遊ぶ少女の公園

伸びる子になる「自分でやる・考える」体験のヒント&実例

2022/03/28

小学校入学前、最後の夏。ちょっとの心がけでお子さんの毎日が充実し、成長の夏になるアイディアをご紹介します。

年長さんの夏の「自分でやる・考える」体験が秋以降の力になるってほんと!?

フィールドで遊ぶ日本人の少年
kokoroyuki/gettyimages

秋以降、園では、協調性、主体性、調整力を求められる活動が増えていきます。例えば生活発表会では、グループごとに、テーマ決め、製作、発表まで、子どもたちに任されることがあります。夏の体験が、ここで生きてくるのです!
夏休み明けにグンと成長した印象になる子どもたちに共通しているのは、夏休みの間に大人の手を借りず、自分で考えて決め、トライする経験をしたこと。これらの経験が自信となって、そのあとの意欲につながるのです。
「自分でやる・考える」体験は、子どもの「決断力」や「発想力」を育てます。また、自信がついた子どもは、新しいものへの抵抗感が減り、挑戦意欲が高まります。入学前の最後の夏は、ぜひ「自分でやる・考える」体験をサポートしてあげてくださいね。

よりよい夏の体験にするために大切なポイントとは?

よりよい夏の体験にするために心がけたいのは、「これをやりたい!」と子どもが言ったことを体験させることです。
おうちのかたが用意したことを体験しても、言われるがままやっただけにすぎず、決断力や発想力、挑戦意欲にはつながりません。
おうちのかたが体験させたいことがあっても、提案するにとどめて。例えば、「手紙を書いたら?」と誘うのではなく、「最近おばあちゃんに会ってないね。喜んでもらうにはどうしたらいいかな?」などと、子どもの「手紙を書きたい!」という気持ちを導き出せるように声をかけるといいですね。

【体験への誘い方 OK例 NG例】

○ この誘い方はOK!
「■■を見るのと、△△に遊びに行くの、どっちがいい?」
子ども自ら決めるのがよい、とはいえ、年長さんの時期は、自分で行きたい場所を決めるのが難しい場合も多いでしょう。
そんなときは、お子さんに例をいくつか挙げて、選ぶように促してあげるといいですよ。

父の手で娘を保持します。
Vagengeym_Elena/gettyimages

× 一見よさそうに見えるけれど、これはNG!
「○○に行こうよ! ■■しようよ!」
大人の提示した体験に、興味を示した場合はよいですが、言われるがままにやっているだけでは、決断力や発想力、挑戦意欲にはつながりません。OK例を参考に、子ども自身が決められるよう促しましょう。

秋からの成長につながる!「自分でやる・考える」体験のヒント

ここでは、日常生活の中にある「子どもを伸ばす」体験のヒントを「外出編」「家庭編」「近所編」に分けて具体的にご紹介します。
ヒントをきっかけにして、さらに豊かな体験につなげてくださいね。

外出編 体験のヒント

パンダ デシン
Ocni Design/gettyimages

●係の人に質問する!
レストランやお店などで、「トイレに行きたいけど場所がわからない」「商品が見つからない」ときなどに、自分で聞くように促して。質問できたときは「自分で聞いて(トイレに)行けたね」と、がんばったことを認める声かけも忘れずに。

●動物園でどう回るか決める!
動物園や水族館では、マップをお子さんに渡して、「どんなふうに回ると一番いいのかなあ?」と悩むふりをしてみましょう。お子さんの口からよいアイディアが出たら、「それがいい!」などと同意すると、自信につながりますよ。

家庭編 体験のヒント

パンケーキを焼く親子
yamasan/gettyimages

●全部ひとりで調理!
「もっとお手伝いしたい!」とお子さんが言ったときは、最後まで子どもだけで作れるメニュー(ホットケーキ・目玉焼き・サンドイッチなど)を提案してみましょう。自分で全部作ったという満足感が得られて、自信につながります。

●お手伝いを任せる!
「洗濯物を干す」「玄関掃除・靴そろえ」などのお手伝いを最後まで任せてみましょう。できたら「きれいになったね」「助かったよ」といった声かけを忘れずに。任されたことで責任感が生まれ、必要とされる喜びを知ることができます。

●今日は何をして遊ぶか計画!
おうちのかたと何をして遊ぶか、また、おうちのかたが忙しいときはひとりで何をして遊ぶかなどを考えるように促しましょう。1日15~30分程度の「ひとりでやることを決めて実行する時間」は、小学生からの学習習慣の土台にもなりますよ。

●電気を使わずに過ごす方法を考える!
節電するにはどうすればいいかを考えてもらいましょう(涼しくなる道具や食べ物など)。また、電気を使わなくても作れる料理をお子さんと考えてもいいかも。「あなたが工夫してくれるから節電にも役立つよ」と伝えてみましょう。

近所編 体験のヒント

Yuricazac/gettyimages

●親戚の家や友だちの家に泊まる!
「泊まっていく?」と聞かれたときに、「泊まりたい」と自分で決めて言えることが大切。着替えや布団敷きなどは大人が手を出さずに見守り、できたら認めるようにしましょう。
※大人どうしで事前に計画しておくとスムーズです。

●お散歩で自分だけの図鑑を作る!
お子さんが興味あるもの(草花や虫など)をデジタルカメラで撮らせるなどして、自分だけの「おもしろ図鑑」を作るのもGOOD。「やってみたら?」ではなく「こんなのあったらおもしろいね!」と提案しながら促すのがポイントです。

●夕食の買い物を頼んでみる!
「夕飯は何がいい?」と聞き、お子さんにメニューを決めさせます。決まったらたりないものリストを作り、一緒に買い物へ。必要なものを考えて買うだけでなく、「玉ねぎはどっちの袋にたくさん入ってる?」など、数の感覚を豊かにする機会にもなります。

●お散歩地図を作ってみる!
いつもの散歩道を、子ども主導で歩いたり、寄り道したりしてみて。また、「こんな所に、こんな虫がいるね」などと話しながら、大まかな地図を作ると、お散歩がより楽しくなりますよ。

先輩ファミリーのアイディア「うちはこんな夏体験で成長!」

年長さんの夏の思い出は、それぞれのご家庭で違うもの。お子さんにグンと自信がついた夏体験のエピソードを、先輩ファミリーに教えていただきました。

青空の下のハイランド牧場の風景4
Moarave/gettyimages

●牧場でバター作りに挑戦!
牛乳瓶を振ってバターを作るのがとても楽しかった様子。またそのバターをパンに塗って食べ、「おいしい~!」と感激していました。そのあと、お料理をお手伝いすることが増えましたよ。(埼玉県/カイママ)

●かぶとむしの命を次につなぐ!
かぶとむしを譲り受け、毎日餌やりなどの世話をしました。死んだあとに卵を発見、秋には幼虫になり、今後もお世話は続きます。生き物を育てる大変さを学び、責任感も身について、ひとまわりお兄さんになったと思います。(山口県/Elly)

●スイミングの練習で主体性が伸びた!
夏の間プールに何度も行った結果、とてもやる気が出て、スイミングスクールを「週1コースから週2コースに変更したい」と自分から言い出しました。自分から積極的、主体的に取り組めるようになって驚いています。(千葉県/ひよこ)

●父と子ふたり旅でひとまわり成長!
父親とふたりで寝台列車に乗り、茨城から青森まで旅行しました。そのあと、どういうわけか下の子を思いやったり、父親との関わりがより深くなったり・・・。父親を喜ばせたいらしく、より一生懸命に物事に取り組むようになった気がします。(茨城県/ノン)

●大勢の前でやり遂げる達成感!
観光牧場のショーで、観客の中から息子が選ばれ、緊張しながらフライングディスクを飛ばしたら、牧場犬が見事に取ってきてくれて大成功! 「大勢の前で何かができた」という達成感は、貴重な体験になりました。(北海道/しんまま)

お子さんを見ていると、ついあれこれと「お膳立て」したくなりますよね。でもちょっとがまんして、子どもの「自分でやりたい」気持ちを引き出すことで、体験による学びはグンと深まります。ご紹介したアイディアなどを参考に、声かけをひと工夫してみてくださいね。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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