【管理栄養士監修】「シナモン」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/02/11
シナモンは特有の甘い香りでお料理を引き立ててくれる香辛料です。こちらでは、シナモンの主な栄養素とカロリーについてくわしく説明します。ごはんから、飲み物、お菓子まで、さまざまな料理と相性のよいシナモンの、おすすめレシピもご紹介します。
シナモンの種類
甘い香りのシナモンはクスノキ科の樹木で、独特な香りを持つ「セイロンシナモン」という品種があります。同じようにシナモンとして扱われるものには、カシアとも呼ばれる「シナニッケイ」があります。
セイロンシナモンは主にスリランカ産で、甘い香りとマイルドな風味を持ち辛味はありませんが、シナニッケイは樹皮が肉厚で、濃厚な甘い香りとスパイシーな後味があります。どちらも樹皮をこまかく砕いたり、丸めるなどした後に乾燥して利用されています。
また、シナモンと混同しやすいものに、飴や八ツ橋などに使われる「ニッキ」があります。
シナニッケイを日本で栽培したもので、甘い香りとさわやかで強い辛味を持ち、根っこの部分を使うのが特徴です。ニッキは、収穫量が少ないためシナモンより高価であるとされています。
シナモンのカロリーと栄養素
ここからはシナモンのカロリーと栄養素について紹介します。シナモンは100gあたり364kcalで、生姜粉末365kcalや黒こしょう粉末364kcalなどのスパイスとほぼ同じカロリーです。
シナモンには、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ナイアシンなどの栄養が含まれています。 それぞれの栄養素の特徴と効果をくわしく説明していきましょう。
シナモンの栄養素
・カルシウム
・カリウム
・マグネシウム
・鉄
・ナイアシン
シナモンの栄養素1:カルシウム
シナモン100gあたりに含まれるカルシウムは1,200mgです。カルシウムは骨や歯を構成する主な栄養素です。
不足すると発育障害や骨粗しょう症の原因となるため、とくに、発育期の子どもや妊娠中・授乳期の女性、高齢者は積極的に摂取するようにしましょう。
また、骨に適度な負荷がかかることで、骨をつくる細胞が活発になって強い骨がつくられる性質があるため、カルシウムをとると同時に適度な運動を取り入れることも大切です。
シナモンの栄養素2:カリウム
シナモンには100gあたり550mgのカリウムが含まれています。カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、つねに一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。
ナトリウムの体外への排出を促進することから、高血圧を防いだり、むくみを解消する働きがあります。また、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
WHO(世界保健機構)からは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患などの生活習慣病のリスクを減らすために、カリウムの摂取量を増やすことが強く推奨されています。
シナモンの栄養素3:マグネシウム
シナモンにはマグネシウムが100gあたり87mg含まれています。マグネシウムは約50%が骨に含まれていて、体内に不足すると骨から遊離し、神経の興奮を押さえたり、エネルギー生産を助けたり、血圧維持などの重要な役割のある栄養素です。
マグネシウムはさまざまな酵素の働きをサポートしてくれたり、たんぱく質の合成や骨の形成に欠かせません。また、イライラを緩和する効果も期待できるので、食事の際は積極的に摂取するようにしましょう。
シナモンの栄養素4:鉄
シナモンには100gあたり7.1 mgの鉄が含まれています。鉄は、体内で半分以上が血液中のヘモグロビンの構成成分として存在し、全身の細胞に酸素を運ぶ役割のある栄養素です。
月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が必要量が多くなるため、とくに女性は鉄分を積極的にとるようにしましょう。
シナモンの栄養素5:ナイアシン
シナモンに含まれるナイアシンは100gあたり1.3mgです。ナイアシンは、体内にいちばん多く存在する水溶性ビタミンの一種で、糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。
ニコチン酸、ニコチン酸アミドの総称で、体内で酸化還元酵素の補酵素の構成成分として働き、肌や粘膜の健康維持にも関わるため、不足すると食欲が低下したり、消化不良や皮膚炎が起こると言われています。
シナモンはダイエットに効果がある?
シナモンに含まれるカリウムは、体内の余分な水分を排出する作用があり、ダイエット時に気になるむくみの解消・予防に効果が期待できます。
また、シナモンは漢方の生薬としても、ケイヒ(桂皮)という名で使われており、体を温めて新陳代謝を促すとされています。そのため、ダイエットに役立つと言えるでしょう。
シナモンを使ったおすすめのレシピ
ここからは、シナモンを使ったおすすめレシピ「シナモンライス」「冷シナモンミルクティー」「シナモン風味の焼きりんご 」の3点を紹介します。
シナモンは、香り豊かで、主食、メインディッシュ、飲み物、デザートとさまざまなレシピで活躍します 。
今回紹介するおすすめレシピは、どれも手軽にできるので、気になるレシピはぜひ試してみてはいかがでしょうか。
シナモンのおすすめレシピ1:シナモンライス
はじめに紹介するおすすめレシピはシナモンライスです。さわやかな香りと甘みのシナモンライスは、カレーとの相性がよく合います。
シナモンを使った料理は、インドや中近東でよく使われることもあり、カレー以外にもモロッコ料理のタジン鍋などとも相性がいいと言われています。シナモンライスを食卓に加えて、自宅に居ながら異国気分を味わってみましょう。
シナモンのおすすめレシピ2:冷シナモンミルクティー
続いてはドリンクメニュー、冷シナモンミルクティーを紹介します。シナモンは、チャイなどのホットティーだけでなく、アイスティーに入れてもおいしくいただけます。シナモンを使って手早くつくれる、おもてなしドリンクです。
しっかりと泡立てたり、シナモンパウダーを加えることで、より食感と風味を高めることができます。
シナモンのおすすめレシピ3:シナモン風味の焼きリンゴ
最後に紹介するシナモンを使ったおすすめレシピはシナモン風味の焼きリンゴです。おいしいリンゴが出回る時季に、シナモンを使ってリンゴのスイーツはいかがでしょうか。タルトタタン、アップルパイなど、リンゴのスイーツはシナモンにとてもマッチします。
シナモンスティックはそのままの長さではなく折って使うようにすると、より強い香りを楽しむことができます。
シナモンをおいしく食べよう!
シナモンに含まれる栄養素についてご紹介してきました。以前からシナモンを愛用しているかたも、シナモンに含まれる栄養や効果を知る中で、新たな発見があったのではないでしょうか。
3点のおすすめレシピは、どれも手軽につくれるので、簡単に取り入れやすいメニューでしょう。
旬の食材や好きな飲み物とシナモンを組み合わせ、シナモンをおいしく食べて、健康や美容に役立ててみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:セイロンシナモンorシナニッケイ(カシア)、種類を見分ける方法はある?
シナモンは、種類によって香りや味に差がありますが、市販品には「シナモン」という表記しか見かけないことも。
セイロンシナモンに比べると、香りが強くて安価なシナニッケイ(カシア)が国内には多く流通しているといわれ、手頃な価格のもののほとんどがカシアの可能性も。対して、高価なものや有機栽培されているものには、セイロンシナモンが使われていることが多いようです。
メーカーによっては、原産地の収穫状況に応じて混合していることもあるため、産地がセイロンorスリランカと表記してあるかどうかが、確実に見分ける方法と言えそうですね。
甘い香りの作用で砂糖の使用量を減らせる効果もあるため、適度にシナモンを取り入れてみては?