バレーボール荒木絵里香さんインタビュー「強い母の姿を娘に見せたい!」

2020/03/01

2020年は、待ちに待った東京オリンピック開催の年。夢の大舞台で活躍する自分の姿を、愛する娘に見せたいと走り続ける荒木絵里香さん。バレーボールで四度目の五輪をめざす、母でもあり、1人の選手でもある荒木さんが、これからの時代を担う未来の主役たちへメッセージを贈ります。

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<荒木絵里香さんプロフィール>
トヨタ車体。1984年8月、岡山県倉敷市生まれ。小学5年からバレーボールを始め、2003年に東レ入団。2012年ロンドン五輪は主将として銅メダルを獲得。結婚・出産を経て、上尾、トヨタ車体でプレー。四度目となる2020年東京五輪をめざす。186㎝、79㎏。

自国開催の大舞台で闘う強い母の姿を娘に見せたい!

荒木絵里香選手のポジションは「ミドルブロッカー」。コートの中央に立って敵のスパイクをブロックすると同時に、機動力を使って攻めるという攻守の要です。

「日本はブロックポイントが外国チームに比べて少ないのが課題なんです。自分が直接防げればベストだし、触れなくてもコースをふさいで味方が守りやすいブロックをすることが大事。もっと精度を上げていきたいですね」と彼女は勝負師の顔を覗かせました。

ですが、コートを一歩離れると1人の母親に戻るのが、ふだんの荒木さん。2012年ロンドン五輪銅メダル獲得の後、元ラグビー日本代表の四宮洋平さんと結婚。2014年1月に長女・和香ちゃんが誕生しました。同年10月には実戦復帰し、2016年リオデジャネイロ五輪に出場するというスーパーウーマンは35歳になった今も実業団、全日本をかけ持ちしながら、妻と母親の役割をこなしているのです。

「ママとして大変なのは全日本のメンバーとして活動するとき。2019年は4カ月間、断続的に合宿が続きました。娘も大きくなってきて、ママがバレーボール選手だということはわかっているんで、『今日は帰ってくるの?』『一緒にごはん食べる?』と毎日聞いてきます。でも全日本のときはむずかしいですね。私自身もホントに寂しいですし、複雑な感情がわいてきます。夫も仕事で忙しいので、母に全面的にサポートしてもらっていますが、全力で頑張ると決めた以上、今はしっかりとやり切るしかないです」。

決意を口にする彼女の支えは家族です。父・博和さんは早稲田大学ラグビー部OBで、かつて実業団でコーチを務めていました。母・和子さんは体育教師。夫もラグビーの指導に携わっているというスポーツ一家の中で、荒木さんは前向きにバレーボールに取り組めていると言います。

「父は穏やかで温かく見守ってくれる人。幼いころはラグビーの外国人選手を家に連れてきて、一緒に遊ぶ機会もあり、海外に興味を持つきっかけを与えてくれました。母は強くたくましい女性。子どものころも、結婚・出産後も『絵里香のやりたいようにしなさい』と背中を押してくれています。そして夫も海外に長く住んでいて広い視野を持っている。『僕ららしい夫婦のスタイルをつくっていこう』と勇気づけてくれますし、娘のこともすごくかわいがってくれる。娘も含めてみんなのエネルギーが私を強くしてくれます。やっぱり中途半端なことはできないと思いますね」。

そんな荒木さんがめざすのは、今季Vリーグ優勝と2020年夏に迫った四度目の世界舞台です。「世界中が注目するその場所に立てるなら、強く、たくましい母の姿を小学生になった、まな娘に見せたい……」。
大きな夢の実現のために、彼女は走り続けていきます。

Her history

出生時3900gの大柄な少女(写真中央)は小6で180㎝に。「スポーツ中心の生活は高校からでいい」という両親の考えもあり、幼少期は多様なスポーツを楽しみ、高校から東京のバレー強豪校に進んだ。娘・和香ちゃんにも好きなことをさせるのが夫婦の教育方針。まな娘は目下、チアダンスに夢中だという。

参照:『サンキュ!』3月号「未来の主役たちへ Message」より。掲載している情報は20年1月現在のものです。撮影/久富健太郎 構成・文/元川悦子 編集/サンキュ!編集部

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