汚れに合わせたトイレ掃除のコツ|プロに聞いた掃除の際のポイントも解説
2022/05/28
「便器のフチ裏に、尿石がこびりついて取れない」
「トイレ掃除は、便器の中、フチ裏、床だけで十分なの?」
「洗剤がたくさんあって、トイレ掃除にどれを使えば良いか分からない」
トイレ掃除に関してこのような疑問や不満を抱いている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、トイレに付着する汚れの種類や汚れに合わせたおすすめの洗剤、プロが実践しているトイレ掃除のコツなどを紹介しています。
この記事を読むことで、トイレの汚れに合わせた掃除方法やプロが実践しているトイレ掃除の方法を把握できます。その知識をもとに、掃除することで、トイレをキレイに保つことができるようになるでしょう。
日々のトイレ掃除に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
ハウスクリーニングのプロがやるトイレ掃除を取材
日々のトイレ掃除、読者のみなさまはどこまでやっているでしょうか?便器の中、フチ、床あたりまではやっていると思いますが、それ以上やるという人はあまり多くないはず。そこで今回は、ライターの増田剛己さんに、ハウスクリーニングのプロがやるトイレ掃除について取材をしてもらいました。
プロのトイレ掃除は温水洗浄便座からはじまる
広く普及している温水洗浄便座。毎日のように使う機能ですが、定期的に掃除する人はあまり多くないはず。そのため、プロはまずココから掃除するそうです。
メーカーにより、違いはありますが、取り外しボタンがあれば簡単に取り外せます(取り外す際は、必ずメーカーホームページで正しいやり方を確認してください)そして、温水洗浄便座を前にずらし、便座をあげると、いつもは目に入らない便座の裏面が見えてきます……
この裏面「ギョッ」とするほど汚れが溜まっていることもあるので、掃除をするときは覚悟しておきましょう。
ここまできたら、あとはブラシに洗剤をつけてこする、いつもどおりの掃除方法でOK。ただし、温水洗浄便座は電化製品なので、水をジャバジャバかけて洗うのは避けてください。
プロは「防臭フィルター」もしっかり洗う
温水洗浄便座にはたいていの場合「防臭フィルター」が取りつけられています。臭いを吸い取るためこのフィルターに空中のゴミが付着し、汚れているので、取り外して、ブラシでよく水洗いをしましょう。頑固な汚れは、洗剤をつけてこすってください。
……ちなみに、ここまで解説をしておいてなんですが、ハウスクリーニング業者の方いわく「温水洗浄便座の分解掃除は、素人にはあまりおすすめしません」とのこと。
故障の可能性も高まるので、もし自身でやるならノズルの掃除や、便座と便器のスキマ掃除程度にとどめておくのがよいのかもしれません。
ピンポイントの汚れには「スクレーパー」を活用!
便座にこびりついた汚れは、ピンポイントでスチール製のスクレイパーを使って除去するのが、プロのやり方。
水回りの汚れはカルキが多く、カルキ自体は白いのですが、そこに尿や汚物が付着して黒ずんでしまうんだとか。カビのように見える汚れの多くはカルキなので、スクレイパーで傷がつかないように注意しながらこそげ落とすのがよいそうです。
タンク部分などは耐水ペーパーを使う
タンク部分などにメラニンスポンジを使うのは厳禁。キズが付きやすいので、プロは耐水ペーパーを使うそうです。
ちなみに、型番は「#2000」がよいんだとか。これはメラミンスポンジよりさらに粒子が細かいので、陶器やホーロー製のタンクでも傷つけることはありません。
ただし、タンクがプラスチックの場合もあります。その場合は、耐水ペーパーでも傷がつく可能性があるので、ブラシや布で拭いたほうがよい場合もあるそうです。
プロのトイレ掃除は「見えない部分」もやる!
プロのトイレの掃除は、見えている部分はもちろん、見えていない部分まで徹底してやることがわかりました。また、場所によって道具を使い分けるのもポイント。ぜひこの記事を参考にして、ピカピカのトイレにしてくださいね。
◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。
トイレ掃除前に知っておきたい汚れの種類
トイレ掃除をするためには、まず、汚れの種類について理解しておく必要があります。汚れの種類によって、掃除方法や使う洗剤の種類が異なるからです。
ここからは、サンキュ編集部がトイレ掃除前に知っておきたい汚れの種類を紹介します。
尿石
尿石とは、尿に含まれるカルシウムやたんぱく質などが、便器内に住む雑菌の働きにより変質して、石化したものを指します。
排尿後、水を流したとしても、フチ裏など見えない部分に飛び散った尿が残っています。流しきれない尿が、石化し、尿石として蓄積すると、簡単には落とせない頑固な汚れになってしまうことも少なくありません。
尿石は臭いの原因にもなってしまうため、見つけたら早めに、除去するようにしましょう。
黒ずみ
トイレの水たまり部分や便座のフチ、床などに、黒ずみを見かけることがあります。トイレにできる黒ずみは、カビや埃、皮脂が混ざってできたものです。
トイレは湿気がこもりやすく、雑菌やカビが繁殖しやすい環境をしています。繁殖した雑菌やカビと埃がくっついて、黒ずみが発生してしまいます。
黒ずみを放置すると、色素沈着を起こし、ブラシでこすった程度では落とせなくなってしまうため、こまめに掃除しましょう。
水垢
手洗い器付きのトイレの水受け部分や蛇口部分に見られる、白くザラザラした汚れが水垢です。水垢は、水道水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が乾燥し固まって発生します。
水垢を放置すると、スポンジでこすった程度では落とせない、頑固な汚れになってしまうため注意しましょう。
汚れ別におすすめの洗剤とトイレ掃除に使う際のコツ
トイレに付着する汚れには、酸性のものとアルカリ性のものがあります。トイレ掃除を行う場合、中和反応を利用すると効果的に汚れを落とせるため、酸性の汚れにはアルカリ性洗剤を使用し、アルカリ性の汚れには酸性洗剤を使用するようにしましょう。
ここからは、汚れ別におすすめの洗剤とトイレ掃除に使う際のコツを紹介します。
尿石には酸性洗剤
尿石は、アルカリ性の性質を持つため、酸性の性質を持つ市販の酸性洗剤やクエン酸を使用しましょう。
付着して間もない尿石であれば、酸性洗剤やクエン酸水(クエン酸小さじ1に水200mlを合わせたもの)をかけて数十分おいてから、ブラシでこするだけで落とせます。時間が経って落としにくくなった頑固な尿石には、除去力が高い尿石専用の洗剤がおすすめです。
尿石の除去に酸性洗剤を使用する場合、いくつか注意したいことがあります。尿石に使用する洗剤は強い酸性をしており、皮膚に触れると手荒れを起こしてしまう場合があるため注意が必要です。
また、異なる性質を持つ洗剤と混ぜて使用しないようにしましょう。アルカリ性洗剤と酸性洗剤を混ぜると、中和反応が起こり効果が落ちてしまいます。特に、酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜてしまうと、有毒ガスが発生し、とても危険です。
酸性洗剤を使用する場合は、注意書きをよく読み、使用方法を守るようにしましょう。
黒ずみには重曹・セスキ炭酸ソーダ・酸素系漂白剤
黒ずみには、アルカリ性の性質を持つ、重曹やセスキ炭酸ソーダ、酸素系漂白剤を使用しましょう。
黒ずみの掃除方法は以下の通りです。
黒ずみ部分に、重曹もしくはセスキ炭酸ソーダ小さじ1とぬるま湯100mlを混ぜたものをかけて、数分おいてからブラシでこすり、洗い流します。黒ずみが気になるトイレの床は、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水をスプレーし、数分おいて、水拭き、乾拭きをしてください。
重曹やセスキ炭酸ソーダで落ちない黒ずみには、酸素系漂白剤を使用しましょう。便器に直接、酸素系漂白剤をふりかけ、そこにぬるま湯を投入し放置し、洗い流してください。
フチ裏など汚れが落ちにくい部分は、酸素系漂白剤の溶液などを浸したトイレットペーパーでパックすると、汚れが落ちやすくなります。
水垢にはクエン酸
アルカリ性の性質を持つ水垢には、酸性の性質を持つクエン酸がおすすめです。
クエン酸水(クエン酸小さじ1に水200mlを混ぜ合わせたもの)を白く固まった水垢にスプレーし、スポンジや古い歯ブラシなどでこすります。水垢が除去できたら、水洗いし、乾いた雑巾などでしっかり水気を拭きとりましょう。
頑固な水垢には、クエン酸パックがおすすめです。白くなっている部分にキッチンペーパーを敷き、前面にクエン酸水をスプレーします。キッチンペーパーが乾かないようにラップで覆い、1~2時間放置してください。
放置後、キッチンペーパーとラップを剥がすと、軽くスポンジでこすっただけで水垢がとれるようになります。一度で、全ての水垢を除去できない場合には、何度か同じ作業を繰り返すことで、キレイになるでしょう。
コツを知ってトイレをよりキレイにしよう
トイレ掃除する場合、汚れの性質を理解して、使用する洗剤を選ぶことで、比較的簡単に汚れを落とせます。
この記事で紹介したプロに聞いたトイレ掃除のコツなどを参考に、定期的に掃除し、トイレをキレイに保つようにしましょう。