例年5月頃から出荷量が増え、梅雨が終わる頃までの短い期間、旬をむかえるさくらんぼ。店頭にならぶツヤツヤのさくらんぼを見るとつい買いたくなりますが、リンゴやミカンと比べやや値が張るので、買うなら失敗したくない!と思いますよね。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、さくらんぼを買うときぜひ見てもらいたいポイントを解説してもらいます!

まずは大きさ・色・ハリを確認!
おいしいさくらんぼを見分けるための最初のステップは、大きさ・色・ハリをチェックすること。繊細なさくらんぼをさわらなくても、パッケージの外側から見て確認することができます。
まず大きさは、できるだけ大きいものがおすすめ。フルーツのなかには大きすぎると味がうすかったり甘さが足りなかったりするタイプのものもありますが、さくらんぼに関しては大きいもののほうが甘い確率が高いです。
また、色は濃いものを選びましょう。一般的なスーパーにもっとも多く並ぶ「佐藤錦」という品種のさくらんぼは朱色に近い赤色が特徴。そのほかの品種も赤と朱の中間くらいの色が多いですが、「紅さやか」という品種は少し黒みがかった赤が熟している証拠です。
最後に、全体がぷっくりしてハリのあるものを選びましょう。鮮度が落ちてくると、だんだんハリがなくなり、ツヤ感もなくなってきてしまいます。
できれば軸の状態もチェックを
さくらんぼは梱包の方法によっては軸が隠れて見えない状態で売られていることもありますが、もし軸がパッケージの外から見える場合は、ぜひ軸の状態もチェックしてください。
さくらんぼの軸は、収穫から時間が経つと、だんだん緑色から茶色へと変化していきます。そのため、できるだけ軸が鮮やかな緑色をしているものを選びましょう。
アメリカンチェリーも基本は同じ
日本のさくらんぼが出荷のピークをむかえるのとほぼ同時期に、アメリカ西海岸から輸入されてくるのがアメリカンチェリーです。たいていのスーパーに並ぶのは、赤ワインのような濃赤色の「ビング種」と呼ばれる種類で、コストコなど一部で「レーニア種」という黄色みがかった種類も売っています。
アメリカンチェリーも、選びかたは基本的に日本のさくらんぼと同様で、粒が大きく、色が濃く、表面にハリがあるものがおすすめです。
なお、アメリカンチェリーは、もともと日本のさくらんぼより濃厚な甘さが特徴ですが、たとえばビング種のチェリーを選ぶ際、色が濃いものを選ぶとしっかり甘さがあり、逆に色がうすめのものを選ぶと糖度は低いですがスッキリした甘さで酸味とのバランスがよいものが多くなりますので、お好みで選んでくだいね。
鮮度が命!おいしいさくらんぼを食べよう
さくらんぼは日本で明治時代から栽培されていますが、鮮度がよくないと食べられないため、本格的に普及したのは宅配便が始まった1970年代以降といわれています。そのくらい、鮮度が「命」の果物なのです。しかも、複数品種をあわせても旬はわずか2カ月程度という、食べられる期間が短い果物でもあります。
ぜひ今回ご紹介したコツをおさえて、今の季節ならではの甘くておいしいさくらんぼを堪能してくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部