「空気清浄機」の臭いの原因は?カビや雑菌を取るフィルターのお掃除方法を紹介
2023/01/19
最近、空気清浄機のお手入れはいつ頃されましたでしょうか?お手入れをしたことがない方、どうやってすればいいのか分からない方も少なくないと思います。そもそも空気をキレイにしてくれるための空気清浄機。それ自身が清潔でないと、設置している意味がなくなってしまいます。
お手入れって難しいのかな、大変なのかなと思われがちですが、ご安心ください。そんなことは全くありません。お手入れ方法も予防方法もとても簡単です。家にある道具で、今日からでも始められることばかりです。臭いの原因追及方法やそれに合わせた対処方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。
また、空気清浄機の機種によって、対応方法も異なります。必ず、手元に取扱説明書を準備しておいてくださいね。
空気清浄機からの嫌な臭いの要因とは
様々な感染症が流行っています。それに伴い、空気清浄機を設置する方も増えてきています。皆さんも職場やお店など、様々な場所で空気清浄機を目にする機会が増えてきていると思います。
室内の空気をキレイにしてくれるための空気清浄機ですが、お手入れを怠ると、嫌な臭いを発してきます。その要因もいくつかあります。しっかりと要因を把握することで、予防方法も見えてきます。まずは、空気清浄機が嫌な臭いを発してきた時の主な要因を3つ紹介していきます。
カビによるもの
嫌な臭いの要因にカビがあります。空気清浄機に加湿機能がついているものも多くあり、加湿用の吸水タンク内の水分や加湿する際に排出される水分が汚れと混ざりあうことで、カビが発生します。そのカビが異臭の要因になります。
カビは、水分・汚れ・温度の3つの要因が揃うと発生してしまいます。空気清浄機の内部には、この3つの要因が揃いやすい環境となります。意識してお手入れをしていく必要がでてきます。
雑菌によるもの
空気清浄機内には、フィルターがついています。このフィルターに、汚れた空気やホコリなどが吸着します。吸着し、消滅させているのではなく、ただ吸収しているだけとなります。フィルターがあるから、臭いの根源が解決できるわけではありません。
むしろ、汚れを吸収してしまったフィルターを放置していると雑菌が繁殖してしまいます。この雑菌が異臭の要因にもなります。
加湿タンク内の水が腐っていることによるもの
空気清浄機の中には、加湿もできる加湿空気清浄機があります。加湿をするために、水を溜める給水タンクがあります。その給水タンクに水を入れ、長期間放置をしていると、水が腐ってしまうことがあります。
そして、その腐った水が異臭を放ってしまいます。加湿機能を使用しない時は、給水タンクを空の状態にしておきましょう。加湿をする際も、給水タンクに長期間同じ水が入った状態にならないように、こまめに交換していきましょう。
空気清浄機の臭いの元を探す方法
空気清浄機から臭いがした場合、どこから臭いが発しているのか、原因を突き止める必要があります。原因さえ分かれば、その後の対処法も決まってきます。フィルターが原因なのか、または本体が原因なのかを突き止めるためにも以下に紹介する方法を順番に試してみてください。
これらを試しても、原因が分からなければ、メーカーに問い合わせる必要もでてきます。確かめる方法は、とても簡単ですので、まずは自分で原因を探っていきましょう。万が一、フィルターが原因の場合は、対処方法も紹介しておりますので、参考にしてみてください。
フィルターを全部外して運転してみる
臭いの原因は、フィルターだけとは限りません。空気清浄機本体に臭いがついてしまっているという可能性もあります。それを確かめるために、一度全てのフィルターを外してみてください。
そして、室内が風通しのいい状態で、半日程度運転をしてみてください。臭いの原因を突き止めるためにも、ぜひ試してみましょう。これでも臭いが消えない場合は、一度専門の方にみてもらうことをおすすめします。
集塵または消臭フィルターをつけて運転してみる
集塵フィルター以外のフィルターを外し、運転させます。ここで、臭いがすれば、臭いの原因は集塵フィルターということになります。消臭フィルターも一緒です。消臭フィルター以外のフィルターを外し、運転させます。ここで、臭いがすれば、臭いの原因は消臭フィルターということになります。
どちらのフィルターが臭いの原因だったとしても、対処方法は同じです。フィルターを半日ほど天日干ししてみてください。これで、臭いが改善される場合もありますので、ぜひお試しください。
加湿フィルターをつけて運転してみる
加湿空気清浄機の方は、加湿フィルターがついています。もしかすると、加湿フィルターが臭いの原因という可能性もあります。加湿フィルターを設置し、その他のフィルターは外して運転させます。ここで臭いがすれば、加湿フィルターのお手入れをします。お手入れをしても、臭いが解消されない場合は、加湿フィルターを交換しましょう。
フィルターを洗って空気清浄機の臭いを除去する手順
※機種によって、フィルターの外し方やお手入れの仕方も異なります。取扱説明書に従わないと、故障の原因にもなりますので気をつけましょう
消臭フィルターを洗うために必要なものを紹介していきます。
・フィルターが入る大きさの容器
・クエン酸
・ぬるま湯
・タオル
・ゴム手袋
以上の道具を準備して掃除をしていきましょう。
フィルターが入る大きさの容器がない場合は、大きめのビニール袋でも代用ができます。その場合は、クエン酸水が漏れないように気をつけましょう。ここでは、フィルターの臭いを除去する手順を紹介していきます。手順に沿って、掃除をスタートする前に、必ずお持ちの空気清浄機の取扱説明書を手元に置きましょう。
クエン酸水の作成
フィルターの臭いを除去していくために、クエン酸を使用していきます。クエン酸は、雑菌の働きを抑える静菌作用という働きも持っています。雑菌が繁殖し、臭いが発生した場合に、悪臭を抑える効果があります。
まずは、フィルターの臭いを除去するためのクエン酸水を作成していきます。濃度の目安は、水1Lあたりクエン酸6mgほどです。フィルターが浸かるくらいの容器に、クエン酸水を作成してください。
空気清浄機内のフィルターを取り外してつけ置き
次に、空気清浄機内のフィルターを取り外していきます。機種により、取り外し方も異なりますので、必ず取扱説明書に従ってください。取り外す時点で、払って落とせるゴミや汚れがある場合は、先に取り除きましょう。
まずは、ハケでフィルターのホコリを払います。その後、ハケで取りきれなかった細かい汚れを掃除機で吸い取ります。掃除機の部分ヘッドブラシを装着すると便利です。ゴミを取り除いた後に、作成したクエン酸水に2時間つけ置きをします。
タオルで拭き取って天日干し
クエン酸水にフィルターを2時間つけ置きした後は、洗い流します。その際、クエン酸がフィルターに残留しないように気をつけなければいけません。何回も繰り返し、洗い流しましょう。その後、タオルで水分を拭き取ります。また、しっかりと乾かしてから本体に戻さなければ、故障の原因になってしまいます。
乾かす際は、天日干しをするとより臭いを取る効果が上がります。ただし、変形の恐れがありますので、夏の日差しが強い日に、直射日光に長時間当てることは避けましょう。
加湿フィルターを洗って空気清浄機の臭いを除去する方法
加湿フィルターは、月に1回程度のお手入れが必要です。加湿フィルターを外し、水かぬるま湯で押し洗いをしましょう。汚れや臭いがひどい場合は、加湿器用洗剤または中性洗剤を使用しましょう。洗剤の量は、記載されている規定量を守ってください。加湿フィルターが入る容器に、水と洗剤を入れ、約30分つけ置きをします。
黄ばみや汚れも気になる場合は、薄めた酸素系漂白剤で約30分つけ置きしてみてください。つけ置き後は、しっかりと洗い流し、乾燥させます。濡れたまま本体に戻すと、雑菌の繁殖の要因となりますので、気をつけましょう。これらの方法を試しても、臭いが取れなければ、加湿フィルターの交換をおすすめします。
集塵フィルターを掃除して臭いを除去する手順
集塵フィルターから臭いがする場合は、お手入れが必要になります。お手入れに必要なものはたった2つ。
・新聞紙
・掃除機
掃除方法も簡単ですので、ぜひお試しください。ただし、フィルターは繊細に取り扱わなければ、傷みの原因になります。注意事項と併せて、お手入れ方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
新聞紙を広げて集塵フィルターを表向きに置く
フィルターを掃除する際に、まずは新聞紙を広げましょう。ゴミやホコリがフィルターから落ちるので、汚れを新聞紙でキャッチしましょう。部屋が汚れることも防いでくれます。
また、掃除が終わった後も、ホコリを包んでそのまま捨てることができ、便利です。フィルターの汚れがつくのは、表面のみです。表面についたごみを取り除いていきましょう。裏側から掃除をすると、汚れがフィルターに目詰まりをして取れなくなってしまいますので、気をつけましょう。
掃除機を使って掃除をする
フィルターの表側の汚れを吸い取る際は、掃除機の設定を弱めにして優しく吸い取っていきましょう。設定を強くしたり、強めにフィルターを擦ってしまったりすると、フィルターを傷めてしまう要因になります。
設定を強くしたからといってキレイになるわけでもありません。弱めの力で、ゆっくり丁寧にごみを吸い取っていくように意識していきましょう。
タンクの臭いを除去する手順
加湿機能がついている空気清浄機の場合は、給水タンクから臭いが発生している可能性があります。フィルター掃除をしてもまだ臭い!という時は、給水タンクを疑ってみましょう。
給水タンクは、水しか入っていないので、汚れるはずはないと思われがちです。しかし、お手入れもせず、水タンクを使い続けていると、水垢やカビ、雑菌が潜んでおり、そこから臭いが発生してしまいます。ここでは、水タンクの掃除の仕方を紹介していきます。準備する道具は、
・歯ブラシ
・粉末のクエン酸
・台所用中性洗剤
以上の3点です。手順に沿って、掃除をしていきましょう。
水タンクの取り外しとフタの掃除
タンクの掃除をする際は、まず加湿器の電源を切ります。その後、タンクを取り外します。この際も、必ず取扱説明書を読み、外し方を確認してから、作業をスタートさせましょう。取り外す際に、タンク内に水が残っている場合は、こぼさないように気をつけてください。
タンク内だけでなく、フタにもカビや雑菌は繁殖しています。歯ブラシなどを使って、汚れを落としていきましょう。汚れが頑固な時は、中性洗剤を使いながら洗いましょう。
フタとタンクの水洗い
タンク内に、水が入っている場合は、一度全て捨てましょう。タンクがあまり汚れていなければ、少量の水を入れ、フタをして、バシャバシャと左右に振り洗いをしていきましょう。その際、フタは先に洗って、キレイな状態にしてから振り洗いをしてください。
汚れが少なければ、これだけで十分キレイになります。手間もかからないので、定期的に掃除をしていき、雑菌の繁殖を抑えていきましょう。
水洗いをしても臭いや汚れが気になる場合は?
水の振り洗いではキレイにならない場合は、クエン酸を活用しましょう。タンク内に約40℃のお湯を入れ、クエン酸を溶かします。クエン酸を入れる目安は、水1Lに対してクエン酸10g程度です。臭いをスッキリさせるためには、タンク内にクエン酸を溶かし、2時間以上放置します。
つけ置きが終わったら、しっかりと水で洗い濯ぎをします。今後、タンクを汚さないためにも、こまめに水を交換したり、使用しない時は水を抜いたりしておきましょう。
フィルターを洗って臭いを除去する時の注意点
フィルターに臭いがついてしまった時は、お手入れが必要です。ただし、やみくもにお手入れをしてしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません。そうならないためにも、お手入れの際の注意点を紹介していきます。お持ちの空気清浄機の取扱説明書と併せて参考にしてみてください。
臭いが取れないフィルターは交換が必要
フィルターの臭いを取り除くためには、フィルターのお手入れをするしかありません。その際、有効的なお手入れ方法は、つけ置きです。クエン酸を使ってつけ置きをして、その後しっかりと洗い流します。つけ置きをしても、臭いが取り除けない場合は、フィルターの交換をおすすめします。
空気清浄機のフィルターは、機種にもよりますが、1年から2年で必ずフィルター交換は必要になってきます。タイミングを計りながら、交換してみてください。
集塵フィルターは水洗いできない
集塵フィルターは、静電気を活用し、目に見えないゴミを集めています。注意すべき点は、電気は水に弱いので、その集塵フィルターを水で濡らしてしまうと、静電気でゴミを集める効果をなくしてしまいます。
集塵フィルターを水洗いすることは、必ず避けましょう。水洗いをすると、性能が低下してしまいます。これでは、フィルターとしての機能を果たしてくれないので、気をつけましょう。
空気清浄機の臭いを予防する方法
空気清浄機の臭いを除去した後は、予防が大事です。予防を意識しなければ、またすぐに臭くなってしまいます。ここでは、どうすれば予防になるのかを紹介していきます。どれも簡単で、すぐにでもできることばかりです。
ただ、数週間に1回や数カ月に1回お手入れが必要なこともでてきます。ついつい忘れてしまいがちですので、その時は、手帳やカレンダーに書き込んで、忘れないように工夫してみてください。
フィルターを定期的に掃除する
一般的な空気清浄機には、プレフィルター、集塵フィルター、消臭フィルターの3種類のフィルターが存在します。その中でも、プレフィルターは、目で見えるような大きなホコリやゴミを除去する役目があります。このプレフィルターが汚れていると空気の通りが悪くなってしまいます。
プレフィルターは2週間に1回を目安に掃除をしていきましょう。また、その他のフィルターは数カ月に一度を目安に掃除することを意識していきましょう。
タンクの水交換と未使用時の水抜き
加湿空気清浄機の場合、給水タンクが存在します。たとえ、水しか入っていなくても、水垢やカビ、雑菌が繁殖しています。その雑菌を加湿の際に、部屋中にばらまかないためにも、タンクの水は定期的に交換しましょう。
また、加湿機能を使用しない時は、水は不要です。タンクに水を入れっぱなしにすると、すぐに雑菌が繁殖してしまいますので、水は抜いておきましょう。また、加湿機能を使用する際に、水を補充してください。
加湿器機能は必ず水道水を使う
加湿機能を使用する際に、水が必要です。その水を、身体に良さそう、空気に良さそうだからとミネラルウォーターを入れるのは避けましょう。水道水には、塩素が含まれています。その塩素が、カビや雑菌の繁殖を少し抑えてくれます。
しかし、ミネラルウォーターであれば、塩素が入っていないので、雑菌が繁殖しやすい環境となります。タンクに入れる水は、必ず水道水にするようにしましょう。
空気清浄機の臭いをなくして快適に使えるようにしましょう
様々な感染症の流行りもあり、空気清浄機をお持ちの方も多いと思います。また、自宅だけでなく、病院や飲食店、スーパーなど、様々な店舗でも空気清浄機が設置されているのを見かけます。その空気清浄機から嫌な臭いが放たれていたらどうでしょうか。空気をキレイにしてくれるための機械なのに、台無しですよね。
日頃からのお手入れは大事ですが、臭いがしてきてしまったら、ご紹介してきた手順に沿って、原因を探りましょう。お手入れ方法も難しくありません。清潔を保つためにも、定期的な掃除と予防を心がけていきましょう。
■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。
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