その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「穿(うが)った」の本当の意味とは
2020/09/29
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。たくさんの人が意味を間違えている言葉が、実はいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「うがった」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「うがった」という言葉の使い方について考えてみましょう。次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
A.あいつは「うがった」見方ばかりしているから、みんなに嫌われるだろうね。
B.あいつは「うがった」見方をすることがあるから、賢いところがあるんだろうな。
正解は……
答えはBでした!
「うがった」というのは、「物事の本質をとらえた」「隠れた真相を見抜いた」といった意味の表現です。
漢字で書くと「穿った」で、「穿(うが)つ」という動詞から生まれた言葉。「雨だれ石をうがつ」ということわざがあることからもわかるように、「うがつ」には「穴をあける」という意味があります。そこから本質をうまく言いあらわすことや真相をあばく意味につながっていきました。
一般的には「ひねくれた」「疑ってかかった」という誤った意味で使われることが多いです。「うがつ」という言葉があまり知られていないうえに「うたがう」とひびきが似ていることが大きいでしょう。
また「うがちすぎ」という表現に「真実とかけ離れた」という意味があることと関係があるのでは、とされています。
正しい意味で使えていたでしょうか。
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書くときなどはとくに気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史のなかで言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。