休校中も子どもに「ムカッ!」っとしない!子親も子どもも楽になるためにすべきこと
2020/04/15
ペアレントプログラムリーダーの資格をもつ、アラフィフ主婦でサンキュ!STYLEライターのみい太です。
子どもの行動の見方が変わることで、親も子どもも楽になる「ペアレントプログラム」のお話をしたいと思います。「ペアレントプログラム」では子どもの行動に対して、ほめる、笑顔を向けるなど「ポジティブな注目」や、叱る、しかめっ面をする、ため息をつくなど「ネガティブな注目」を与えることは、その行動を増やす力があると考えます。
しかし、「うちの子にはほめられるところが見つからない」「困った行動ばっかりで、どうしたらいいんですか!?」という声をよくいただきます。
ホントにそうですよね。そこで、今回は、子どもの行動をあらためて「ほめられる行動」か「叱るべき行動」か考えていきたいと思います。
子どもの行動を3つに分けてみましょう
ペアレントプログラムでは、まずお子さんの行動を分類するところから始めます。
思い出して、できれば紙に書き出してみてください。「好ましい行動」「好ましくない行動」「許しがたい行動」。
この3つに当てはまるお子さんの行動は、いくつか浮かんできますか?
好ましい行動を見つけてみよう!
講座などで親御さんたちに「どんな行動が好ましいですか?」と聞いてみると、「言われなくても自分たちから勉強する」「すすんで手伝いをする」などなどたくさんの声が挙がってきます。
では、お子さんはそれができてますか?と聞くと「できてません!だからほめられません!」と怒りの声が。しかし、そもそも「好ましい行動」とはなんでしょうか?
ペアレントプログラムでは、好ましい行動とは、「親にとっての好ましい行動」ではなく「子どもの成長にとって好ましい行動」と考えます。
具体的にどう異なるかといいますと、「朝起きて身支度をする」という行動を例にすると、幼稚園以上のお子さんにだったら「もうやろうと思えばできるんだから、できて当たりまえ」と親は思います。
だから、それができないとイライラする。これは、親にとっての好ましい行動ができているかどうか、で考えているからです。
では、こう考えてみましょう。生まれたての赤ちゃんのときは、何もできず、寝たいときに寝ていましたね。それが、少しずつ、手伝えばできることが増えていきます。そのうち、声をかければできるようになり……最終的には一人の力で起きて身支度できるようになります。
このように、ステップに分けて見ると、前よりも少しずつできるようになってきていることを思い出せませんか?年齢ではなく、今のお子さんはどこまでできるようになったかな、で考えていいのです。そうすれば、前よりもできるようになっていることは「好ましい行動」と考えることができます。
子どもの行動の多くは、前はできなかったことができるようになったことなのです。当たりまえではありません。そう考えると、今まで「できて当たりまえ」だと思っていたことのなかに、子どもの成長が見えてきませんか?
ですから、まずはそこを「好ましい行動」と見て、たくさんほめてあげましょう!前はできなかったことができるようになってたね、前は1カ月に1回だったのが、1週間に1回になったね、そんなカンジでよいのです。
そこの成長を見落とさずにほめていくことで、好ましい行動は増え、定着していき、そして次のステップに発展していきます。
好ましくない行動、許しがたい行動はどうちがうの?
日常のなかで、イライラしてつい叱ってしまう……。それは、その子どもの行動が、親にとって許しがたいことだからですよね。でも、私たちは実は「許しがたい行動」ではないことにもイライラして怒っているのではないでしょうか?
「許しがたい行動」とは、人や自分を傷つける、または盗むなど犯罪になるようなことです。それは、もう待ったなしできつく叱ってでも止めなくてはなりません。それが子どものためだからです。
実は、それ以外はほとんどが「好ましくない行動」に分類されます。宿題をしないでゲームをする……これは、親にとっては「許しがたい行動」に感じるかもしれませんが、子どもにとっては「そこまでではないけど、減らしたりあらためたりしたほうがよい行動」となるのです。
「親にとっての好ましくない行動」と考えるとイライラしますが、「子どもの成長にとって好ましくない行動」と考えたら、子どものためにも行動を減らしていくことが大事!と思えますよね。
叱るなどのネガティブな注目では一時的に抑えることはできても、減らすことはできないんです。「好ましくない行動」に対しては、あえて注目せず、見て見ぬふりをしましょう。よい行動が出た際には、褒めて「好ましい行動」に結びつけていけるといいですね。
以前の私は、この「好ましくない行動」に一つ一つイライラし、怒りを爆発させていました。でも、その違いがだんだんわかるようになると、「イラつくな~……でも死ぬわけじゃなし、まあいっか」と思えるようになり、子どもへのイライラや怒りが減ってすごく楽になりました。
おわりに
今回は、子どもの行動を3つに分類する方法をご紹介しました。「好ましい行動」「好ましくない行動」「許しがたい行動」のどれに当てはまるのかがわかると、どう対応していくほうがいいか考えやすくなります。
どうしてもイラっとしてしまうときには、一息ついて子どもの行動を分解してみると、イライラが減ったように楽になるのではないでしょうか?
■この記事を書いたのは・・・みい太
大食漢の夫と中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元小学校▪特別支援学校教員、保育士、早期発達支援士、ペアレントプログラムリーダー。
**ここでの「ペアレントプログラム」は、一般社団法人チャイルドフッドラボのペアレントプログラムに基づいてお話しています**
**掲載の体験談は個人の感想です**
**使用したスライドは、みい太作成の講座用スライドです。中のイラストは利用規約を遵守したうえで使用させていただいております**