【管理栄養士監修】賞味期限切れの「お茶」はいつまで飲める?茶葉、ペットボトル、水出ししたお茶それぞれ解説
2020/05/27
賞味期限を過ぎたお茶は飲んでいいのか迷って、結局そのまま捨ててしまったりしていませんか。この記事では、お茶の賞味期限や期限を過ぎたお茶の活用法について説明します。茶葉だけでなく、ペットボトルや水出ししたお茶についても扱いますので、ぜひご覧ください。
お茶は賞味期限が過ぎても飲めるのか
家の整理をしていたら賞味期限を過ぎた茶葉が出てきたりした経験はないでしょうか。そんなとき、「賞味期限を過ぎてもお茶は飲めるの?」と疑問に思われる人もいらっしゃるでしょう。
この記事では、茶葉、ペットボトルのお茶、ご家庭でつくったお茶など、さまざまな種類のお茶の賞味期限について解説します。長い期間お茶を保存できる方法も説明しますので、最後までご覧いただければ幸いです。
賞味期限と消費期限の違い
ここで消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。※1
消費期限とは、賞味期限と同じように保存してた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。※1
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。※2
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
茶葉の賞味期限
茶葉の賞味期限と保存方法について説明します。開封する前後で賞味期限・保存方法どちらも変わってくるため、注意しましょう。
まず解説するのは缶などに入った緑茶の葉っぱです。ペットボトルなどのすでに飲み物としてあるお茶とは異なりますので、ご注意ください。
開封前の茶葉の賞味期限・保存方法
茶葉の賞味期限は、未開封で保存したらおおよそ半年から1年程度のものが多いようです。
パッケージに記載がありますので、そちらを参考に保存してください。商品によっては半年後のものもあったりするため、賞味期限は必ず確認しましょう。
開封前の茶葉は冷蔵・冷凍保存が長持ちします。ただし、茶葉はほかの食品のにおいを吸収しやすいため、においの強い食品といっしょに保存するのは避けましょう。
また、茶葉は温度の変化や湿度にたいへん弱く、冷蔵(冷凍)庫から茶葉を取り出してすぐに封を開けると、温度差で結露を起こしてお茶が一気に劣化してしまいます。冷たい所で茶葉を保存していた場合は、封を開けるときに必ず常温に戻してから開けましょう。常温に戻す際、数時間程度では常温に戻りきらないため、丸一日常温で置いておくと確実です。※1
開封後の茶葉の賞味期限・保存方法
1度でも開封した茶葉は空気や湿気の影響を受けて劣化が急速に早まるため、パッケージに書いてある賞味期限は適用できません。できるだけ早く使い切るようにしましょう。
できるだけ長持ちさせるには、密封できる容器に移し替え、棚の中など暗い所で常温保存するのがおすすめです。温度変化や湿気、光など劣化が早まる要素をできるだけ避けて保管することで、開封後も2週間程度はおいしく飲むことができます。
開封後の茶葉は冷蔵(冷凍)庫に入れると、ほかの食材のにおいを吸収してしまったり、開け閉めする際の温度変化で結露したりするためおすすめできません。
ペットボトルのお茶の賞味期限
次は、ペットボトル飲料のお茶の賞味期限について説明します。ペットボトルのお茶も、茶葉と同じく未開封であれば賞味期限は半年~1年程度となります。※1 長期保存する場合はパッケージに記載されている賞味期限を確認しておきましょう。
保存方法は常温・冷蔵どちらでも大丈夫です。冷凍すると中身が膨らんでペットボトルが破損する恐れがありますので、冷凍保存は避けましょう。
ただし、「冷凍専用」や「冷凍ボトル」などという表示のあるペットボトルについては、通常のものよりも厚みと強度があるため、問題なく冷凍が可能です。
開封後のペットボトルのお茶の賞味期限
ペットボトルのお茶も開封すると急速に劣化が始まるため、パッケージ記載の賞味期限は無効となります。できるだけ早く飲み切るようにしましょう。また、飲み方によっても保存できる期限が異なります。以下はペットボトルのお茶を飲み切る期限について、伊藤園のホームページから引用した文章です。
茶葉よりも悪くなるのが早いため、必ず冷蔵庫で保存し2~3日で飲み切りましょう。ペットボトルに直接口をつけて飲んだ場合は、さらに保存できる期限が短くなります。「その日のうちに」と記載がありますが、もしも酸っぱいにおいや味がした場合は飲まずに捨てましょう。
水出し茶の賞味期限
ご家庭で茶葉から出したお茶の賞味期限、長持ちさせられるお茶の飲み方について説明します。
出したお茶の賞味期限は、開封後のペットボトルのお茶と同様と考えられます。冷蔵保存して2~3日程度で飲み切るようにしましょう。
もしも常温で放置してしまって、お茶の中に白色や黒色の浮遊物(カビ)が浮かんでいたり、ぬめりが出ていたり、酸っぱい味やにおいがしたりした場合は飲まずに捨ててください。
保存容器に直接口をつけて飲むとペットボトルと同じく口内の雑菌が移ってしまい、悪くなるのが早くなるため、できるだけコップに注いで飲むようにしましょう。
冷凍したお茶の賞味期限
ここではお茶を冷凍した場合の賞味期限について説明します。未開封の茶葉は冷凍することで鮮度をより長く保ち、1年程度保存することができます。
ただし、封を開ける際に冷凍庫から茶葉を取り出してすぐに封を開けると、常温との温度差で結露し、水分や温度変化に弱い茶葉は一気に傷んでしまいます。冷凍していた茶葉を開ける際は冷蔵庫に移し替えて1日、冷蔵庫から出して常温で1日という風に、徐々に温度を上げていくと劣化を抑えることができます。
ペットボトルのお茶、出したお茶については冷凍することでより長く保存することはできますが、凍ることで中身が膨らんでペットボトルが破損したり、解凍した際に水っぽくなったり渋みが増したりして味が落ちることがあるため、おすすめできません。液体のお茶を冷凍するのは、あらかじめ冷凍用のペットボトルで販売されているお茶を保存するときだけにするのが無難です。
長持ちするお茶の出し方
出したお茶を長持ちさせるポイントは、できるだけ菌を繁殖させないようにすることです。以下は菌の増殖する温度について、花王のホームページより引用した文章です。
細菌の増殖には温度が最も大きな要素となります。すべての細菌はそれぞれ増殖に適した温度(至適温度)と、増殖温度範囲があります。一般に15℃~40℃が適温帯で、35℃前後でよく増殖します。
常温保存だと菌がどんどん増えてしまうため、長持ちしません。できるだけ早くお茶を冷やし、菌が繁殖する時間を短くすることで長持ちさせることができます。水でお茶を出した場合はすぐに冷蔵庫に入れましょう。
熱湯でお茶を出した場合は、自然に冷めるのを待つと常温で放置する時間が長くなってしまい、菌が増えやすくなります。ボウルなどに氷水を張り、そこで一気に冷やして熱を取り、すぐに冷蔵庫に入れると長持ちします。
また、お茶を飲み切った後は容器をしっかりと洗い、熱湯消毒しましょう。
賞味期限切れのお茶はいつまで飲めるのか
冒頭で説明した通り、賞味期限はあくまで「おいしく食べたり飲んだりできる期限」のことですので、切れてしまってもすぐには悪くなりません。保存状態がよければ風味が多少落ちているかもしれませんが、賞味期限を数カ月過ぎても飲むことができます。ただし、念のため賞味期限が切れたお茶は、飲む前に以下のことを確認しましょう。
〇変色していないか
〇カビが生えていないか
〇酸っぱい、カビ臭いなど変なにおいがしないか
〇ぬめり気はないか(液体のお茶)
〇淹れてみて、色や香りに異常はないか(茶葉)
以上の5点を確認し、問題なかった場合は試しに一口、少しだけ口に含んでみましょう。とても渋い、酸っぱいなど変な味がしなければ飲んでも大丈夫ですが、そういった味がした場合は悪くなっている恐れがあるので捨てましょう。
賞味期限切れの茶葉の使いみち
賞味期限が切れてしまったお茶があっても、そのまま捨ててしまうのはもったいないことです。茶葉には役立つ使い方がありますので、参考にしてみてください。
古くなった緑茶で自家製ほうじ茶
緑茶をフライパンで炒ると、ほうじ茶にすることができます。時間が経って風味が落ちてしまった緑茶はほうじ茶にすれば、またおいしく飲むことができます。詳しいつくり方については、各種レシピサイトなどに掲載されているのでチェックしてみてください。
その他・賞味期限切れの茶葉はこんなふうにも使える!
〇拭き掃除に使う
100円ショップなどで売っている空のお茶パックに茶葉を入れ、軽く濡らしてシンクや蛇口、床などを拭くと、洗剤を使わなくても汚れがきれいに落ちます。
〇脱臭剤・湿気取りに使う
茶葉にはにおいや湿気を吸収しやすい性質があるため、脱臭剤・湿気取りとしても使えます。お茶パックなどに詰めて、靴の中や下駄箱、クローゼットなどに入れておくと効果的です。
このように茶葉には飲む以外にも便利な使い方があるので、飲み切れない茶葉があったらぜひご活用ください。
賞味期限切れのお茶には要注意!無理して飲まないようにしよう!
いかがでしたでしょうか。茶葉やペットボトルのパッケージに書いてあるお茶の賞味期限を過ぎてしまっても飲むことはできますし、飲まなくても掃除や脱臭剤に使えます。
未開封の期間を長く、開けてから飲み切るまでの期間を短くするのが、お茶をおいしく楽しむコツです。そのために、お茶を買う際は極力大容量のものを避け、短期間で飲める量だけ買うのがおすすめです。保存する際には湿気と温度に注意し、悪くならないようにしましょう。
Q3.開封後はどのくらいで飲んだらいいですか? A3.防腐剤、保存料を使用していないため、開封後、冷蔵庫保管し、茶系飲料は2~3日、野菜飲料は3~4日を目安にお飲み切りください。口を付けて飲まれる場合は、その日のうちにお飲み切りください。