気温が上がってくると一段とおいしく感じるきゅうりは、暑い季節の食卓の強い味方ですよね。袋入りでたくさん買ってもすぐなくなる!という家庭も多いのでは。
きゅうりはあまりに身近な野菜なので、もう今さら食べかたを調べなくても、ふつうに毎日食べているという人が多いかもしれませんが、そこには意外な「もったいない」が隠れているかも?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、きゅうりの「もったいない」食べかたとおすすめ調理法を教えてもらいます。

たたいてみなきゃ「もったいない」!
きゅうりを醤油やポン酢などで和えるとき、なんとなく味がよくしみないな、と思っている人もいるかもしれません。というのも、きゅうりは95%以上が水分で、もともと内側にめいっぱい水分が詰まっている状態。つまり、この状態でさらに醤油など別の水分を入れようとしても、なかなか入っていかないのです。
もちろん、きゅうりをいったん塩もみにして水気を抜いておけば、調味料がしっかり中に入っていきますが、ちょっと面倒ですよね。そんなときは、「たたく」のがおすすめ。
調理用の綿棒や、包丁の持ち手の部分などで、きゅうりを砕くようにたたくと、きゅうりの断面がギザギザになって表面積が増え、包丁でスパッと切るよりも味がしみやすくなります。せっかくサラダより手間をかけて和え物にするなら、味がしみていないと「もったいない」ですから、ぜひやってみてくださいね。
生で食べるだけじゃ「もったいない」!
きゅうりと言えば、生でサラダや酢の物、あるいは漬け物に…と思われがちですが、じつはきゅうりは、加熱調理もできる野菜です。生で食べるだけでは、きゅうりの世界の一部しか楽しんでいないことになり「もったいない」!
なんときゅうりは、炒めても揚げても食べられます。とはいえ水分量の多いきゅうりを揚げ物にするのはちょっとたいへんなので、最初にやってみるなら炒め物がおすすめ。
ちくわや卵などと一緒に炒めたり、シーフードと炒めても合いますし、牛肉など肉との相性もよいです。ひき肉と炒めてオイスターソースやナンプラーを使った味つけにするとエスニック風になって、きゅうりの登場回数が多くマンネリ化しやすい季節におすすめです。
きゅうりを100%楽しんで暑さを乗りきろう
きゅうりは、シンプルで素朴な野菜でありながらも、じつはバラエティに富んだ食べかたのできる野菜です。きゅうりなんてもう数えきれないくらい食べたことある…という人でも、意外ときゅうりの一面しか味わっていないことも。
これから暑くなる時期は、カリウムなど熱中症対策になる栄養素も含むきゅうりは強い味方。ぜひ今回ご紹介した方法をためして、きゅうりの世界を100%楽しみながら暑さを乗りきってくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部