物の量が多すぎず少なすぎない、“ちょうどいい暮らし”を目指すミディアリスト。片づけを頑張らず、好きな物に囲まれて心地よく暮らす「65点の暮らし」をご紹介します。散らからない&探さない家のヒミツを全部見せ♪
<教えてくれた人>
『サンキュ!』読者 ハギヤマジュンコさん(大阪府/46歳)
夫(46歳)、長女(11歳)、4匹の犬と暮らす。1級建築士、整理収納アドバイザー。著書に『ラクに楽しく過ごすための65点の暮らし方。』(宝島社)。
◎house data◎
持ち家一戸建て/3LDK+S(106平米)/2階建て/築13年

- 好きな物には囲まれたいけど、片づけは頑張らない。これってミディアリストかも
- 散らからない&探さない家のヒミツは「全部見せ」
- 物を増やし過ぎない5つの習慣
- 【ルーティン1】“とりあえず”で買わないジャッジを持つ
好きな物には囲まれたいけど、片づけは頑張らない。これってミディアリストかも
「小さい頃から家のチラシや間取りを見るのが好きで、今もおうちのことばかり考えています(笑)」。マイホーム購入時は夫婦2人で物が少なかったものの、長女の誕生で一気に物量が増加。「当時のミニマリストブームに乗って服を減らしたら、全然楽しくなくて。ただ減らすのではなく、自分にとって心地いい量が一番なんだと気づきました」。その後、子どもの成長記録を兼ねてインスタを開始。よそのお宅の映え写真に圧倒され、「こんな100点満点の状態をキープするのは無理」と意気消沈。そんなとき仕事仲間から「何点の暮らしを求めているの?」と聞かれたのが、今の“65点の暮らし”を目指すきっかけとなりました。「100点は無理だけど、50点は少し低い。頑張り過ぎずに続けられる65点くらいが、私にはちょうどいい。好きな物を愛でながら暮らすために、自分のキャパ以上の量は持たない。少な過ぎず多過ぎない、自分にとってちょうどいい物量を模索しています」。
●物と私のhistory
34歳 長女誕生。物が増え始める
35歳 育休中に、整理収納アドバイザーの資格を取得
36歳 ミニマリストブーム到来!
数を減らすことにとらわれ、失敗の連続
・書籍『フランス人は10 着しか服を持たない』に感化され、お気に入りの服まで捨てまくる
・大切な本を手放してしまい、高値で買い戻す
・1軍の靴しか残さず、雨の日に絶望
37歳 インスタグラム@ _cocoti_ をスタート
“映え”を追い求める風潮に疲れる
40歳 自分にとっての“ちょうどいい=65点の暮らし”を目指す
無理せず家が整うマイルール
(1)床に置かなければOK
(2)置きっ放しは、朝までならOK
(3)集めたい物は、専用棚をつくればOK
散らからない&探さない家のヒミツは「全部見せ」
しまい込むと存在を忘れるし、使うたびに元に戻すのが面倒。ハギヤマさんがたどり着いたベストな収納は“飾るように置く”ことでした。
大好きな食器はキッチンの背面棚に堂々と並べる
棚は扉で隠すこともできるけれど、あえて開けっ放しに。並べた食器はどれも普段使いのお気に入りばかり。「眺める楽しさと、すぐ出し入れできる便利さを両立させています」。
柄を見せたい皿は壁に飾る
色や柄が素敵なお皿は、ダイニング脇の壁にアート感覚でディスプレイ。「ただ飾るだけでなく、このおやつはこのお皿が合うね、なんて日常使いすることも」。
キッチン用品は木、黒、シルバーと決めて、飾るように収納
コンロまわりに1軍のツールや調味料を出しっ放し。色や素材を限定すれば、見た目もうるさくありません。おしゃれな竹製の水切りかごなら、洗った後の食器がそのままでも絵になる!
洗面所の収納はすぐしまえるように扉を作らない
洗面所の壁面に作った大容量の収納もフルオープン。キッチンのすぐ隣なので、書類やパン作りグッズもここを定位置に。軽い物は上、重い物は下に収納して出し入れをラクに。
隠す収納も“開ける”と全部見せ
生活感のある物、ゴチャついて見える物は隠す収納を徹底。扉や引き出しを開ければ、何がどこにあるか見渡せるよう工夫しています。
キッチンカウンターのダイニング側の扉を開けると、生活感のある物がぎっしり。薬や文房具などは、中身が見える透明ケースでざっくり分類しています。
キッチンの食品ストックはスペース内をケースで仕切り、種類ごとに立てて見やすく&取り出しやすく。「賞味期限が見えるようにパッケージを入れるのがポイント」。
物を増やし過ぎない5つの習慣
服や雑貨、食器が大好きなハギヤマさん。「買いたい物があるから、今ある物を減らそう」というポジティブな発想で物量をコントロール。
【ルーティン1】“とりあえず”で買わないジャッジを持つ
100均グッズやプチプラ服も壊れたり、傷んでいないと捨てにくいもの。だから、服や物を買う際の判断基準を持ち、安さが理由の“とりあえず買い”で物が増えるのを防止。
●これでジャッジ!
【服】「これを着て、大阪市内に行ける?」
【物】「写真を撮るときにどかしたくならない?」
【ルーティン2】メルカリの“服の売れ時”に不要品を一気に手放す
不要品が出るたびにメルカリに出品するのは面倒なので、年に数回、夏物や冬物など季節に合わせた服を売るタイミングで、他の不要品も一気に出品。「梱包材も常備しています」。
【ルーティン3】プチ模様替えで物を循環させる
飾りたい雑貨がたくさんあるので、季節や気分に合わせて置き場所や組み合わせを変えてプチ模様替え。「見える位置に飾っておくことで、『もう好みじゃない』と気づける効果も」。
●今、ときめかない食器も無理に捨てない。いったん隠して、半年後にジャッジ
食器が増えてきたら、使用頻度が少ない物はボックスに保管。「自分の“好き”は変わるので、迷うなら無理に手放しません。時間を置いてから判断します」。
【ルーティン4】大切な服は手入れして親子で着倒す
少々高価でも、良質な服を手入れしながら長く着るのがモットー。「娘も背が伸び、私のお下がりを着られるように。服が増えたら娘に譲り、服の全体量をコントロールしています」。
【ルーティン5】暮らしていれば増える物の“仕分け日”を決める
物ごとに要・不要を仕分けるタイミングを決めれば、物量を一定に保ちやすくなります。「ゴミ袋が有料だから満タンにしたくて、燃えるゴミの日の朝は家中をウロウロ(笑)」。
冷蔵庫の中 → 週に1回
燃えるゴミ → 週に2回
子どもの教科書、服 → 学期末
本 → 半年に1回
参照:『サンキュ!』2025年5・6月合併号「ミディアリストのすすめ」より。掲載している情報は2025年3月現在のものです。撮影/林ひろし 構成/出下真紀 取材・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部