女性の背中に日焼け跡のクローズアップ

日焼けだけじゃない!深いシワ・シミまで…「紫外線」であなたの肌の老化が加速する!

2024/05/20

紫外線は肌の日焼けだけではなく、シワやシミといった肌の老化とも大きく関わっていることをご存じでしょうか。

紫外線が引き起こす肌トラブルや対処法について、皮膚科専門医でつくば・土浦鶴町皮膚科クリニックの副院長、鶴町宗大氏に詳しく聞きました。

Q.紫外線とはどのようなものですか

一般的に紫外線は「UV」と表記され、UV-A・UV-B・UV-Cの3つに分けられています。有害性が強いUV-Cは成層圏にあるオゾン層によって吸収され、地表には届きません。我々が普段浴びている紫外線は、基本的にUV-AとUV-Bです。

紫外線には皮膚におけるビタミンD産生を担う役割があります。ビタミンDは体内のカルシウムの代謝を調節する作用があり、ビタミンDが欠乏すると小児では骨の発育不良、成人では骨の脆弱性に繋がります。

しかし、ビタミンDは食事からも摂取することが可能であり、日常生活で浴びる程度の紫外線量で十分に補われます。そのため、ビタミンD生産のために積極的な日焼けを行う必要はありません。

Q.紫外線を浴びすぎると、肌にどのようなことが起きるのでしょうか

アジアの若い女性は、顔の皮膚科と化粧品のステロイドにアレルギーがあることを心配しています。敏感肌、日焼けによる赤い顔、にきび、化学物質に対するアレルギー、顔の発疹。肌の問�
Nuttawan Jayawan/gettyimages

紫外線を長時間浴びると、肌に「光老化」が生じます。

光老化では、皮膚の弾力を保っている弾性線維が壊されて、ハリが損なわれます。ハリのなくなった肌は厚くゴワゴワになり、最終的にシワやたるみに繋がります。

シミの発生も光老化のひとつです。肌に紫外線が当たると、肌を守るためにメラノサイトという細胞がメラニン色素を産生します。紫外線を浴びすぎると、メラニン色素が大量に生成・蓄積されてシミとなります。

Q.紫外線が引き起こす肌トラブルにはどのようなものがありますか

紫外線が引き起こす肌トラブルは、急性の障害と慢性の障害に分かれます。

急性の障害では、日焼け後に皮膚が赤く腫れてヒリヒリします。時には水疱(水膨れ)も生じ、火傷と同じ状態になり、その後に茶色の色素沈着となります。

慢性の障害ではシミやシワなどの光老化や、良性の皮膚腫瘍・悪性の皮膚腫瘍(皮膚がん)発生に繋がります。紫外線によって生じる皮膚がんには、日光角化症(にっこうかくかしょう)、有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がん、基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などが知られています。

皮膚がんの種類によっては転移しやすいものもあるので注意が必要です。

Q.紫外線による肌トラブルを予防するためにできることはありますか

白い木製のボード上の日焼け止めクリームとシェルを選ぶ女性の手
takasuu/gettyimages

大切な事は、なるべく紫外線を避ける行動をとることです。具体的には、過度に日が当たる環境を避ける、屋外では日傘をさしたり帽子をかぶったりする、風通しを考慮した上でなるべく紫外線に当たらない洋服を着るなどがあります。

日焼け止めの使用も重要です。日焼け止めは以下の3点を意識して、適切に使用すると良いでしょう。

・目的や肌の状態に合わせて適切な日焼け止めを選ぶ
・塗り残しがないように必要な箇所に十分な量を塗る
・定期的に塗り直しを行う

日焼け止めの性能には SPF(※1)とPA(※2)があります。普段の外出や買い物などの日常生活においては、SPF10-20、PA+〜++程度の日焼け止めを使えば問題ありません。屋外スポーツやレジャーではSPF30-50、PA++〜+++程度の、防御効果が比較的高いものを選択しましょう。プールや海水浴・汗を多くかく場合には、耐水性があるものをおすすめします。

※1:UV-Bへの防御効果指標 
※2:UV-Aへの防御効果指標

Q.紫外線をたくさん浴びてしまったときにできるセルフケアはありますか

紫外線をたくさん浴びたら、以下のようなセルフケアを行うことが大切です。

・できるだけ早く日焼け部分を冷やす
日焼けした部分は肌の赤みやほてりを伴うので、できるだけ早くこの熱を冷ますことが必要です。濡れタオルなどで日焼け部分を冷やすといいでしょう。保冷剤や氷などを持ち合わせていれば、これらを濡れタオルでくるんで冷却を行うのがおすすめです。

・十分な保湿を行う
日焼け後に十分な冷却を行った後は、しっかりと肌の保湿をしましょう。日焼け後の肌は、皮膚の角層がダメージを受けてバリア機能が低下し、乾燥傾向にあります。そのため、なるべく肌への刺激が少ない保湿剤を用いてしっかりと水分を補充することが大切です。

ただし、肌の赤みやヒリヒリ及び水疱(水膨れ)などが強く生じた場合には、早めの皮膚科受診をおすすめします。炎症を抑える外用剤などの処方で、症状の改善が見込まれます。慢性の障害である皮膚がんなどの皮膚腫瘍が疑われる際にも、皮膚科を受診して精査を行い、適切な治療が必要となります。

また、紫外線によるシミ・シワ・たるみなどでは、美容皮膚科や美容外科にて治療が可能です。お悩みの方は受診を検討してみてください。


教えてくれたのは・・・

鶴町宗大 副院長

医療法人 鶴町会 理事。つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック 副院長。獨協医科大学医学部卒業後、順天堂大学浦安病院 皮膚科教室にて研鑽を積み皮膚科専門医を取得。現在、つくば・土浦鶴町皮膚科クリニックの副院長として、皮膚科・美容皮膚科を通じて、健康で美しい肌の実現を目指して、肌の悩みをトータルにサポートできるよう診療を行っている。皮膚科専門医、医学博士の資格を保有。

取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部

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