「洗濯機」が臭いときの掃除方法とは?原因やカビなどを防ぐポイントなども紹介
2023/01/17
洗濯後に、衣類に黒いカスや汚れがついていることはありませんか?または、洗濯機の中が臭いなと感じることはありませんか?そう感じたときは、すでに洗濯槽の裏側にカビが繁殖している可能性が高いです。洗濯機の中は、汚れや水分が常に混在している環境です。
そして、洗濯機のフタを閉め、密閉されることにより、雑菌がより繁殖しやすくなってしまいます。しかし、毎日の心がけで、カビの繁殖を抑えることができます。むずかしいことはありません。ポイントを押さえておくだけで防げることです。今日からスタートできるカビ予防を紹介していきます。
洗濯機が臭くなってしまう原因って?
洗濯機の中が臭くなってしまう要因はいくつかあります。湿気、温度、栄養の要因がそろうと、カビが発生してしまいます。洗濯槽は外からは見えないので、カビが発生していても気づきにくいです。臭いなと思った時点でカビがすでに発生しています。そうなる前に、カビの要因を断ち切る必要があります。
また、近年主流になっているドラム式洗濯機は、使用する水の量が少ないので、洗剤や汚れが洗濯槽に残りやすいという難点があり、知らず知らずのうちに、臭いの原因をつくりだしています。まずは、臭いの原因にはどのようなものがあるのかを把握しておきましょう。
洗濯槽の裏側にカビが発生している
水分の蒸発しにくい洗濯槽の裏側は、カビが発生しやすい環境です。しかし、洗濯槽の裏側は目に見えないので、なかなかカビが発生しているかは把握しにくいもの。まだ大丈夫だろうと放置していると危険です。
洗った衣類に濃い茶色または黒色のワカメのようなこまかいカスがついていると、それはまさしく黒カビが発生している証拠です。とくに湿気の多い季節には、よりカビが発生しやすくなります。悪臭も一気に進みますので注意が必要です。
雑菌が繁殖している
洗濯機の中から生臭い雑巾のような臭いがしてくるなと思ったら、それは洗濯槽の中で雑菌が繁殖している可能性が高いです。臭いの原因は、マイコバクテリウム属の菌と言われています。この菌は、湿気、温度、栄養の3つの要素がそろうと、ものすごいスピードで繁殖していきます。
洗濯機の中に、洗う前の衣類を入れっぱなしにしていると、衣類についた汗や皮脂汚れが栄養分となります。そして、風とおしの悪い洗濯機の密閉空間が湿度を上げ、菌の繁殖を促してしまいます。
排水口から下水の臭いが上がってくる
洗濯槽から下水の臭いがしてきた場合は、洗濯機の排水ホースが繋がっている排水口に何らかの原因があります。排水口は下水の臭いが上がってこないような仕組みになっています。しかし、排水トラップがついていなかったり、排水トラップや排水口が汚れていたりすることが原因で、下水の臭いが上がってきてしまいます。
排水トラップとは、洗濯槽の水を排出するホースと排水口を繋ぐ部分に使われている部品のことです。排水トラップの中には常時水が溜まるようになっており、下水の臭いが上がってくるのを防いでくれます。しかし、排水トラップがなかったり、汚れていたりすると下水の臭いを食い止めることはできなくなってしまいます。
洗剤や柔軟剤が溶け残っている
洗剤や柔軟剤など様々な種類の香りがすすぎで流しきれず、細菌やカビ菌が発する臭いと混ざることで、独特な臭いが発生してしまいます。洗剤や柔軟剤は、たくさん入れると洗浄力がアップし、いい香りを発するわけではありません。
使用規定量をきちんと守り、本当に必要な量だけ入れましょう。規定量以上入れてしまうと、溶けきれなかった洗剤が洗濯物や洗濯槽に残ってしまいます。これらがカビの栄養分になってしまうので、注意が必要です。
自分でできる!洗濯機の掃除方法をご紹介
洗濯機の掃除も自宅でできる方法があります。しかし、しっかりとポイントを押さえて掃除をしていかないと、中途半端に汚れが洗濯槽に残ってしまいます。そして、その残った汚れが洗濯するたびに衣類についてしまう恐れがあります。
そうならないためにも、しっかりとポイントを押さえながら掃除をしていきましょう。また、ドラム式洗濯機の場合は、ななめになっているため、洗剤が全体に行き渡らないので、今回の方法では掃除ができません。縦型式洗濯機の方のみお試しください。
洗濯機の水量と洗い時間を最大に設定する
自宅でできる洗濯機の掃除方法の手順として、最初に、洗濯機の電源を入れます。そして、洗濯機の水量と洗い時間を最大に設定していきます。必要に応じて、洗濯機の取り扱い説明書を参考にしながら進めてください。水量と洗い時間を最大に設定後は、スタートボタンを押し、すぐに一時停止ボタンを押します。
洗濯槽にお湯を入れて数分間待つ
次に、洗濯機の中に、45~50℃のお湯を満水の状態になるまで入れます。熱めのお湯を入れるというのがポイントです。お湯を入れることで、汚れをある程度ふやかすという狙いもあります。
また、この後に入れる、酸素系漂白剤の中の成分は、45~50℃が最も洗浄力が高まると言われています。洗剤の効力を最大限に発揮できるようにしましょう。お湯を入れた後に、洗濯機を数分回し、再度一時停止します。
粉末の酸素系漂白剤を洗濯槽に入れる
一時停止ボタンを押した後に、粉タイプの酸素系漂白剤を500g程度入れます。洗剤を入れると、お湯に反応して、シュワシュワと泡がでます。この泡が、洗濯槽の裏側についている汚れを剝がし取ってくれます。
お湯でなく水で満水にしていると、十分に発泡してくれないので、汚れを剥がし取る勢いも減退してしまいます。せっかく洗濯機の掃除をするのであれば、お湯の温度には気をつけましょう。
洗濯機を少し回して2時間程度つけ置きする
お湯の中に、洗剤を投入し、シュワシュワと発泡し始めたら、洗濯槽の隅々まで行き渡るように、5分ほど洗濯機を回します。洗濯機を一時停止させ、約2時間そのままの状態でつけ置きをします。少しずつ黒い汚れが浮きでてきます。
つけ置きをすることで、洗濯槽の裏側にこびりついた汚れが徐々に剥がされていきますので、しっかりと放置しておきましょう。
つけ置き後に洗濯機を再度回す
2時間のつけ置きが終わった後に、約10分程度洗濯機を回しましょう。すると、洗濯槽から剥がれた黒い汚れやカスが浮きでてきます。洗剤の力と発泡の力が洗濯槽の裏側の汚れを剥がれ落とし、洗濯機を回すことで、カスがでてきてくれます。
浮いた汚れをすくい取って排水する
浮いてきた汚れは、そのまま排水せずにすくい取ります。方法としては、お風呂のごみ取りネットを使用すると簡単に汚れをキャッチすることができます。最初は、何度すくっても汚れが浮きでてきますが、根気強く取り除いていきましょう。
洗濯機を回して汚れがでなくなるまで繰り返す
汚れをごみ取りネットですくい終わったら、排水します。その後、水量と洗い時間を最大に設定し、洗濯機を回します。汚れがでなくなるまで、洗いとすすぎを繰り返します。汚れがでなくなれば完了です。
汚れがでている状況でやめてしまうと、その後の洗濯物に汚れやカスがついてしまいます。しっかりと、汚れがでなくなるまで洗濯機を回し続けましょう。
プロに頼めば徹底的に汚れを取ることもできる
定期的に洗濯槽クリーナーなどで、見えない箇所の掃除をしていくのが理想ではあります。しかし、長年使用してきた洗濯機やどうしても洗濯機の中の異臭が解決しない場合は、市販の洗濯槽クリーナーでは解決できない状態になっている可能性が高いです。その場合は、潔く、プロに頼むことをおすすめします。
専門業者が洗濯機を分解し、洗浄してくれます。洗濯槽のカビをしっかりと洗い流してくれます。これで、一度洗濯機をリセットし、そこから、カビの発生を抑えるように、日々意識していくようにしていきましょう。
雑菌やカビを防ぐポイント
普段から、カビや雑菌を繁殖させないことが大切です。繁殖させないポイントは7つあります。その7つは以下の通りです。
・洗濯が終わったら早めに干す
・洗濯物は洗濯をするときに洗濯機に入れる
・糸くずフィルターは毎回掃除する
・洗濯機を使ったらフタを開けたまま乾かす
・洗剤や柔軟剤の量は規定量を守る
・乾燥までした場合は電源をすぐに切らない
・定期的に洗濯槽を洗う
これらについて順に説明していきます。
洗濯が終わったら早めに干す
洗濯機が回り終わったら、すぐに干すようにしましょう。洗濯物がぬれている状態で密閉された洗濯機の中に放置されていると、カビの原因になります。洗濯物を取りだした後も、すぐにフタを閉めずに開けて換気するようにしましょう。
洗濯物は洗濯をするときに洗濯機に入れる
すぐに洗濯を回さないのに、次々と汚れた衣類を洗濯機の中に入れがちです。衣類には、汗や皮脂がついており、雑菌の宝庫です。洗濯機の中に入れ、そのまま放置すると、衣類の雑菌が洗濯槽に移り、異臭の原因にもなります。
汚れた衣類は、かごなどに溜めておき、いざ洗濯を回すというときに洗濯機の中に入れましょう。洗濯機の中は、常に空にしておくように心がけましょう
糸くずフィルターは毎回掃除する
糸くずフィルターの掃除を怠ると、カビや雑菌の発生源になり兼ねません。洗濯機を回すたびに、掃除をしましょう。毎回掃除をすれば、時間がかかることもありません。汚れがひどいときは、つけ置き洗いをすれば簡単にキレイになります。
洗濯機を使ったらフタを開けたまま乾かす
洗濯機から洗濯物を取りだした後は、すぐにフタを閉めないようにしましょう。洗濯機の中には、まだ水分が残っています。洗濯機のフタを閉めてしまうと、洗濯槽の水分が蒸発せずにカビの原因になります。洗濯機の種類によっては、洗濯槽乾燥機能がついています。洗濯が終わった後に、乾燥コースを回すようにしましょう。
また、100円均一で洗濯機のフタが閉め切らないようなストッパーも販売されています。便利アイテムも活用しながらカビの予防に努めましょう。
洗剤や柔軟剤の量は規定量を守る
洗剤や柔軟剤はたくさん入れれば効果があるというわけではありません。規定量以上を入れると、水に溶けきらず、洗濯槽に残ってしまいます。洗濯槽に残ると、異臭の原因にもなり兼ねません。また、洗濯物自体にも洗剤が残留する危険性もあります。衣類に残ると、皮膚に炎症を起こすというリスクもありますので、必ず規定量を守りましょう。
乾燥までした場合は電源をすぐに切らない
ドラム式洗濯機の場合は、乾燥機能を使用した後に、すぐに電源を切らないように気をつけましょう。乾燥機能を使うと、排水トラップの水位が下がります。
しかし、乾燥終了後に下水の臭いが上がってこないように、トラップに水を溜める仕組みがあります。すぐに電源を切ってしまうと、水を溜められなくなります。乾燥後は電源を切らないように注意しましょう。
定期的に洗濯槽を洗う
洗濯槽にカビを発生させないためには、定期的に洗う必要があります。市販の洗濯槽クリーナーで十分キレイを維持することができます。洗濯槽クリーナーには3種類あります。
まず1つ目は、最も安全な重曹タイプ。洗浄力は少し落ちますが、安心して使用することができます。2つ目は、発泡することで、汚れを剝がしてくれる酸素系タイプ。お湯と洗剤の力で汚れを落としてくれます。3つ目は、洗浄力が一番強い塩素系タイプ。洗浄力が強いぶん、取り扱いにも注意が必要です。
3種類のクリーナーを状況に合わせて、使い分けてみてください。
洗濯機をきれいに掃除して臭いをなくそう
衣類を清潔に保つためには、洗濯機を清潔に保つ必要があります。カビの繁殖を抑えるために、洗濯機の中に水分が残った状態で密閉しない、また、衣類も洗濯機内に放置しないなどできることから始めましょう。洗濯槽の裏側は、目に見えない箇所だからこそ、汚れに気がつきにくいです。なんだか臭いな!と感じてしまったらもう手遅れです。
カビが発生している証拠です。そうなる前に、毎日できることを継続し、そして、1カ月に1回は洗濯槽クリーナーを使って、しっかり掃除してみてください。見えない場所だからこそ、意識を高く持つ習慣をつけていきましょう。
※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。