曇天の紫外線はどのくらい?安心できないワケは「曇り」の定義にあった!予報士解説
2023/05/29
晴れているときと比べると、当然ながら曇っているときには減る紫外線量。
でも、どのくらい減っているかご存知でしょうか。そもそも、「雲っている」ってどういう状態??
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんに、意外と知らない「曇り」の定義と紫外線の関係について教えてもらいました。
曇天で60%・雨天で30%…だけど落とし穴が
晴れているときに降り注ぐ紫外線量を100%とすると、曇りのときには約60%、雨のときには約30%になります。
「なぁんだ、曇っていたら半分近くにまで減るんだ!よかった!!」と思った方もいるかもしれませんが……、もしかしたら、皆さんが思っている「曇り」と実際の「曇り」は違うかもしれません。
「曇り」ってどんな状態?
気象学で言う「曇り」の状態は、じつはかなりがっつり曇っている状態です。
数字で言うと、空の8割以上が雲に覆われている状態。
つまり見た目では、もう今にも雨が降りだしてきそうな、暗くて灰色の空です。
ここまで曇ってようやく紫外線量が約60%まで減るわけですから、逆に言うとここまで曇っていなければ、かなりの量の紫外線が降り注いでいると考えた方がよさそうです。
また、もし空全体に雲がかかっていても、非常に薄い雲で太陽が透けて見える状態は「薄曇り」と呼ばれ、場合によってはなんと晴天時の約90%の紫外線を通してしまいます。
つまり、晴天時と同じレベルで紫外線対策を考える必要があるのです。
“うっかり日焼け”を防ごう!
さて、この記事の前半で「晴天時と比べた紫外線量は曇天時で約60%、雨天時で約30%」とご紹介しました。
よく考えてみると、雨が降っていても約30%あるって、結構多いですよね。
これからの時期は、「今日は天気が良くないから」とか「今日は短時間しか外に出ないから」といった油断がすぐに“うっかり日焼け”につながる季節。
「紫外線対策のレベルは天候によって変えない」を基準にして肌を守っていきましょう!
■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部
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