シンプルライフの元祖に聞いた!「1年中物が増えない家」の秘密

2022/12/03

「シンプルライフ」とか「ミニマリスト」とか、そんな言葉が世の中に出回る前から、物が増えない暮らしをずっと続けている人って、どんな工夫をしているのでしょうか?マネできることはないか、根掘り葉掘り聞いてみました。

<教えてくれた人>
木下恵梨さん(愛知県)
夫、長男、二男、三男、犬の5人と1匹暮らし。11年1月号の『サンキュ!』に初登場。スッキリをずっとキープしています。

◎HOUSE DATA◎
一戸建て/4LDK/5人家族(夫、息子3人)

スッキリの秘密は、「捨てる」ではなく「使い方」でした。

「特別なことは何もしてないんですよ~」と言う木下さん。息子3人が成長するにつれて食費は3~4倍に増えましたが、物はブレずに増やしません。物が増えない秘密は「どんどん捨てる」ではなく、「とことん使う」にあり。今ある物を徹底的に使い倒したり、1つの物を多用途に使い回します。だからむやみに物が増えず、物の管理から解放されてストレスフリーな暮らしを送っています。

男の子3人!なのに、一年中こんなにスッキリ!

【リビング】
ダイニングテーブルは夫の実家で、いすは妻の実家で使っていた物。天板を替えたり、ペンキを塗り替えて使用。

【洗面所】
下着(かごの中)やタオルの枚数が少ないから、収納グッズは不要。棚2段で間に合います。右下は野球ユニホーム用の小型洗濯機。

【押し入れ】
押し入れの上段は夫婦用クローゼット。服はほとんどこれで全部。「衣替えしなくていいのでラクです」。

【子ども部屋】
高校生の部屋とは思えない、このスッキリ感!小さいときから物を増やさない暮らし方を教えている成果です。

【キッチン】
持ち物はほぼ以前住んでいた社宅時代からの物。グレーの棚は「飾る物は特にないんですが、夫が作ってくれたので大切にしてます」。

道具も食材も「ワンパターン」。→だからあれこれ物が増えない!

物を選ぶ基準は定番、シンプル、使い回しがきくこと。だから流行に左右されないし、飽きずに使い続けることができます。「新しい物を買うと使い方を覚えるのが面倒で、使い慣れた物のほうがラク。長年、愛用してきた物には暮らしの思い出が詰まっています」。

●最近味つけはほとんどこれ!
キャンプ好きの夫が見つけた調味料。ガーリック&スパイスでうまみ満載。料理を選ばず何にでも合います。

トーストに
食パンにハム、キャベツ、チーズなどをのせてトースト。これをかければガーリックスパイス味で男子が大満足。

お肉と残り野菜で煮込み
小麦粉をつけてフライパンでソテーした肉、玉ねぎ、なす、トマトなどの野菜を鍋に入れ、酒、しょうゆ、顆粒コンソメ、プラスこれをひとふりして煮込むだけで激ウマ。

●100均だけど20年物

「結婚当初、お金に余裕がなかったので食器はほとんど100均でした」。定番デザインだから飽きません。

●20年前から着てます

木下さんは元保育士。保育園の行事用に買った礼服を今は息子たちの入学・卒業式に着用。「息子たちが主役の日ですから私は同じ服で充分」。

●結婚時に互いの実家から引き継いだ物

「いろんな機能がついている鍋は、私には使いこなせないので」。ミキサーも「混ぜる」機能があればよし。

●実家で座っていたいす

左のいすは実家で使っていた物をペイント。机はリサイクルショップで購入。「使い込むほど味わいが出ます」。

●布を継ぎたしたカーテン

「飼い犬が破いてしまったので継ぎたしました」。シンプルな生地だから継ぎたし用もすぐ見つかります。

●お花だけは、どんどん新しい物を飾ります

庭のグリーンを摘んで家のあちこちに飾ります。物よりも花でインテリアをリフレッシュし、季節感を感じています。


<マネしてみよう>
□ 何にでも使える万能調味料を探してみる
□ 20年後も使えるベーシックな物を買う
□ 古くなった物を修理したり、手入れしてみる

少量をぐるぐる使う。→場所を取らない&気持ちいい!

消耗品やサイズアウトする物は定数を決めます。少量を使い回す「少数精鋭」なら置き場所を取らず、管理もラク。「いくつも持っていても日常的に使う数は限られますから。使い切ると気持ちがいいですよ」。

●家のタオル全12枚

バスタオルは持たず体はフェイスタオルで拭きます。1人1枚+洗面所、キッチン、子の部活用でこの枚数。

●夫パンツ4枚(1枚着用、1枚洗濯中)

夫はブランドにはこだわりますが、枚数はたりればよし。4枚をぐるぐるはきまわし、はき倒して買い替え。

●子どもの靴1人2足

育ち盛りの息子たちはすぐにサイズアウトするので手持ちは2足。はきつぶしてから気持ちよく新調します。

●服が乾かないときはこれ!

温風が出るハンガー。「雨続きで洗濯物が乾かないときの助っ人です。でもたいていは部屋干しでOK」。


<マネしてみよう>
□ 古タオルは掃除でガンガン使う
□ 下着はお気に入りを数枚だけそろえる
□ 子ども靴の数をしぼってみる

代用・兼用する。→買う物もゴミも減る!

〇〇専用と使いみちを限定しないで兼用したり、何でもすぐに買ってすまさずに代用できる物がないかを考えます。1つの物を目いっぱい活用すれば、物を増やさなくても暮らしは快適にまわります。

●パイ皿をアクセサリー入れに

使わなくなったパイ皿が復活。周囲のうねうねがイヤリング掛けに〇。

●キャンプ用テーブルをリビングでも使用

キャンプ専用と決めつけず、ふだん使いにしてサイドテーブルに兼用。

●マスクの箱をひっくり返してケースに

買ったときの箱の白い内側を外にしてリメイク。マスクケースに代用。

●からの袋をゴミ袋にして使い切る

米袋など大きめの袋は捨てる前にもうひと働き。レジ袋のストック不要。

●小物は夫と兼用!

カジュアルスタイルで小物を夫と兼用すれば、手持ちは半分でOK。


<マネしてみよう>
□ 買う前に代用できる物を探してみる
□ 空き袋や紙袋をゴミ入れにしてみる
□ 夫や子どもと服や小物を共有してみる



参照:『サンキュ!』2021年12月号「スッキリした家はぜいたくだ」より。掲載している情報は2021年10月現在のものです。撮影/林ひろし 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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