アジアの母と赤ちゃん

【焦らないで!】赤ちゃんの言葉が育つステップとは?

2022/03/27

1歳頃になると、個人差もありますが、だいたい80語の言葉を理解しているといわれています。おうちのかたは、赤ちゃんの初めて話す言葉が待ち遠しいですね。でも、言葉は意味を理解できるようになるのが先で、言えるようになるのは後。だから、今は「言葉を言えること」よりも「言うための準備」を大切にしたい時期です。言葉の土台を育むために、ふだんの赤ちゃんとのコミュニケーションで心がけたいことをご紹介します。

<お話をうかがった先生>
今井和子(いまいかずこ)先生
20年以上保育士を務め、子どもの「ことば」「自我の育ち」「質の高い乳児保育の実践と子育て支援」を柱とした実践研究を続け、お茶の水女子大学非常勤講師、立教女学院短期大学幼児教育科教授を歴任。「子どもとことば研究会」代表。『遊びこそ豊かな学び』(ひとなる書房)など著書多数。

まだうまく話せない赤ちゃんの「伝えたい」気持ちを受け止めて

最初のステップ
Ivanko_Brnjakovic/gettyimages

言葉は、人と気持ちを伝え合う、コミュニケーションの道具のひとつ。でも、1歳頃の赤ちゃんは、「ママ、見て。わんわんがいるよ。さわってもいい?」のように、気持ちを言葉にすることはまだできません。 
それでも、何かに反応したときの「あっ!」という声や表情、指差しやジェスチャーなどによって、一生懸命おうちのかたに気持ちを伝えようとしています。まだうまく話せない気持ちを受け止めて反応してもらえることは、赤ちゃんにとって心地よい体験です。そして何よりも、こうした気持ちの交流が、言葉の力を育てる一番の栄養になります。
言葉を話す前のこの時期だからこそ、赤ちゃんの気持ちに寄り添い、受け止める関わりを大切にしたいですね。

1歳ファミリーの言葉の気がかり

●伝えたい意欲はあるみたいだけれど、はっきりとした言葉にならないので心配です。
(兵庫県 あきぴんぽん)

●「ねんね」「あんよ」などの赤ちゃん言葉を使わない方がいいのか気にしつつも、つい使っています。(愛知県 アーノ)

●「マンマ」などの言葉は出ているけれど、ママを指すこともあれば、おばあちゃんを指すこともあって、大丈夫かなと気になります。(茨城県 こえもも)

※ウィメンズパークアンケートより

言葉が育つステップ

ベビーガールの興奮をご実感いただけます。
leungchopan/gettyimages

赤ちゃんの言葉は、時間をかけて、ステップを踏んで育っていきます。とはいえ、大切なのは言える言葉の数ではありません。大人の言うことがわかり、言葉だけでなくジェスチャーや表情を含めたコミュニケーションをとれることが大切です。

※言葉の獲得は、環境や個性などによって個人差が非常に大きいものです。月齢も表示していますが、あくまでも目安としてご覧ください。

【0カ月頃】~【8カ月頃】

頬を笑うアジアの赤ちゃん
kazuma seki/gettyimages

●不快なことを泣いて伝える
空腹や排せつの不快感を泣いて伝えようとします。その都度お世話をしてもらうことを繰り返して、おうちのかたへの信頼や愛着が育まれます。

●機嫌のいいときに声を出す
気分が落ち着いているときなどに「アーウ」「クー」といった、ゆったりとくつろいでいるような声を出します。

●「あー」「うー」などの喃語(なんご)が出る
快・不快以外の感情を、表情や喃語で表すようになります。人が近くにいることを感じて、「あー」と呼びかけたりします。おうちのかたが反応すると、思いが通じたうれしい体験からさらに声を出すようになります。

●声を出して笑う
機嫌のいいときに、盛んに声を出したり、声を上げて笑ったりするようになります。あやすと笑うなど、はっきりした反応も見られます。

●「うまうまうま」などの繰り返す喃語が出る
まるでおしゃべりをしているかのように、「うまうまうま…」「アブブブブー」などの声を出します。舌が前後だけでなく上下に動くなど、以前より口や舌の機能が発達して動かしやすくなるため、ふたつの音を組み合わせた繰り返しの喃語が出始めます。

【10カ月頃】

リビング ルームでのアジアの赤ちゃん
itakayuki/gettyimages

●おうちのかたの指差しや視線が示す先を見る
赤ちゃんが興味をもって見ているものをおうちのかたも一緒に見て「○○だね」と言葉にすることで、赤ちゃんは自分が見ているものを理解していきます。やがて、おうちのかたの指や視線が示す方向に顔を向けて、自分も同じものを見ようとします。これまでの「自分-もの」「自分-おうちのかた」という関係から、「自分-もの-おうちのかた」というように広がりができ、コミュニケーションがさらに広がります。

●指差しで気持ちや要求を伝える
目的のものを指差してからおうちのかたを見ることで、「おもちゃを取って」などの要求や、「見て!わんわんだよ」という気持ちを伝えようとします。ここでおうちのかたが反応すると、わかってもらえた満足感や喜びを感じます。

【1歳頃】

子供の食べるパン
kuppa_rock/gettyimages

●「ママ」「ブッブー」など意味のある単語を話す
話せる言葉は1語程度でも、理解している言葉は約80語といわれています。声の調子などから、自分が質問されていることもわかってくるようになります。

【1歳6カ月頃~2歳半頃】

子供の写真
GF days/gettyimages

●パパ、ママ以外に3語程度の意味のある単語を話す
話せる言葉の数が増えていきます。月齢が上がるにつれて個人差も大きくなるので、お子さんのペースを見守っていきましょう。

先輩ファミリーに質問!

1歳前後に見られた、意思を伝えようとする様子は?

日本の女の子のウォーキング草の上の(1 年)
ziggy_mars/gettyimages

この時期の赤ちゃんの意思の伝え方には、いろいろなバリエーションがあるようです。

1位 「アッ、アッ」と何かに注目した発声 76.2%
2位 指差しなどのジェスチャー 58.9%
3位 「マンマ」など、意味のある発語 53.6%
4位 その他 4.6%
5位 特になし 4.0%

※ウィメンズパークアンケートより回答者数:151人。複数回答。

※喃語… 「アバババ」「ンパッ、ンパッ」などといった、赤ちゃんが発する声。喃語を発することが、発声の基礎となります。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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