日本の保育園の運動会のシーン

年中さんが"運動好き"になるかどうかの分かれ道って本当!?

2022/03/27

運動会や親子行事、ほかの子の様子と比べて「うちの子、運動苦手かも…」と気になるおうちのかたもいるのでは?お子さんがこの先、苦手意識をもたずに運動を楽しむには、実は年中さん時代の過ごし方が大切。ここでは、お子さんが運動好きになる、おうちのかたの関わり方やおすすめの運動遊びなどをご紹介します。

<お話をうかがった先生>
吉永武史先生
(よしながたけし)●早稲田大学スポーツ科学学術院准教授。専門は体育科教育学。保育園での運動遊びや小学校での体育の授業づくりの指導を行っている。

苦手と判断するのはまだ早い!年中さんは苦手を自覚する一歩手前の時期

公園内の遊具。スライド付きシーン
Illust Design’s Lab/gettyimages

他人と比べて「ぼく(私)は○○が苦手だ」と、自分を客観的に捉える力は、年中さんはまだ発達途上なんですね。だから、運動していて失敗したときに、「つまらない」と感じることはあっても、「自分は運動が苦手なんだ」と思うことは少ないものなのです。
また、「運動」という言葉を聞いたとき、おうちのかたが想像するのは「スポーツ」ではないでしょうか。スポーツは人と比べて、出来、不出来という「結果」を重視する傾向が強いですね。そのため、ついお子さんとほかのお子さんの様子を比べてしまうかもしれません。でも、年中さんにとって運動はあくまでも遊びのひとつ。遊びは楽しくないと、やりたいと思いませんよね。それは運動も同じ。年中さんの今は、身体を動かして楽しいと思えることが、何よりも大切なのです。

楽しいからこそ、繰り返しやりたくなる。そこで運動の機会が増え、結果、運動が好きになり、得意につながっていきますよ。以下では、お子さんが運動をもっと楽しく感じられるために、おうちのかたに心がけていただきたい、3つのポイントをご紹介します。

年中さんが「運動って楽しい!」と感じるためのおうちのかたの3つの心がけ

1.運動が楽しめる環境をつくる

青空に対して緑の草の広場で遊ぶ両親と小さな娘
Qiteng/gettyimages

環境をつくるといっても、大がかりなことをする必要はありません。例えばお父さんが帰宅するなり、子どもが「遊ぼう!」と言う場合。玄関で背広を脱いでから家に入れば、背広のしわを気にせずに遊べますよね。こんなささいなことも、子どもの「今やりたい!」という気持ちを大事にするための環境づくりのひとつ。また、ごみを捨てるときに家中のごみ箱集め競争をするなど、日常で楽しく運動できるシーンはたくさんあります。

2.結果よりもプロセスを大事にする

ゲートを持つフィールドでサッカー少年
LeManna/gettyimages

運動は結果よりも、プロセスを大事にしたいもの。「できてすごいね」よりも、ぜひ「よくがんばったね」と声をかけてあげましょうね。「チャレンジしたことがよかった」というメッセージを受け取ることで、お子さんは「自分がやったことはいいことなんだ」と思えます。こんな関わりが、運動好きにつながりますよ。

3.おうちのかたも一緒にやる

ターザンロープで遊ぶ親子
yamasan/gettyimages

年中さんは、おうちのかたなど大好きな人と一緒に体験することが楽しいと思える時期。一緒に運動することで、お子さんが運動をより楽しめますよ。お子さんが運動を怖がるときは、「手をつないで一緒にやろうよ」などと声をかけて、不安を取り除きましょう。

身体の発達段階上も今がチャンス!年中さんは運動能力が伸びる時期

年少さんは、「走る」「投げる」などの個々の運動能力が伸びる時期。年中さんはその状態から、「走りながら投げる」などの、組み合わせた動きができるようになっていきます。また、運動神経をつかさどる「神経型」の器官が発達する時期でもあります。鬼ごっこやドッジボールなどの運動は、いろいろな動きを組み合わせて楽しむもの。今、遊びの中でいろいろな動きを組み合わせた体験をすることで運動能力が伸び、小学生以降、本格的にスポーツを楽しむための技術のベースが育まれるのです。

yamasan/gettyimages

●年少さん
簡単な動きを身につける【走る】【投げる】

●年中さん
いろいろな動きを組み合わせて動けるようになる【走りながら投げる】

●年長さん
組み合わせた動きをコントロールできる【走りながら強く投げる】

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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