冬の定番・みかんは、じつは果物のなかでも、外見だけで甘さを判定しやすいポイントがひときわ多い果物です。
ヘタが緑色か黄色か?ヘタの軸が大きいか小さいか?形がまん丸か扁平か…??野菜ソムリエ・食育インストラクターの植松愛実が、甘いみかんの見わけかたを解説します。
【1. ヘタの色】緑色 vs 黄色
みかんのヘタをよく見てみると、フレッシュな緑色をしているものもあれば、黄色みがかっているものもあります。みかんのヘタは、収穫直後に緑色でも、時間が経って追熟するとともにだんだん黄色っぽくなっていきます。
そのため、たとえばお歳暮やふるさと納税などで段ボールいっぱいのみかんを手に入れたら、ヘタが緑色のものより少し黄色っぽくなっているものから順に選んで食べるのがおすすめです。
【2. ヘタの軸】大きい vs 小さい
みかんのヘタをさらによく見てみると、ヘタの中央の軸にもひとつひとつ違いがあります。軸の断面が大きい(つまり木になっていたときの軸が太い)ものと、断面が小さい(軸が細いもの)があるのです。
軸はみかんが木の枝とつながっていた部分で、軸が太いもののほうが、枝からみかんへ多くの水が行きわたっていることになります。そのぶん、みかん本来の味や甘さがボケてしまうことも。軸が細いみかんは適切な量の水分がふくまれていることが多いため、売り場で選ぶときは軸が細い(断面が小さい)ものがおすすめです。
【3. 形】まん丸 vs 扁平
甘いみかんを外見で見わけるには、全体の形もヒントになります。みかんを横から見たときに、まん丸の形になっているものよりも、少し平たい、扁平な形のもののほうがおすすめです。
なお、みかんの形は品種によってかなり異なります。そのため、同じ品種どうしであれば扁平なものが甘いものに当たる確率が高い、ということになります。
【4. 表面のつぶつぶ】細かい vs 粗い
最後に、みかんの皮の表面をよ~く見てみてください。皮の表面には、みかん特有のつぶつぶがありますよね。これは「油胞(ゆほう)」と呼ばれ、みかんの精油成分がふくまれている部分です。
じつは、ここまで紹介してきたヘタの状態や全体の形とは異なり、この油胞の質は、みかんの成長段階のかなり早いうちから決まります。油胞がよりきめ細かいもののほうが最終的に甘くなりやすいため、表面のつぶつぶが細かいものを選ぶのがおすすめです。
外見の情報が多いみかんの選びかたをマスターしよう
フルーツのなかには、実際にさわったり切ったりしてみないと味がわからないものもありますが、みかんはさわらなくても、見るだけで区別がつくポイントが多く、スーパーの店頭でも甘いものを簡単に選びやすいのがうれしい特徴です。
毎年12月頃から年が明けて2月頃まで、東海や西日本の各地から多く出荷されるみかん。ぜひ甘いみかんの選びかたをマスターして、旬の季節を楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部