女性は鼻をつまんで、

【夏のニオイ対策】 汗ケアで重要な3点セットとは!?

2020/08/17

夏は外を歩くだけでたくさんの汗をかきますが、特に女性は汗によるにおいが気になる人も多いのではないでしょうか。どのように対策をしたら“汗くさいオンナ”にならないのか、正しい汗ケアの方法について銀座ケイスキンクリニック院長、慶田朋子さんに話を聞きました。

どんな条件がそろうと、汗がにおいやすくなるの?

汗には「サラッ」と「ネバッ」の2タイプがある

汗は皮膚にある汗腺から分泌されますが、汗腺には2種類あり、同じ人がかく汗にも2タイプあるのです。
「サラッとタイプ」の汗は、エクリン腺という汗腺から分泌されます。エクリン腺は全身にあり、ここから出る汗はサラッとしていてにおいがありません。汗をかくことで気化熱により体温を下げる役割があります。
一方の「ネバッとタイプ」の汗は、アポクリン腺という汗腺から分泌されます。アポクリン腺は脇の下や乳輪、外耳、外陰部、肛門周辺に分布し、汗にたんぱく質などを含んでいることから、誰でも多少のにおいがあります。遺伝的にアポクリン腺から出る汗のにおいが強いものを、“わきが”と呼びます。いわゆるフェロモンの臭いも、このアポクリン腺から発せられます。

多湿な環境で大量の汗をかいて放置するとにおう

もともとは無臭のエクリン汗も、大量に汗をかいたあとにシャワーを浴びずに放置しているとにおいやすくなります。それは、汗が皮膚の表面で垢(古い角質)や皮脂と混じりあったところに、皮膚に棲んでいる常在菌によってこれらが分解されたり、酸化したりするから。特にアポクリン腺の汗にはたんぱく質などの成分が含まれているので、酸化すると更ににおいが強くなります。
また発せられたにおいは、空気中の水分に乗って拡散します。同じように汗をかいても、からっとした気候の国ではあまりにおいませんが、日本をはじめとした東南アジアなどでは、湿度が高いためにおいやすくなります。アジアの国を旅すると街中から独特の臭いがしますが、あれは湿度が高いからなのです。
日本の夏は湿度がとても高いですから、汗をかいたら放置しないようにすることが大切です。

夏はにおいやすい、脇やデリケートゾーンのケアは?

夏に汗をかくと特ににおいが気になるのが、アポクリン腺のある脇とデリケートゾーンです。どのように対策をしたらいいのでしょうか。

まずは脱毛! 湿疹がある場合は治療をする

多汗症のクローズアップアジアの女性。灰色の背景に対して彼女の服に汗の染みを持つ若いアジアの女性。ヘルスケアの概念。
spukkato/gettyimages
<脇>

脇毛が生えていると汗が付着してにおいが拡散しやすくなりますから、毛の処理をすることが大切です。蒸れやすい部位では、常在菌の分解も進みやすくなることも影響します。
シェーバーでセルフケアをしている方も多いですが、肌が弱い方の場合、かみそりの刃で角層まで剃ってしまい、肌バリアが失われて湿疹になってしまっている方がいます。湿疹を放置すると黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増えて、臭いにおいを発するので、早めに皮膚科を受診してください。
またわき汗に悩んでいる場合は、ボトックス注射で汗を出ない状態にすることも可能です。効果はおよそ半年から10カ月続きます。悩んでいる方は美容皮膚科に相談ししてみてください。

<デリケートゾーン>

デリケートゾーンも、脇と同様に毛の処理をすることが大切です。
デリケートゾーンは、アポクリン腺があるためもともとにおいやすい上に、ヘアがあると尿や便、おりもの、月経血などが付着して蒸れてさらににおいやすくなります。ヘアの処理をしておけば、拭きやすい&洗いやすいのでにおいケアもラクですよ。
また月経時の対策としては、湿った状態が長く続くとにおいのもととなりますので、タンポンとナプキンの併用がオススメです。
そして、わきががある人は “すそわきが(デリケートゾーンのにおい)”もありますので、脱毛+泡のソープで丁寧に洗ってケアを念入りにしましょう。

医療レーザー脱毛でセルフケアからサヨナラ

最近は、永久脱毛の価格もかなり低くなってきています。エステサロンでの脱毛は違法でやけどなどの事故も多いので、医療機関で受けるようにしてください。医療レーザー脱毛は少ない回数で肌質を選ばず効果を発揮するので、費用対効果も高くおすすめです。痛みに弱い方も表面麻酔クリームを塗るのでストレスなく照射できます。医療レーザーは出力が高いため、脇やVIOなら3回で毛量と毛の太さが半分になり、6回程度でほとんど剃らないでよい状態になります。肌の色と毛量で必要な回数は異なります。Vの部分を残すかどうかはお好みになりますが、IとOはすべて脱毛しておくといいですね。

汗をにおわせないための、正しいケア方法は?

汗をかいたら、まず体温を下げる

汗をかく目的は、汗が蒸発する際の気化熱で体温を下げること。体温が高いままだと汗は止まりません。脇の下や首などをぬれたタオルや保冷剤で冷やしつつ、エアコンや扇風機を使って体表面の温度を下げましょう。

ぬれタオルなどで拭く、洗い流す

liza5450/gettyimages

汗をにおわせないためには、こまめに汗を拭き、可能であれば洗い流しましょう。外出中は、ぬらしたハンドタオルなどで拭き取るのもオススメです。ぬれたもので拭くことで涼しくなりますし、汗に含まれている成分も除去できます。

頭皮はぬれタオルかドライシャンプーでケア

髪や頭皮も汗をかくとにおいが気になる部位です。頭皮は汗や皮脂量が多いため、汗くささに加えて皮脂が酸化するためにおいやすくなります。出先では、ぬらしたハンドタオルで頭皮を拭いたり、ドライシャンプーを使ったりするといいですね。

下着はこまめに替えて

汗がしみこんだ下着や衣類などをそのままにしておくと、皮脂が酸化してにおいやすくなります。外出時には替えの下着を持ち歩くといいですね。また吸湿速乾作用のある機能性肌着も、汗が皮膚に残りにくくなるのでオススメです。

水分を補給する 

美しいアジアの女の子を飲みながら、自然のミネラルウォーター
MoustacheGirl/gettyimages

体内の水分が足りなくなると、汗の成分が濃縮されるので汗がくさくなりがちです。熱中症対策としても水分補給は重要ですので、こまめに水分を摂るようにしましょう。

湯船につかって汗腺をきたえる

miya227/gettyimages

におわない“良い汗”をかくためには、汗腺をきたえることも大切です。それには適度な運動と、湯船につかってしっかり汗をかくのがオススメ! ストレス解消にもなりますので、お好みの入浴剤を選んで心身をリラックスさせましょう。

まだまだ汗をたくさんかく季節が続きますが、正しい汗ケアで爽やかな毎日を過ごして生きましょう!

<監修者 プロフィール>
慶田朋子(けいだ ともこ)
銀座ケイスキンクリニック 院長
医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業。東京女子医後、同大皮膚科学教室に入局。美容クリニック勤務(兼務)を経て、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、銀座ケイスキンクリニック開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「メスを使わない若返り」を叶える美容皮膚科医として診療にあたる。においケアにも詳しい。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。

取材・文/渡邉由希

 
 

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