40代からは体のあちこちが乾く!その原因は女性ホルモン!対策は?

2021/05/07

肌をなめらかに、粘膜をウルウルに保ってくれているのも、実は女性ホルモンの力。加齢とともに、髪から口・目・鼻、デリケートゾーンまで全身カラカラになるんです(涙)。専門家が髪やデリケートゾーンなど部位別に対策をアドバイス!

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<教えてくれた人>
・産婦人科医・医学博士 対馬ルリ子先生
58年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。NPO法人「女性医療ネットワーク」を設立し、600名の女性医師・医療従事者と連携。よりよい女性医療の実現に注力。

・美容家・オーガニックスペシャリスト 吉川千明さん
59年生まれ。90年代よりオーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティーの第一人者。対馬ルリ子ライフクリニック銀座で「更年期カウンセリング外来」を担当。

女性ホルモン塾®全面監修

対馬先生と吉川さんが2002年から20年近くにわたり運営している健康講座。40代以降の人生を元気で豊かに過ごすために、心と体のすべてにかかわる女性ホルモンとのつきあい方を日本全国でレクチャーしている。

体の内側も外側も弾力性が失われ、バリアー機能が低下!

女性ホルモンの低下とともに、皮膚内部のコラーゲンやヒアルロン酸が減って、弾力性がなくなり、体の内側も外側もカラカラに乾燥してきます。同時に、バリアー機能が低下して外部からの刺激を受けやすい状態になり、粉を吹いたように肌がカサついてしまう人も……。「皮膚だけでなく、鼻や目、膣などの粘膜の潤いや、唾液の分泌量にも影響が出るんですよ。こうした閉経前後に起こる全身の乾燥症状を『ドライシンドローム』といいます。放置していると、ずっと乾いたままで、老化現象が加速するだけ。変化を感じたとき早めにケアを始めることが潤いを保つ秘訣です!」。

「乾き」は老化の第一歩。早めのケアで「潤う女」になろう!
From 対馬先生

髪のツヤがなくなるだけでなく、頭皮まで乾く!

【髪&頭皮】
もしかしてフケが出てる?
すぐ頭がかゆくなる~。
やたらパサつくし、抜け毛が増えた!

髪がパサパサしてきて、抜け毛や白髪が増え、くせやうねりが出てくるのも、女性ホルモンの影響。頭皮も肌と同じように乾燥しやすくなるため、かゆくなったり、フケが多くなることもあります。「パサついて薄くなった髪をカバーしようと、スタイリング剤などを多用してしまうと、頭皮に負担がかかり、かえって乾燥が加速してしまう場合もあるので要注意。薄毛が気になる人は、分け目の地肌が目立たないヘアスタイルに変えてカバーすると、ポジティブな気分になれますよ」。

おうちで解決!

髪と頭皮に刺激を与えすぎない、質のいいシャンプー&コンディショナーを選ぶようにして。保湿力が高い育毛剤を活用し、頭皮マッサージで血行をよくすることも大切です。食事も、髪の材料となるたんぱく質とミネラルをしっかりとりましょう。

NG

スタイリング剤の使いすぎ
「ジアミン」系が含まれているカラーリング剤を使用

口や鼻の粘膜、涙も女性ホルモンの影響でカラカラに!

【口&目&鼻】
目がしょぼしょぼする~。
口が臭くなってきている気がする。
鼻の中がカサカサして、鼻くそがたまる~。

女性ホルモンの低下は、口や鼻の粘膜に及ぼす影響が大!「口の中の唾液の分泌量が減って抗菌や消化作用が衰え、虫歯や歯周病になりやすくなる、口臭が気になる、味覚がおかしくなるなどの弊害が。鼻の中が乾燥すると、鼻くそが増えたり、花粉症などのアレルギー症状、インフルエンザなどの感染症へのリスクが高まります。一方、涙の分泌量も減るため、ドライアイを引き起こす原因に。閉経前後に口や鼻、目のトラブル症状が現れた場合は、婦人科を受診してみるといいでしょう」。

【口】おうちで解決!

マッサージで唾液を増やす!

(1)両手の親指をそろえて、顎の下から口の中の舌を押し上げるようにやや強めに押す。

(2)耳下から顎の先にかけて、4~5カ所に分けて4本の指で軽く押す。

(3)両手の4本の指を頬に当て、奥歯のあたりから前へ円を描くようにマッサージする。

口の中の唾液の分泌をよくするには、上記のマッサージを行うほか、食事のときはよくかむことを心がけて。さらに鼻で呼吸するように意識することで、口腔内の乾燥を防ぐことができます。また、乾燥症状に効く漢方薬、「麦門冬湯」(ばくもんどうとう)や「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)の服用で改善する場合もあります。

NG

カフェインやアルコール飲料のとりすぎ
塩分の多い食べ物

【目】おうちで解決!

ライアイ用の目薬を点眼すること。老眼の進行が重なるとより目が疲れやすくなるので、老眼用眼鏡を併用するのも有効。また、女性ホルモンに似た働きをする「エクオール」のサプリをのんで改善した例もあります。

【鼻】おうちで解決!

鼻みずが乾燥して固形化したり、鼻詰まりが続く場合は、ドライノーズ用のジェルやスプレーを。粘膜への刺激を避けるため、鼻をかみすぎないように注意して。空気の乾燥も影響するので、冬場や乾燥しやすい場所では加湿器を活用しましょう。

吉川さんの体験談

口からのどまでカラカラ!あめのなめすぎで血糖値がUP(危険!)

更年期手前くらいから、とにかく粘膜のすべてが乾燥!鼻は常に乾いていて、鼻くそがいつもたまっているような感じ。口からのども張りつくくらい乾くので、夜寝るときやトークするときもずっとのどあめをなめていました。あめをなめ続けたのが原因で、50代後半から糖の代謝が落ち、糖尿病の一歩手前に!それ以来、あめをなめるのはやめて、顎の周辺を温めたり、マッサージをして唾液を出すように心がけています。

膣まわりは、顔や手足の皮膚より深刻な悩みにつながりやすい

【デリケートゾーン】
性交のとき痛くてできない……。
歩くたび、下着がこすれる~。
かぶれて、かゆみがある。

膣まわりのデリケートゾーンは、女性ホルモンの主役である「エストロゲン」が低下した影響を受けやすい所。「膣の粘液が減ることで膣の自浄作用が弱まって、細菌の繁殖や炎症が起こりやすくなります。潤いがなくなってふっくらした弾力も失われ、カピカピの状態になる場合も。顔や手足以上にしっかり保湿をしながら、マッサージで血行をよくすることが大事です!」。

「膣乾燥」の症状をチェック!

□性交痛がある
□腫れた感じがある
□ほてる感じがある
□おりものが減ってきた
□出血しやすい
□石けんで洗うと刺激がある
□排尿のときにピリピリする
□尿もれが気になる
□ナプキンでかぶれやすい
□乾燥が気になる
□下着がこすれて痛い
□自転車のサドルに座ると痛い
□ジーンズなどが食い込みやすい
□なんとなくヒリヒリする
□かゆみがある
□今までと違ったにおいがする

★3つ以上当てはまる人は要注意! 膣乾燥が進行中なので、早めにケアを

おうちで解決!

POINT1 やさしく洗って、ていねいに保湿する

弱酸性のボディソープで、指の腹で前から大陰唇と小陰唇、膣の入り口付近まで洗います。膣の中には自浄作用がある常在菌がいるので、中まで洗う必要はありません。お風呂上がりには、専用のジェルやクリームでしっかり保湿しましょう。


POINT2 オイルマッサージを習慣化しよう

マッサージをすると、膣まわりの血行がよくなり、肌の柔軟性を取り戻すことができます。粘膜は経皮吸収率が高いので、添加物が少ないデリケートゾーン専用のオイルを用い、手でオイルを温めてから使うようにして。

マッサージ方法

オイルをデリケートゾーン全体になじませ、(1)大陰唇、(2)小陰唇、(3)会陰の順番で、指の腹で矢印のようにマッサージ。最後に膣の中に指を入れて、内側をなぞります。

吉川さんの体験談

肌にやさしく、締めつけがない下着に替えたら、グンとラクになりました

特につらかったのはデリケートゾーンの乾燥。下着がこすれて灼熱感があり、なんだかモゾモゾして気持ち悪い。さわるとさらに腫れてビワの実みたいに……。いろいろ試した結果、ワンサイズ上の下着に替えたら、摩擦が減ってラクに。今お気に入りなのは、肌にやさしい素材のひもに布がふんどしのように縫いつけてある「ふんどしショーツ」。締めつけがなく、快適!

参照:『サンキュ!』2021年5月号「女性ホルモンが減らない暮らし方」より。掲載している情報は2021年3月現在のものです。撮影/林ひろし イラスト/井上明香、くぼあやこ モデル/広瀬美貴(サンキュ!アンバサダー) 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

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