申し訳ない 謝罪

「恐縮です」の意味とは?使い方や言い換え方、英語表現を解説します

2022/09/10

「恐縮です」は、「身もちぢまるほど恐れ入ること」を表す言葉です。感謝や謝罪、依頼の言葉として、メールやビジネス会話などで社会人が多用する言葉でもあります。

しかし、さまざまな意味合いを持つ言葉なので、たくさん使いすぎると、本来言いたかったことを相手に正しく伝えられない可能性もあるでしょう。そこで、「恐縮です」の使い方や言い換え方法、また英語表現を詳しく解説します。

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「恐縮です」の意味とは?

「恐縮です」の意味や英語での表現をご紹介します。

「恐縮」の読み方と意味

「恐縮」は「きょうしゅく」と読み、身がすくむような気持ちになることを表す言葉です。身がすくむというのは、申し訳なかったり、または恥ずかしかったりという気持ちから起因します。

「恐縮です」は自分が主語のときに使うのが基本で、相手を謙遜する気持ちを表す言葉です。

ビジネスメールでは枕詞のように使う

「恐縮です」は文書でよく使われますが、とくにビジネスメールで頻繁に使う言葉です。メールの相手に何かを依頼する際に、枕詞のようによく使われます。依頼内容だけを端的に書くと横柄な印象を与えがちですが、「恐縮ですが」をつけることで相手への配慮が感じられる表現になります。

柔らかい印象にもなることも、「恐縮です」や「恐縮ですが」はビジネスメールで多用される理由の1つなのです。

「恐縮です」の使い方とシーン別の例文

ビジネスシーン メール
marchmeena29/gettyimages

「恐縮です」の使い方やよく使われる3つのシーンを解説します。それぞれの使い方や例文をご紹介します。

相手に頼みごとをするとき

ビジネスメールで最もよく使われるのが、相手に頼みごとをするときです。このパターンではほとんどの場合、「恐縮ですが」のあとに具体的な依頼内容が続きます。

例文1:ご多忙のところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします

ビジネスメールの文末によく見かけるのが、「ご多忙のところ恐縮ですが」という言葉です。実際に相手が忙しいかどうかは関係なく、多忙なのに手を煩わせてしまうことを申し訳なく思う気持ちを表しています。

例文2:誠に恐縮ではございますが、ご返信いただけますでしょうか

「誠に恐縮ではございますが」も、ビジネスメールでよく使われる表現です。「恐縮ですが」よりも「恐縮ではございますが」のほうがより丁寧な言い方なので、目上の方やとくに気を配りたい相手に使います。

謙遜する気持ちを表すとき

謙遜する気持ちを表すときも「恐縮です」を使います。このパターンでは、自分が力不足で「申し訳ない」という気持ちを表します。

例文1:司会という大役を承り恐縮です

身に余る役目を任命されたときなどに、謙遜する気持ちで「恐縮です」を使います。

例文2:お役に立てず恐縮です

相手から厚意を受けたり相手に迷惑をかけてしまったりというときに、「申し訳ない」という気持ちで「恐縮です」を使います。

過分と思われる言葉やお礼に返事をするとき

相手から褒められたり賛辞を送られたりしたときの返事としても「恐縮です」を使うことがあります。

例文1:大変恐縮ですが嬉しく存じます

相手から嬉しい言葉をかけてもらったが、返し方がわからないとき「大変恐縮ですが嬉しく存じます」という表現で返事ができます。「恐縮です」とだけ返してもよいのですが、相手の言葉を素直に受け取ったときは「嬉しく存じます」と、気持ちを伝えるのもよいでしょう。

例文2:お褒めの言葉をいただき、恐縮です

相手から褒められたときは、「恐縮です」と返します。「恐縮です」には、おそれ多くありがたいという意味が含まれているため、褒めた相手を敬う返事になります。

「恐縮です」を英語でいうと?

恐縮 sorry 謝罪
Eugene Zvonkov/gettyimages

「恐縮です」は、相手に依頼するときや褒められたときの返事など、さまざまな場面で使う言葉です。このため、日本語で「恐縮です」を英訳するときは、シーンに応じていくつかの英語を使い分ける必要があります。

相手に依頼するときや相手に迷惑をかけたときは「I am sorry」を使う

相手に依頼するときや相手に迷惑をかけたときは、「I am sorry」を使います。「恐縮ですが」と、依頼する内容を続けたいときは、「I am sorry, but」といいます。

・I am terribly sorry, but I would like you to reply to the mail.
(大変恐縮ではございますが、返信をくださいませ)

・I am sorry for troubling you.
(ご足労をおかけし恐縮です)

相手から賞賛されたときの返事は「Thank you」を使う

相手から賞賛を受けたときは「Thank you」と返事します。日本語では、相手から褒められたときに「ありがとうございます」ではなく、謙遜の気持ちを込めて「恐縮です」と言います。しかし、英語では謙遜の気持ちを表現する言葉がありません。素直に「Thank you」と、答えてよいでしょう。

「恐縮です」を言い換えると?

「恐縮です」は、さまざまな言葉で言い換えることができます。主な言い換え方をご紹介します。

「恐れ入ります」

「恐れ入ります」は、「恐縮です」を和語にした表現です。感謝や申し訳なさから身がすくむという意味があります。「恐縮です」が漢語で文章に使うのに適した言葉なのに対し、「恐れ入ります」は口語的な表現で会話で用いやすい言葉です。

「申し訳ございません」

「申し訳ございません」は、相手に依頼するときや迷惑をかけたときなどに「恐縮です」と同じように使う言葉です。たとえば、「恐縮ですが、お電話をいただけますでしょうか」というのは、「申し訳ございませんが、お電話をいただけますでしょうか」と言い換えることができます。

「痛み入ります」

「痛み入ります」は、「恐れ入ります」と同様に和語の表現です。相手の行為などに対して深く感じ入ることを表す言葉ですが、感謝を伝えるときによく使われます。「恐縮です」よりも、やや改まった印象を与える言葉でもあります。

「恐縮です」を使うときの注意点

「恐縮です」はさまざまな場面で使える便利な言葉ですが、使うときに注意したいポイントが3つあります。

お客様や上司など目上の人に使う

「恐縮です」は、目上の相手に対して謙遜する言葉です。このため、「恐縮です」の主語は必ず自分(下の者)であって、目上の人が下の人に対して使うことはありません。

基本的には書き言葉で使う

「恐縮です」は、やや堅苦しい印象を与える言葉です。このため、基本的には文書やメール、改まった会話などで使います。カジュアルな会話のシーンでは、あまり使わない言葉です。

多用しすぎないようにする

「恐縮です」は、相手に頼みごとをするときや迷惑をかけたとき、また過分な言葉に謙遜するときなどに使う、複数の意味をもつ言葉です。このため、1つの文章内で多用すると意味が伝わりづらくなる可能性があります。ほかの言葉に言い換えられる場合は、積極的に言い換えて、「恐縮です」ばかりを使いすぎないようにしましょう。

まとめ

「恐縮です」の意味や使い方、言い換え方について解説してきました。「恐縮です」は、身もちぢまるほど恐れ入ることを表す言葉で、相手への感謝や謝罪、依頼などによく使います。ビジネスメールなどでは枕詞のように使える便利な言葉ですが、複数の意味をもつため、多用すると本来の意味が伝わりにくくなってしまうことも。このため、できる限りほかの言葉に言い換えて、1つの文書内で何度も使うのはやめたほうが無難です。

参考書籍

『広辞苑 第六版』岩波書店
『明鏡国語辞典 第二版』大修館書店
『ウィズダム英和辞典 第3版』三省堂
『角川類語新辞典』角川学芸出版

 
 

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