乾燥する冬、カビ対策とは無縁……じゃありません!冬も注意したいカビ対策
2022/11/12
乾燥する冬、カビ対策とは無縁のシーズン……と思いがちですが、じつは冬もカビ発生のリスクが潜んでいるんです。
クティア株式会社が提供する家事代行サービス「カジタク」に所属する「美部屋(掃除・片付け)コンサルタント」の山口奈穗子さんに教えてもらいました。
冬は結露によるカビにご注意を!
カビの問題というと、梅雨を始めジメジメした時期のイメージがあるかもしれません。でも、住宅の事情によっては、結露が原因で冬にもカビが発生する恐れがあります。
今回は、冬に注意したい結露によるカビの原因と、対応策をご紹介します。
結露はなぜ起こる?
冬は外の気温が低いので、窓の温度も下がります。すると、窓付近の室内の空気も、冷やされてしまいます。
冷やされた空気というのは、暖かい空気よりも水蒸気を含むことができないため、気体から液体へ……つまり水になりやすい。それが結露となって、窓の内側に発生します。
冷たい飲み物のグラスが濡れてしまうのも同じ原理です。寒冷地では、さらに気温が下がるので、液体から固体へ……つまり霜となって窓の内側に付くこともあります。
結露でカビができる原因とは?
家の中にはホコリや汚れが常に発生しています。そして、窓の表面に付いた汚れやホコリ、水分がエサとなり、カビの温床になってしまうのです。
空中に舞っていたホコリは部屋の角にたまる性質があるので、窓の下の方にもたまります。また、結露の水分も窓の下の方に降りてきますので、結果的に窓の下の方がカビやすくなります。
冬のカビ対策として日頃やっておきたいこと
ここからは、冬にカビ対策として日常的にやっておきたいこと4つをご紹介します。
やること1:換気する
2003年以降、原則として建造物には24時間換気システムが導入されたため、比較的新しい建物内では、常に換気されている状態となっています。
ですので、24時間換気システムが作動している建物内では、あまり結露は問題になっていないのではないでしょう。
一方、それ以前に建てられたマンションや家屋、建物にはいまだ結露が多く見受けられます。そういった住環境ではできるだけ窓を開けて換気を促すか、換気扇やサーキュレーターを積極的に利用して、空気を循環させることを意識する必要があります。
やること2:部屋の高温多湿に注意
暖房で部屋を暖め、加湿器などで湿度を高くすると、部屋の中は外気と比較して高温多湿状態になります。高温多湿ということは、水蒸気をたくさんかかえている状態ですから、結露ができやすい状況になるのです。
やること3:ホコリと汚れの除去
窓際というのは、ほかの場所よりも汚れやすい場所。なぜなら、外気からは砂ボコリや排気ガスなどがたまり、内側からは家の中で発生したホコリがたまり、両側からの汚れの吹きだまりとなる場所だからです。ですから、できるだけこまめに汚れを拭き取ることが必要になります。
やること4:窓の温度を下げない工夫
毎日窓の結露を拭き取るのは大変な仕事です。できれば、結露ができにくいような窓にすること、つまり冷えにくい窓にすることが事前にできる対応になります。
たとえば、結露を防止するシートを窓に貼り付けたり、窓用のヒーターを取り付けたりすることも有効。また、お手頃価格のサーキュレーターの風を利用して、窓際に水蒸気を停滞させない工夫もあります。
冬にカビが発生してしまったときの対応策
カビを見つけたら、すぐに拭き取りましょう。初期の段階なら、水拭きをすることで物理的に取り除くことができます。
水拭きで取れない場合は、ガラス用の洗剤などを使用します。洗剤でも取れない場合は、カビ剤を使用します。液体のカビ剤は、垂れてしまうと床を汚してしまうので、ジェル状の垂れないタイプを塗布しましょう。
結露によるカビは、住宅設備にダメージがあるだけではなく、そこに住む人の体に影響が及ぶ可能性もあります。
対策として換気は欠かせませんが、換気をするとどうしても少し寒く感じるので、なかなか積極的にはしにくいかもしれません。着るものを暖かくして外気との温度差を少なくしたり、あらかじめ窓に結露対策を施すことで、結露によるカビを発生させないようにしたいですね。