実は今、寒い冬だからこそカレー!という人が増えているそうです。なんでも、カレーを食べるとカラダが温まるという研究結果が報告されており、その温活効果に注目が集まっているのだとか。例年以上に健康管理が気になる今、「温活×カレー」のブーム到来!? その背景を探りました。
今や、カレーはおでんと並ぶ冬のあったかメニュー!?
夏野菜カレーが親しまれていることもあり、「カレーは夏の食べ物」というイメージが強いかもしれません。しかし、食MAP®システムのデータによると、冬でもカレーを食べている家庭が多いことがわかりました。夕食時にカレーが登場した頻度は、調査が開始された2015年1月には1,000食卓あたり平均66.3回でしたが、2020年1月には70回。近年、明らかに増加傾向にあるようです(※1)。
また、その他ハウス食品グループが行った調査では、「冬、体調管理を考えたときに食べたいメニュー」の第5位にカレーがランクイン(49.1%)。圧倒的強さを誇る「鍋」(88.8%)、「和風の汁もの」(63.9%)、「シチュー/チャウダー」(58.4%)、「スープ」(57.6%)にカレーが続き、僅差ながら、「おでん」(49.0%)を抑えて「冬のあったかメニュー」の仲間入りを果たしています。ちなみに複数回答の選択肢には、スープカレーもあり、カレーメニュー(カレー・スープカレーのいずれかまたは両方)を挙げた方は、全体の53.4%でした(※2)。
それにしても、どうしてカレーが冬の定番料理になったのでしょうか?
カレーを食べるとカラダが温まるという研究結果も!
冬のカレーの広がりについて、カレー文化の普及と発展をすすめるカレー総合研究所の井上岳久代表は、次のように分析します。
「うがいや手洗いと並んで、低くなった体温を適正な水準まで上げる“温活”を意識している人は多く、その流れがカレーのトレンドにも波及しているのでしょう。カレーを食べるとカラダが温まるという研究結果があり、“温活”のひとつとしてカレーが取り入れられているのだと思います」
その研究はというと、冷えの自覚症状を持つ20~30代の女性10名を2つのグループに分け、片方には「約30種類のスパイスを使用したカレー」を、もう片方には「スパイスをすべて除いた疑似カレー」を食べてもらい、実験の前と後に体温を測るというもの。
結果は、約30種類のスパイスを使用したカレーを食べたグループのほうは、手や足の指の表面温が長時間にわたって上昇。食べる前と比較すると2℃~3℃上がっていたそうです(※3)。
ハウス食品グループが行った調査でも、「カレーを食べることでカラダが温まると思う人」は、「温まると思う」「やや温まると思う」を合わせて94.3%。さらに、冬に温活のためにカレーを食べたいと思っている人は、「とても食べてみたい」「食べてみたい」を合わせると97.9%。年代、性別を問わず高い結果となりました(※2)。
近年では、1/20大寒、1/22カレーの日などが注目されており、Googleの検索数でも、年明けから『カレー レシピ』の検索数が急上昇(※4)するなど冬にカレーを食べるシーンが増加していることが伺えます。
そんな流れの中、例年以上に健康意識が高まっている今冬、スパイスの魅力いっぱいのカレーが「温活」として大注目されているというワケなのです。
カレーで温活を始めよう!カレー総研おすすめの「冬野菜カレー」
では、カラダが冷えやすい冬だからこそ食べたいカレーは?というと…カレー総研がカレーの専門家にアンケート調査を行ったところ、この冬に食べたいカレーの第1位は「カレーうどん」、第2位が根菜類を使用した「冬野菜カレー」という結果だったそうです(※5)。
ということで、井上氏におすすめの「根菜の冬野菜カレー」のレシピを伝授してもらいました。栄養満点の冬野菜×カレーのスパイスで、おいしい温活を始めませんか。
【根菜の冬野菜カレー】
「冬に栄養を蓄えて、糖度を高めていく冬野菜。他の野菜と比べて水分が少なく、ビタミンCやE、ミネラルなどを多く含むので、代謝をよくし、カラダを温めてくれます。里いもはさっと下ゆでして、ぬめりを取ると味がしみ込みやすいです。油でよく炒めてから煮込むことで、香りもよく仕上がります」(井上氏)
●材料(約6皿分)
カレールウ 6皿分、鶏肉(もも)250 g、玉ねぎ中1/2個(100 g)、にんじん中1/2本(100 g)、里いも3個(150 g)、ごぼう1/2本(100 g)、サラダ油大さじ1、水(カレールウにより加減してください)850ml
●作り方
1.鶏肉、玉ねぎ、にんじん、里いもは一口大に切り、里いもはさっと下ゆでをする。ごぼうは斜め2mm幅に切る。
2.厚手の鍋にサラダ油を熱し、1.の具材を入れ、よく炒める。
3.水を入れ、沸騰したらあくを取り、具材がやわらかくなるまで、弱火~中火で約15分煮込む。
4.いったん火を止め、ルウを割り入れて溶かし、再び弱火で時々かき混ぜながらとろみがつくまで約10分煮込む。
■「カレー総合研究所」とは?■
「カレー総合研究所」は、横濱カレーミュージアムの責任者兼プロデューサーを務めたカレー研究の第一人者、井上岳久氏(写真)が中心となり、2007年3月に設立。日本人の国民食とまで言われているカレーをさらに盛り上げ、カレーを通じた日本の食文化全体の向上を図ることを目的に活動。2017年に創設された「カレー・オブ・ザ・イヤー」は、革新的でありながら、まだ世の中に知られていないカレー商品やカレー店を表彰するもので、新たなカレートレンド誕生の場として注目を集めている。
また、傘下のカレー大學でカレー専門家の育成も積極的に取り組んでいる。
カレー大學
https://currydaigaku.jp
※1 ハウス食品(株)が食MAP®システムを利用して出力したデータ。期間:2015年 1月・2020年1月 食卓機会:夕食
※2 ハウス食品グループ本社会員サイト「カモンハウス」の登録者を対象に行ったインターネット調査報告『今年の冬の健康管理と食について』より(2020年12月、全国10~90代男女8579人が回答)
※3 「第5回カレー再発見フォーラム」(2001年)吉田章氏(元財務省印刷局東京病院・内科、東洋医学センター医長)研究発表より
※4 Googleトレンド「カレーレシピ」 2019年12月31日〜2020年1月15日より
※5 カレー総合研究所がカレープロフェッショナル(カレー大學卒業生)50人にWebおよび電話にて行ったアンケート調査より(2020年12月)。1位「カレーうどん」、2位「冬野菜カレー」、3位「焼きカレー」、4位「スープカレー」、5位「激辛カレー」
カレーと温活 温活メニューで大注目の冬カレー!スパイス×冬野菜の効果でカラダを温める(家カレー向上プロジェクト/カレー総合研究所)
協力/ハウス食品株式会社