酒粕は冷凍できる!保存や解凍の方法・注意点は?アレンジレシピも紹介
2023/01/28
基本的に酒粕は日持ちする食品ですが、冷凍すればさらに長く保存しておけることをご存知でしょうか。本記事では、酒粕を保存する際の注意点や酒粕の冷凍の仕方、冷凍した酒粕の活用レシピなどを紹介しています。こちらを参考にして、酒粕の冷凍保存を活用しましょう。
酒粕を保存する際の注意点
酒粕は常温保存も可能ですが、開封すると一気に熟成が進みます。開封後は酒粕の状態をチェックしてください。熟成が進んだからといって酒粕が使えなくなるわけではありません。色の変化などを確認しながら、熟成の進み具合に応じておいしく調理できます。
空気を抜いておいたジッパー付きの保存袋が膨らんでいたら、いったん口を開けて空気を抜いてから、再度保存してください。
酒粕には主に3つのタイプがある
商品化されている酒粕には形状の異なる3タイプがあります。形状の違いは、酒のもとである「もろみ」を圧搾する方法や用途の違いによるものです。
練ってやわらかくしてペースト状で売られている酒粕は「練り粕」「踏み込み粕」などと呼ばれています。奈良漬けのように野菜を漬け込むときによく使われます。
酒粕を搾ったままの板状で売られているものは「板粕」と呼ばれ、酒造りの旬である冬場に多く出回る種類です。板粕のようにきれいな板状にならずに崩れてしまったものが「バラ粕」で、板粕よりもやわらかめの粕です。
いずれの形状でも冷凍可能ですが、使い勝手がよいペースト状で冷凍しておくことをおすすめします。自宅でも水分を加えてペースト状の酒粕を作ることができます。
酒粕はできる限り空気を抜いて冷凍するのがおすすめ
酒粕を冷凍するとアルコール分が揮発してしまったり、水分が失われ乾燥してしまったりすることがあります。こうした酒粕の劣化を防ぐために、空気から遮断することが大切です。
酒粕を冷凍するときは、食品用ラップや冷凍用のジッパー付き保存袋などを使って、酒粕ができるだけ空気と触れないように工夫して保存しましょう。
ここでは、酒粕を冷凍する際の手順とコツについて見ていきます。
1:ジッパー付きの保存袋に入れる
板粕を冷凍する場合は、1枚ずつ食品用ラップで包んでから冷凍しましょう。空気に触れないようにぴったりと包んでください。板粕が冷凍庫内のスペースに対して大きすぎる場合は、保存場所にあわせて包丁でカットしてから冷凍しましょう。
酒粕は冷凍しても硬くならず、解凍しなくても板粕をちぎることができるため、使用時のことを考えて小分けにする必要はありません。
板粕以外の酒粕は、直接冷凍用のジッパー付き保存袋に入れます。板粕は食品用ラップで包んだあとに冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて保存しましょう。
2:薄く広げて形を整える
板粕以外の酒粕は、冷凍用のジッパー付き保存袋に入れたあと、できるだけ平らになるよう薄く広げましょう。袋内部の空気を抜き、平らにしておけば、冷凍庫内に収納しておくときに場所を取らず片付けやすくなります。立てて保存しておくこともできます。
3:できる限り空気を抜いてジッパーを閉じる
酒粕を冷凍用のジッパー付き保存袋に入れたら、酒粕を空気から遮断するために、袋内の空気をできるだけ抜いてから密閉してください。空気から遮断することで、酒粕の劣化を防げます。そのあとは、冷凍庫に入れて保存しておきましょう。
酒粕の解凍方法
酒粕は使う前に必要な量だけ取り出し、自然解凍しておきましょう。加熱調理する場合は、凍ったまま使うことも可能です。
酒粕は密閉して冷凍しておいても、時間の経過とともに水分とアルコール分が抜けてしまいます。
冷凍して時間が経っている酒粕は、使用する前に少量の日本酒に浸しておきましょう。抜けてしまったアルコール分と水分が酒粕に戻り、風味が増しておいしくなるのでおすすめです。
冷凍酒粕の保存期間は?
酒粕は常温でも3カ月ほど保存しておける食品です。冷蔵なら半年、冷凍だと1年保存可能です。保存期間はいずれも保存状態や環境に依存するため、保存期間内であっても酒粕が傷んでしまったり、劣化によりおいしくなくなったりすることもあります。
おいしい状態の酒粕を使うためには、保存期間ぎりぎりまで保存し続けるのではなく、できるだけ早めに食べ切ってしまいましょう。
冷凍した酒粕の活用レシピ
酒粕といえば、野菜や魚、肉などを「粕漬」にしたり、粕汁や甘酒などの汁物にしたりする使い方が定番です。定番以外でも、簡単に酒粕を活用できるレシピはたくさんありますので、この機会に覚えて料理のレパートリーを広げてみましょう。
ここでは、酒粕を活用できるおすすめのレシピを紹介します。紹介しているレシピに挑戦してみたり、参考に似通った料理に応用したりして、多くの料理に酒粕を活用しましょう。
粕床(かすどこ)
野菜や魚などを漬け込める酒粕の床は、冷凍しておいた酒粕を使って作ることも、粕床を冷凍することも可能です。
粕床は糠床と同じように使うことができ、野菜を漬物にしたり、粕漬けの魚や肉を作ったりできます。漬け込む食材にもよりますが、繰り返して数カ月間使えるので便利です。しばらく使わないときは、冷凍保存しておけます。
鮭と根菜の粕汁(かす汁)
このレシピには、どの形状の酒粕でも解凍なしで使えます。
食材を煮込んで火を通したあと、煮込んでいる汁を少し取り分けます。次に冷凍しておいた酒粕をほぐして、味噌と一緒に仕上げの味つけとして溶き入れます。板粕を使う場合は溶けにくいので、少し早めに煮汁で溶きほぐしておいてください。
酒粕ボンボン
酒粕を使って作るチョコレートボンボンで、冷凍しているペースト状の酒粕が使いやすいのでおすすめです。板粕やバラ粕を冷凍している場合は、冷凍から取り出して少し時間をかけて揉み込みましょう。
アルコール分の多いボンボンに仕上がるため、大人向きのレシピです。お酒に弱い人は気を付けて食べてください。
酒粕の保存は冷凍を活用しよう
酒粕を購入しても1回の料理で使い切れることは少ないのではないでしょうか。酒粕は常温や冷蔵でも長く保存しておけますが、やはり冷凍が一番長く保存しておけます。
酒粕を少量しか使わない料理でも、冷凍しておけば必要な分だけ使って保存を継続できますので、酒粕の保存には冷凍を活用していきましょう。