでよく販売されます。場合によっては、作品を制作中のメイキング映像や編集前の映像などが入ることも。たとえば、「来月発売予定の〇〇のコンプリートボックスを予約した」などといいます。
完全版は、「コンプリートエディション」とも呼ばれますが、箱に入った状態で販売されることが多く「コンプリートボックス」という名前が浸透しています。
コンプリートの類語や言い換え方
コンプリートの類語や言い換え方をご紹介します。
パーフェクト
「パーフェクト」はコンプリートに似ている言葉として、言い換えられることもあります。コンプリートとの違いは、パーフェクトのほうが「完璧で優れている」という意味をもつこと。コンプリートは必要な要素がすべてそろっているという意味ですが、一方のパーフェクトは仕上がりが完璧という意味を含む言葉です。
完遂
「完遂」は、「やり遂げる」という意味で、コンプリートと言い換えられる言葉です。「任期を完遂する」や「プロジェクトを完遂した」などと使います。
ビジネスシーンで使われるコンプリートとは言い換え可能ですが、完遂には「全部そろっている」という意味はありません。
完璧
「完璧」は、「欠点がなくすぐれていること」を表す言葉です。コンプリートにも「完璧な」という意味があるので類語といえますが、すべてそろっていたり仕上がっていたりというニュアンスのほうが強いでしょう。
コンプリートの反対語・対義語
コンプリートの反対語・対義語をご紹介します。
インコンプリート
「インコンプリート」は、英語「incomplete」に由来する言葉。「不完全な」「不十分な」という意味があります。
アメリカの大学には「インコンプリート」と呼ばれる制度があり、何らかの事情でテストが受けられなかったりレポートを提出できなかったりしたときに、成績評価を一時保留してもらえる場合があるのです。このように、成績発表前の最後の切り札がインコンプリートといえます。
中途半端
「中途半端」は、「ものごとの完成まで達しないこと」という意味の言葉です。コンプリートがすべてをやり遂げることなので、反対語といえるでしょう。
イージー
「イージー」は、英語の「easy」が由来の言葉です。イージーの意味としては「簡単な」や「気楽な」というものが有名ですが、「だらしない」や「いいかげん」という意味もあります。このため、コンプリートの反対の意味をもつ言葉といえます。
まとめ
コンプリートの意味や使い方、類義語や反対語をご紹介しました。コンプリートには「すべてそろった」や「やり遂げた」という意味があります。ビジネスシーンでは、後者の意味で、「プロジェクトをコンプリートした」などと使うのが一般的です。「完遂」や「パーフェクト」と言い換えられますが、コンプリートにはパーフェクトのように質の面で完璧という意味はないため、完遂のほうがよりニュアンスが近いでしょう。
参考書籍
『広辞苑 第六版』岩波書店
『明鏡国語辞典 第二版』大修館書店
『ジーニアス英和辞典 第4版』大修館書店