その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「役不足」の本当の意味とは
2020/08/02
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?
よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。
たくさんの人が意味を間違えている言葉が、実はいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「役不足」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「役不足」という言葉の使い方について考えてみましょう。次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
A.学年トップの成績の君が図書委員なんて役不足だ。
B.学年最下位の成績の君が図書委員なんて役不足だ。
正解は……
答えはAでした!
「役不足」というのは、「その人の力量に対して、役目が軽すぎる」という意味を表します。もともとは、俳優などが与えられた自分の役に対して不満に思うことをさしていました。
現在では「その人の力量に対して、役目が重すぎる」という逆の意味でとらえられていることが多いようですね。これは、「力不足」というよく似た言葉と混同しているからと考えられます。「力不足」の場合は「その人の力量に対して、役目が重すぎる」という意味になります。
似たような言葉なのに意味が反対なので、勘違いするのは無理もないですね。とはいえ、間違って使うと大きな誤解を与えるので注意したいところです。
正しい意味で使えていたでしょうか。
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書くときなどはとくに気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史のなかで言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。
正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。