韓国ドラマ『ピノキオ』の感想/あらすじは!?イ・ジョンソク主演の感動ドラマを徹底解説!
2024/05/01
出演作が軒並み大ヒットし、新・韓流四天王として数えられているイ・ジョンソク。
端整な顔立ちに186cmという完璧なスタイル、確かな演技力で日韓のみならず世界中の女性を魅了している人気俳優です。2021年1月に兵役を終え、現在は復帰作を準備中ということで、ファンの期待も高まっています。
そんなイ・ジョンソク主演で、ユニークな要素を取り入れて大ヒットしたドラマ『ピノキオ』について、韓流マニアで韓国ドラマライターのJUMIJUMIさんに教えてもらいました。
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嘘をつけないピノキオと正体を隠し生きる少年の成長ストーリー
『ピノキオ』といえば、童話やディズニー映画でおなじみの嘘をつくと鼻が伸びてしまう操り人形がまず思い浮かぶかと思います。しかし、本ドラマでは嘘をついても鼻が伸びることはありません。その代わり、しゃっくりが出てしまうのです。
嘘をつくと自律神経が乱れしゃっくりが出てしまう”ピノキオ症候群”は先天性で治すことはできません(これは架空のもので実在はしません)。つまり、嘘をついてもしゃっくりでバレる=ピノキオ症候群の人の言葉は100%真実ということになるのです。このユニークな設定が、ドラマを展開するうえでの重要なキーとなってきます。
ピノキオ症候群のイナを演じるのは、子役時代から活躍し、いまや韓国ドラマには欠かせない存在となった女優パク・シネ。
イネは両親が離婚し父親と共に祖父のいる田舎に移り住みます。するとそこには自分と同じ年齢の見ず知らずの伯父ダルポがいました。
イ・ジョンソクが演じるダルポの本当の名前はハミョン。両親と兄と幸せに暮らしていましたが、ある日消防隊長を務める父親が出動した火災現場で大爆発が起こります。父親と共に現場に入った隊員は全員遺体で発見されますが、父親だけが行方不明。そこに「逃げていく隊長の姿を見た」というピノキオ症候群の青年の証言が加わり、人々はハミョンの父親を激しく非難します。
報道記者たちはハミョンの父親を悪人と決めつけ、行き過ぎた報道に苦しんだ母親はハミョンを道連れにして海に……。
一方、イナの祖父は海に行ったきり戻ってこなかった息子ダルポを忘れられずに生きていました。海でハミョンを見つけた時、息子のダルポだと信じ込み養子として受け入れます。ハミョンも助けてくれたイナの祖父のためにもダルポとして生きていく決意をします。
こうして、嘘をつけないピノキオ少女イナと、正体を隠し生きることを決めた少年ダルポは、同じ年の「姪と伯父」という偽の関係の中で共に成長していきます。
しかし、後にハミョンの父親を悪人に仕立てたのがイナの離別した母親ソン記者であることが明らかになり、2人の関係性も大きく揺らいでいくのです……。
いかがですか?このあらすじだけでも、面白いことが起きそうな気がしませんか?
見どころ1:可愛すぎるイナのピノキオ症状
イナがピノキオ症候群であることは周囲の人々も知っていて、イナも自身の症状をよく理解しているので対応の仕方には慣れっこです。
私たちも日常の中で小さな嘘をつくことなんてよくありますよね。本当は嫌だけど相手に気をつかって「いいよ」と言ったり、挨拶程度にお世辞を言ったり、恥ずかしさから自分の本心を隠したり……イナも普通の人々のように嘘をつきますが、その度にいちいちしゃっくりが出てしまうのです。
すると「ごめん、嘘ついた」「本心ではないみたい」とサラッと開き直って嘘を認めます。その潔さがとても可愛いんです!本当にしゃっくりしているようにしか見えない演技にも感心してしまいます。
見どころ2:ピノキオと報道被害者が真実を伝える記者を目指す!
劇中では「嘘をつけないピノキオには就職先がない」というのが通説になっていて、イナも進路に悩みますが、「真実を伝える記者にならなれる!」と思い付きます。また離別して以来会えていない母親ソン記者への恋しさと憧れを胸に、報道局への就職を目指します。
ダルポもまた因縁の相手であるソン記者と偶然再会しますが、「声を荒げるだけでは私を批判できない」とあしらわれてしまい、「本物の記者」になって再び立ち向かうと決意するのでした。
元々頭の良かったダルポはYGN局に合格しますが、イナはピノキオであることが邪魔をして不合格に。しかし母親ソン記者が在籍するMSC局に「真実しか伝えられない国内初のピノキオ記者」という宣伝材料としてコネ入社することに。
ライバル局に所属することになったイナとダルポを待っていたのは厳しい新人研修!個性溢れる上司や同期の仲間とともに、立派な記者になるための訓練とも呼べるような日々を駆け抜けていきます。
嘘がつけないことで上手く取材ができないイナ。一方のダルポは記者として事件を追う中で生き別れの兄ジェミョンにある疑いを抱き「真実を伝えることが正解なのか」と葛藤するのでした。
次々とやってくる試練を乗り越え、2人は「本物の記者」になれるのでしょうか!?
見どころ3:家族でありライバルであり敵!複雑すぎる2人の恋の行方!
ご紹介してきたとおりイナとダルポは姪と伯父として長年一緒に暮らしてきましたが、いつの頃からか互いに恋心を抱いていました。しかし姪と伯父である以上恋愛は許されません。
自分を守り育ててくれたイナの家族を大切に思うと同時に、一人孤独に生きてきた兄ジェミョンのためにもイナの母親ソン記者に復讐すると誓うダルポは、イナに対する恋愛感情を押し殺そうと葛藤します。
イナもまた憧れであり大好きな母親がダルポの家庭を崩壊させた記者だったことを知り、申し訳なさからダルポを遠ざけるのでした。
複雑で試練が多過ぎる恋。でもどんなに気持ちを抑えようとしても、お互いを心から大切に思っている愛情が態度から溢れてしまう2人。
見ているこちらも胸が張り裂けるほど切なくなります。2人は幸せになることができるのか、ぜひ最後まで見守って下さい!
見どころ4:『君の声が聞こえる』制作チームによるスペシャルシーン
2014年放送の『ピノキオ』は2013年にイ・ジョンソクが主演したドラマ『君の声が聞こえる』の制作チームが手掛けています。主演のイ・ジョンソク以外にも共通のキャストがいたり、オマージュシーンがあるなど、両方観た人にしかわからない面白さが詰まっています。
『君の声が聞こえる』でヒロイン・ヘソンの母親を演じてたキム・ヘスクは、『ピノキオ』ではイナの同僚ボムジュの母親。息子を溺愛するデパートの会長という一際濃いキャラクターで登場します。『君の声』では訛りのきつい素朴な母親だったのに、『ピノキオ』では都会的でスマートなまったく違う母親になっていて、女優の底力を感じさせられます。
『君の声が聞こえる』で判事を演じていたキム・グァンギュは『ピノキオ』ではイナの上司として登場。どちらのドラマでもいじられキャラの憎めない上司という立ち位置ですが、大事な時には頼りになるとても癒される存在です。
イナが進路について悩み「弁護士になったらどうだろう?」と想像する場面では、『君の声が聞こえる』で犯人を演じたチョン・ウンインが登場し、法廷での重要なシーンを再現しています!
さらにタクシー運転手をしているダルポのカーナビが「ヘソンナビ」となっていて、その声をヘソン役だったイ・ボヨンが演じているんです!声だけですがヘソンとスハの共演が叶うなんてファンとしては嬉しい限りです。
『君の声が聞こえる』をご覧になった方は、ぜひスペシャルシーンも見つけてみてくださいね!
嘘と真実、そして言葉の持つ力について考えさせられる作品
『ピノキオ』は複雑に要素が絡み合っているため「ラブコメ」や「サスペンス」のようにシンプルにジャンル分けするのは難しいのですが、大きなテーマは"嘘と真実"となるのではないでしょうか。
人は簡単に嘘をつきます。なんでも正直に言うことが正解でない時もあれば、小さな嘘が相手を救う時だってあるでしょう。しかしだからと言って嘘をつき続けることはやはり正しくありません。
「嘘でつくった幸せはいつか壊れるし、今を凌いでもいつか真実が必ず明らかになる。」セリフの数々にこのような意味合いが込められています。嘘をついたとしても、それを嘘だったと認める勇気があなたにはあるでしょうか?そんなことを問われている気がします。
もう1つ大きな要素となるのが報道被害。劇中のセリフに「編集ひとつで人を悪魔にもヒーローにもできる」とあります。伝え方ひとつで多くの人に間違った解釈をさせる可能性があり、それが取り返しのつかない事態に発展することもあります。
SNSなど自ら発信できる場が溢れた現代では、それが記者であろうと一般人であろうと、誰かに大きな影響を与える可能性があることを忘れてはいけません。受け取る側も情報を鵜呑みにすることなく、判断する力を養いたいものです。
韓国ドラマの中でもとくに複雑な設定で考えさせられる部分も多い作品ですが、イ・ジョンソク&パク・シネの爽やかで親しみある演技のおかげで、重さを感じる心配はないと思います。
個性的で愛嬌溢れるその他のキャストにも注目しながら楽しんでください!
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■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間30作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。