尿漏れが心配で生理用ナプキンをあてています…誰にも言えない尿もれの悩みをプロが解決
2021/12/12
ちょっと走っただけで尿もれが……出産してからなんだか骨盤がゆるんじゃった?人には言えないデリケートなお悩みに専門家がアドバイス。気になる症状があるときは婦人科や泌尿器科を受診してみて。
<教えてくれた人>
産婦人科医 善方裕美先生
よしかた産婦人科院長。日本産婦人科学会専門医。婦人科系の不調に、通常の治療に加え、食事や運動、代替医療など多方面からアプローチ。
尿もれには主に2つのタイプがある
尿もれに悩んでいる読者も少なくないようです。
「尿もれには、せきをしたときなど、おなかに力を入れたときにもれる腹圧性尿失禁と、尿意を感じてトイレに向かったけれど間に合わずもれてしまうというような切迫性尿失禁があります。腹圧性尿失禁は、骨盤内の臓器を下から支える骨盤底筋のゆるみが原因。特に出産でゆるみやすいので尿もれは出産経験者に多く、また、加齢でもゆるみやすくなります。切迫性尿失禁は、尿意を感じてもすぐ出ないようにコントロールする脳の機能が何らかの理由でうまく働かなくなることが原因。ちょっとした習慣で改善可能なので実践を」。
Q 余裕でまだ間に合うと思ったのに、トイレでパンツを下ろす前に出始めて焦った
(しなこさん 石川県 42歳)
A 切迫性尿失禁と思われます。泌尿器科で診察を受けて。
この場合は、切迫性尿失禁と考えられます。ストレスなどで自律神経が乱れることも原因に。これは薬で治療できます。また、尿意を感じてもすぐトイレに行かず5分ほど待つようにしたり、間に合うと思っても早めにトイレに行くようにするなど、感覚を鍛える訓練も効果的です。泌尿器科で指導してもらえるので、まずは受診を。
Q 公園で、子どもを追いかけて走ったら……モレちゃった。遊ばせている間中、ずっと不快。帰りたくなる。
(ちゃんエリさん 愛知県 38歳)
A 骨盤底筋の体操を、1日にちょこちょこと取り入れて改善を。
走っておなかに力を入れたときにもれてしまうのは、腹圧性尿失禁のほう。子どもを遊ばせているときにもれてしまってずっと不快になるなら、前もって尿もれパッドを当てておくか、携帯しておくと安心ですね。また、ふだんから骨盤底筋を鍛える体操をすると、尿もれが改善しやすいので、毎日ちょこちょこと実践を。骨盤底筋体操を続けて尿もれが改善する人は多いですよ。
骨盤底筋体操
左右のかかとをつけて、足先を外に向けて立ちます。次に、かかとをつけたまま、つま先立ちをします。このときお尻の穴がキュッと締まり、自然に骨盤底筋が鍛えられます。これを10回。1日のすき間時間に小まめに実践を。
Step1 左右のかかとをつける
Step2 そのままつま先立ち
Q 尿モレが心配で出かけるときは生理用ナプキンを当ててます。臭わないか心配。
(しずくさん 香川県 40歳)
A 肌にやさしく、消臭機能もある尿もれパッドを利用するのも手。
生理用ナプキンもいいですが、最近は尿もれパッドや尿もれナプキンもさまざまな物が出ているので、それを使うといいと思います。ただ、どちらの場合も、外出中にずっとつけ続けていると蒸れてかぶれることもあります。肌が弱い人は特に、肌にやさしくて、消臭機能がある尿もれパッドがおすすめです。
ポイズ さらさら素肌 吸水ナプキン 少量用(20cc)
ポリマーが水分を閉じ込めて逆戻りを防ぎ、肌はいつもさらさら。表面は肌と同じ弱酸性シート。消臭・抗菌機能も。(26枚)¥506 /日本製紙クレシア
Q 尿が出た感覚がないのに下着がびっしょりしていることが
(きょんさん 兵庫県 39歳)
A 膀胱のトラブルか、細菌性膣炎の可能性も。まず婦人科へ。
本来は尿がたまって膀胱が伸びるとそれが脳に伝わり尿意をもよおすのですが、その機能がうまくいっていないと、尿が出た感覚がないのに出てしまうことが。これを神経因性膀胱といいます。また、おりものが水っぽいなら細菌性膣炎の可能性も。症状が続くなら婦人科や泌尿器科へ。
商品の問い合わせ先/日本製紙クレシアTEL 03-6665-5303
参照:『サンキュ!』2021年12月号「あんまり人に言いたくない体の悩みをこっそり解決!」より。掲載している情報は2021年10月現在のものです。イラスト/あべさん 構成・文/和田美穂 編集/サンキュ!編集部