夏枯れをリセット!元気を作る「生姜」活用5つのポイント

2018/09/13

体によいといわれる野菜のひとつに生姜があります。でも、その生姜がなぜ、どんなふうに効果があるのか、また毎日の食事にどうやって取り入れればいいのか知っていますか?暮らしスタイリストとして料理をはじめ家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、生姜についての基礎知識から簡単レシピまで役立つ5つのポイントを伺いました。

生姜の旬って?ひね生姜と新生姜の違いは?

季節に関係なくスーパーなどで見かけるのは「ひね生姜(根生姜)」です。皮が薄茶色で繊維が硬く、辛みが強いのが特徴です。収穫した生姜を貯蔵してから出荷するため、収穫時季は秋ですが、一年中流通しています。

また、白っぽく赤い茎のついているものが「新生姜」です。初夏から収穫されて、すぐに出荷されるため、6~8月ごろ出回ります。ひね生姜より色白で柔らかく、みずみずしさがあり、辛みも控えめです。甘酢漬けなどのように、加熱せずに生のまま調理して食べることが多いです。

どちらの生姜にも、食欲増進や血行促進、代謝アップなどの健康効果があるといわれています。

生姜は加熱すると、健康効果が変わる!?

独特な辛みと香りがある生姜ですが、これらは「ジンゲロール」「ショウガオール」「ジンゲロン」という成分によるものです。これらの成分に健康効果があり、ジンゲロールには殺菌作用や解熱作用、またショウガオールには血行促進作用、ジンゲロンには発汗作用や抗酸化作用があるといわれています。

生の生姜ではそれらの成分の大半がジンゲロールですが、貯蔵中の脱水や調理による加熱などでショウガオールやジンゲロンに変化します。つまり、よく耳にすることが多い「生姜が体を温める」という効果を求めるには、生姜を加熱して使うのが効果的。一方、喉の痛みや発熱など風邪の引きはじめには、生姜を生のままで摂るのがおすすめです。

チューブの生姜でも効果はあるの?

「生姜を料理に使いたいけれど、すりおろして使うのが面倒。市販のチューブ入り生姜でもいいの?」と思う人もいるかもしれません。

健康に効果があるといわれるジンゲロールは、空気に触れると減少し、数分でなくなってしまうといわれています。つまり、生の生姜をおろして、しばらく置いておくと、せっかくの健康効果がなくなってしまうということ。すりおろされた状態で販売されているチューブ生姜では、あまり効果は期待できません。生の生姜を調理するときも、健康効果を求めるのであれば、できるだけ食べる直前にスライスしたり、おろしたりするのがおすすめです。

ただし、市販の乾燥生姜には、ジンゲロールが脱水によって変化するショウガオールが多く含まれています。薬味などに使うおろし生姜の代用にはなりませんが、飲み物や汁ものに入れたり、炒めものや煮ものの風味づけなど、料理に取り入れることをおすすめします。

生姜は○○すると、長く保存できる

生姜は収穫後何ヵ月も貯蔵してから出荷するくらいなので、実は長く保存できる野菜です。ただし、家庭の保管状況ではしなびてしまったり、カビが生えてしまったりすることがあるので、工夫が必要です。

生姜の保存には、気温15℃前後、湿度90%という環境が適しています。気温が25℃を超えてくる夏以外は、ぬらした新聞紙やペーパータオルに包んで、冷暗所に常温で保存します。気温が高い時季は冷蔵庫の野菜室に保存するのがいいでしょう。ただし、長く保存したい場合は、保存容器などで水につけて冷蔵庫に入れるのがおすすめ。2~3日おきに水を入れ替えると、1ヵ月以上みずみずしい状態で保存ができます。

また、冷凍保存も可能ですが、塊のまま冷凍すると、あとで使いにくくなります。調理に合わせて、みじん切りやおろし、スライスにし、1回分ずつラップで包んで保存しましょう。

生姜の効果を手軽にとれる、生姜のはちみつ漬けの作り方

夏の暑さに疲れた体におすすめなのが生姜のはちみつ漬けです。はちみつに含まれる糖類は体への吸収も早く、疲労回復に効果的。風邪などの喉の痛みにもおすすめです。生姜と合わせれば、パワー倍増。

作り方はとても簡単です。生姜を薄くスライスして、消毒したびんに入れ、かぶるくらいのはちみつを注ぐだけ。常温状態で2~3日すると生姜から水分が出てきます。はちみつがさらっとしてきたら、完成。冷蔵庫で2~3ヵ月保存できます。

炭酸水で割れば、ジンジャーエールに。水やお湯、紅茶、牛乳などで割ってもおいしいです。また、漬けてある生姜は刻んで、料理にも使えます。豚の生姜焼きや鶏手羽元の生姜煮など、生姜の風味を生かした料理に使ってみてくださいね。

◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

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