エコのための省電力化

エアコンが臭い原因は?抑える方法や掃除方法などの予防策を紹介

2023/01/18

エアコンは目線より上に設置されており、なおかつエアコンカバーがあるため、内部の汚れに気がつきにくいです。汚れを放置していると、「あれ?エアコンから出てくる風が臭いな」という状況に陥ってしまいます。臭くなってしまうと、すでにカビが繁殖した後です。カビが繁殖すると、掃除も大変になってしまいます。

また、エアコンは電化製品ですので、掃除方法を誤ると故障の原因にも繋がります。間違ったやり方で掃除をしないようにしましょう。ここでは、掃除の仕方から、汚さない予防方法についても紹介していきます。エアコンを長持ちさせるためにも、清潔を保つ習慣をつけていきましょう。

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エアコンが臭い原因は?

エアコン悪臭 アット ホーム
AndreyPopov/gettyimages

エアコンを稼働させると、なんだか臭いな?と感じることがあると思います。臭いと感じたときには、すでにエアコン内部にカビや雑菌が繁殖している可能性が高いです。エアコンが臭う原因はさまざまです。その原因を知り、対処していかないとエアコンの悪臭を解消することはできません。

エアコンの内部を洗浄しようと思うと、分解が必要となり、なかなか自分ではできないことも多く、専門業者に依頼する必要が出てきます。臭いがひどくなる前に、どういう原因でカビが繁殖してしまうのかを把握していきましょう。

フィルターが汚れている

フィルターの役目は、エアコンが空気を吸い込むときに、ホコリを吸いこまないようにするためのものです。しかし、フィルター自体が汚れていると、汚れたフィルターを介して空気がエアコン内部に入り込んでしまいます。

そして、汚れが内部に入り込むことで、異臭の原因にもなります。フィルターは取り外しが可能です。熱交換器やドレンパンと異なり、フィルターは水で洗うことが可能です。定期的にフィルターを掃除し、ホコリが溜まるのを防ぎましょう。

熱交換時から発生する水

冷房や除湿を運転させると、エアコン内部にある熱交換器から水が発生します。この水は、ドレンパンという受け皿に溜まり、ドレンホースをとおり、外に排出されます。外に排出されますが、水もすぐに乾くわけではないので、カビが発生する要因のひとつになってしまいます。

カビが発生してしまうと、悪臭の原因になってしまいます。暖房機能では、熱交換器から水は発生しないことから、冬場より夏場の方が悪臭が発生しやすい環境となりますので、注意が必要です。

エアコン内部のカビ

エアコンをつけると、雑巾のような臭いを経験したかたも少なくないと思います。臭いの原因はカビです。ホコリがエアコン内部に入り込み、蓄積し、カビの栄養源に。

そして、エアコン内部に発生する結露がカビを繁殖させます。これらが異臭の原因です。エアコン内部は、エアコンカバーなどがあり、通気性がいい環境とは言えません。冷房を稼働させた際に、湿度が高まり、カビが喜ぶ環境となります。

ドレンホースから侵入した排水溝の臭い

エアコンは、部屋の空気を吸い込むので、室外の異臭が原因で室内に悪臭がするという心配はありません。しかし、エアコンの内部に発生した水分は、ドレンホースをとおって、室外に排出されます。このドレンホースの先端が、排水溝に入ってしまっていると、排水溝の臭いが室内に入ってきてしまいます。

また、ドレンホースにホコリや虫が詰まり、室内からうまく水が排出されなかった場合も、異臭の原因となります。異臭がしたときは、ドレンホースの置かれている状況も確認してみてください。

空気の汚れや生活臭

エアコンは室内の空気を吸い込み、冷やしたり温めたりして部屋に戻します。その吸い込む空気が汚れていると、エアコン内にも臭いが溜まり、ホコリなどと混じり、異臭を放つようになります。

室内にはさまざまな臭いが充満しています。人の汗、料理の油、たばこ、ペットなどの臭いまでもエアコンは空気とともに吸い取っていきます。思わぬ生活臭が異臭の原因のひとつにもなってしまいます。

エアコンの臭いを抑える方法

エアコンから異臭がするのにはいくつか理由があります。その臭いを抑えるための方法があります。なかなか目で見ただけでは、異臭の原因は分かりにくいものです。いろいろと試してみて、臭いを抑えていきましょう。ただし、一度異臭がし始めると、すでにカビが繁殖している可能性が高いです。

臭いを抑えたとしても、一時的に抑えるだけで、また時間の経過とともに臭いが出てきます。根本的な臭いを断ち切るためには、専門業者にエアコンクリーニングを依頼すること。専門業者に依頼するメリットについても紹介していきます。

フィルターを掃除する

ホコリの溜まりやすいフィルターを掃除していきましょう。フィルターにホコリが溜まっていると、汚れた空気がエアコン内部に入り込んでしまいます。また、電気代も高くなり、デメリットしかありません。

まずは、フィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。ホコリは、フィルターの表側についていることが多いので、掃除機は表側からかけるようにしましょう。汚れがひどいときは、水洗いをしましょう。ブラシやスポンジに中性洗剤をつけ、優しくこすります。

水洗いをするときは、汚れが目詰まりするのを防ぐため、フィルターの裏側から水をかけましょう。そして、完全に乾かしてから元に戻しましょう。

16℃の冷房で1時間ほど運転する

日本のリビングルームでエアコンの電源をオンにする女性コントロール
show999/gettyimages

一時的にエアコンの臭いを消すには、16℃(最低気温)の冷房を1時間ほど運転させます。こうすることで、エアコン内部に結露が発生し、結露水がエアコン内部に溜まったカビや雑菌を洗い流していきます。この結露水は、ドレンホースから排出されますので、室内に流れてくるようなことはありません。

この際、注意しないといけないのが、必ず窓を開けて換気をすることです。エアコンの風とともに出てきたカビの胞子が室内に充満しないように、窓を開けて、外に追い出しましょう。

30℃の暖房で1時間ほど運転する

窓を換気しながら、30℃の暖房で1時間運転するという方法もあります。エアコンを最高温度で稼働させることで、エアコン内部を高温にし、カビを死滅させます。その死骸を窓から排出することで、臭いを軽減させることができます。しかし、すべてのカビが死滅するわけではなく、臭いがなくなるのも一時的ですので、根本的な対処法とはなりません。

ルーバーを掃除する

フィルターだけでなく、エアコンの吹き出し口でもあるルーバーからも胞子が放出されます。ルーバーも定期的に掃除をしていきましょう。まずは、エアコンのコンセントを抜きます。その後、ルーバーを開きます。ルーバーは、中性洗剤で薄めた水に浸したクロスで丁寧に拭いていきます。

手が届かない場合は、定規やヘラなどを活用して、拭いていきましょう。キレイになった後は、エアコンのコンセントを差し込み、送風運転をしばらくかけておきましょう。

室内の掃除をする

室内にホコリなどの汚れが溜まっていると、ホコリもいっしょにエアコン内部に入り込んでしまいます。そのホコリが、蓄積し、カビや異臭の原因となります。エアコン自体を掃除することも大切ですが、まずは室内にホコリが溜まらないように日々の掃除も意識していきましょう。

室内にホコリを漂わせないためにも、定期的に窓を開け、換気を心がけましょう。とくに、エアコンをよく使用する季節には、換気がより大事になってきます。

エアコンクリーニングを依頼する

クリーニングのエアコン
y-studio/gettyimages

エアコンから異臭がする、カビが発生していると感じた際には、専門の業者にエアコンクリーニングを依頼しましょう。自分でエアコンを掃除しようとすると、エアコン本体まわりのホコリを取り除いたり、フィルターを洗ったりと、できることが限られてしまいます。

異臭の原因は、なかなか自分では掃除できない熱交換器の部分です。熱交換器を洗浄するためには、エアコンの分解が必要になります。きちんとした知識を持って、分解をしないと故障の原因に繋がります。専門業者に分解してもらい、部品を丁寧にしっかりと洗浄してもらいましょう。

エアコンの臭い対策の際の注意点

エアコンの臭い対策として、さまざまな方法があります。間違った方法で臭い対策をすると、エアコンの故障の原因にもなります。フィルターもとても繊細です。固めのスポンジやブラシでこすると、穴が開いてしまうというリスクがあります。フィルターに穴が開いてしまうと、エアコン内部にホコリを入れないという役目を果たしてくれなくなります。

ホコリが直接エアコン内部に溜まると、故障の引き金になります。せっかく掃除をするのであれば、間違った方法でしないように気をつけましょう。気をつけるべきポイントについて紹介していきます。

消臭スプレーは使わない

kk-istock/gettyimages

臭いなと感じたら、消臭スプレーで解決したいと思われるかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、消臭スプレーはあくまで布製品を対象に販売されています。機械に向けてスプレーをしてしまうと、消臭成分が付着し、カビの原因や、最悪の場合は故障の原因になり兼ねません。

消臭スプレーでエアコン内部の臭いを抑えようとするのはやめましょう。どうしても臭いが気になる場合は、消臭スプレーでなく、置き型の消臭剤を活用しましょう。

エアコン用の掃除スプレーは使用方法を確認する

エアコンの掃除スプレーがホームセンターやドラッグストアでも購入することができます。このスプレーをすれば、エアコン内部がキレイなると思われがちです。しかし、この掃除スプレーを使う場合は、かなり注意が必要です。まず、洗浄液を吹きかけることで、すべての汚れが取れるわけではありません。

また、熱交換器やフィルターをスプレーした際に、洗浄液がその奥のファンに付着する可能性があります。そのまま放置してしまうと、サビが発生し、故障の原因になります。さらには、電気部品に洗浄液がついてしまうと、火災を引き起こすリスクもあります。スプレーを使用する場合は取扱説明書をよく読み、リスクも理解したうえで使用しましょう。

フィルターはしっかり乾燥させる

エアコンのフィルターのホコリを取り、その後水洗いした場合は、しっかりと乾かしましょう。乾かす際も、フィルターの変色や変形を防ぐためにも、必ず直射日光が当たる場所でなく、日陰に干しましょう。しっかりと乾かさず、水分が残っている状態でフィルターをエアコンに戻してしまうと、故障や発火の恐れがあります。

また、ホコリは水分に付着しやすいので、せっかく洗ったフィルターがまたすぐ汚れてしまいます。そうならないためにも、しっかりと乾かしてから元に戻しましょう。

エアコン掃除に適さない道具は使わない

エアコンのフィルターを掃除する際に、掃除に適さない道具を使わないように注意が必要です。間違った道具を使用すると、フィルターを変色、変形させてしまう恐れがあります。フィルターを水洗いする際は、固めのスポンジやたわし、漂白剤、40℃以上のお湯などを使用しないようにしましょう。

また、洗ったフィルターを乾かす際に、直射日光に当てる、ドライヤーで乾かす、暖房器具に当てて乾かすなどはやめましょう。柔らかいスポンジやブラシで力を入れすぎずに洗い、乾かす際は、日陰に干しましょう。

エアコンの臭いを予防する方法

エアコンを購入した際や掃除した後に、臭いを予防する策を考える必要があります。臭いが発生してからの手段を考えるのでなく、まずは臭いが発生しないように日々意識することが大切です。

まずは、カビが発生する要因をつくり出さないことです。カビは、温度、栄養、水分、この3つの条件がそろったときに繁殖します。栄養となるホコリを溜めないこと。そして、結露して出た水分を放置しないこと。これらを意識して予防に努めていきましょう。

エアコンにもお掃除機能などさまざまな機能が搭載された機種も増えてきています。ただし、お掃除機能があるからといって、何もメンテナンスしなくてもいいというわけではありません。エアコンの取扱説明書も参考にしながら、汚れを予防していきましょう。

定期的なフィルター掃除

エアコンのフィルターは、ホコリをエアコン内部に入れないためにあります。そのフィルターにホコリが溜まっていると、カビの栄養源になってしまいます。また、エアコンの効きが悪くなり、電気代も高くなってしまいます。

フィルターにホコリを溜めたままだといいことはありません。少なくとも1カ月に1回は掃除をしましょう。エアコンをよく使う時期は、2週間に1回は掃除をする習慣をつけましょう。

使わない時期でも送風運転をする

稼働させていないからといって、エアコンが汚れないわけではありません。エアコンを使わない時期でも、ホコリが入り、カビ菌が繁殖します。エアコンを使用しない時期にカビが繁殖し、いざエアコンを稼働させると、カビ混じりの風が室内に送り込まれてしまいます。

そうなると、アレルギーの要因にもなります。エアコンを使用しない時期でも、月に1回は、1時間以上の送風運転をし、エアコン内部にホコリやカビを溜めないように気をつけましょう。

内部クリーンを活用する

冷房運転をした後に、すぐに電源を切ると、エアコン内部に結露が溜まったままになります。これがカビを繁殖させる要因になります。近年のエアコンは、内部クリーン機能が搭載されている機種も多くあります。内部クリーン機能が、自動的に結露を除去してくれます。

また、内部クリーン機能がない場合は、冷房運転後に3時間程度の送風運転をすることで、内部の結露が乾き、カビの繁殖を抑えます。冷房使用後は、エアコン内部に水分を残さないように気をつけましょう。

こまめに換気する

kazuma seki/gettyimages

エアコンの内部に室内の空気が送り込まれます。その際に、室内の空気が汚れていると、その汚れがそのままエアコン内部に入り込み、異臭の原因のひとつになってしまいます。

例えば、室内でたばこを吸っていると、たばこの臭いがエアコン内部に入ります。そして、その臭いが蓄積され、エアコンを稼働した際に、たばこの臭い混じりの風が出てきてしまいます。そうならないためにも、室内の臭いが籠ってしまわないように、窓を開け、こまめに換気をしていきましょう。

エアコンの内部や周囲を清潔に保って対策をしよう

寝室
byryo/gettyimages

エアコンを清潔に保つためには、定期的にフィルターを掃除する必要があります。また、エアコン本体だけに気をかけるのではなく、室内のホコリや臭いにも注意を払わないといけません。

室内の空気がエアコンの内部に入り込みます。その空気にたくさんのホコリが混じっていると、異臭の原因になったり、すぐにフィルターがホコリまみれになったりし、電気代も高くなってしまいます。

こまめに換気して、室内の空気が籠らないようにしましょう。どうしても、異臭が解決しない場合は、専門業者にエアコンクリーニングを頼むという選択肢もあります。ホコリまみれ、カビまみれになる前に、日々予防に努めていきましょう。

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■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。

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