一人一人が自分に適したフェムテックを実践して、豊かな社会に ~連載「はじめよう!フェムテック」vol.17

2022/03/09

2021年10月26日(火)から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』(毎週火曜~木曜 19時53分~57分頃)。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた3回分の内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。バツイチ、29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

勝山恵一さん Keiichi Katsuyama
一般社団法人 HASSYADAI social 代表理事。京都市出身の27歳。非行を繰り返し、高校を中退。その後、19歳でパートナーが妊娠し、彼女の兄でもある株式会社ハッシャダイ代表との出会いをきっかけに同社の営業職に就くと、4カ月連続で成績日本一に。自らの過去の経験をモデルに“ヤンキーインターン”サービスの立ち上げ、カリキュラム開発を行う。 現在は、一般社団法人 HASSYADAI social を立ち上げ、3年間で計120校の高校でキャリア教育プログラムを実施するほか、少年院、児童養護施設、法人向けと、幅広く日本の若者達に、人生を自分自身で選択できるきっかけを提供するための活動を行っている。https://social.hassyadai.com/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第17週。ゲストは、一般社団法人 HASSYADAI social 代表理事の勝山恵一さんです。「さわやかなイケメンで、経歴や活動がメディアでも取り上げられている恵ちゃん。近年、出会った若い世代のかたで、最も感銘を受けた人物です。 きっとフェムテックに関しても、新しい発想をいただけるのではないかと期待しています」(伊久美)

【Talk 1】

■東島アナ「勝山さんが立ち上げた、株式会社ハッシャダイの“ヤンキーインターン”というサービス、とても気になる言葉なのですが、詳しく教えていただけますか」

■勝山「全国にいる中卒・高卒の18~24歳の若者を対象に、半年間東京での衣食住を無償で提供をさせていただき、キャリア支援をするという取り組みです。家庭環境や経済的な事情で、自分が望むキャリアを選択できない若者にきっかけを届けています」

■伊久美「恵ちゃんご自身が “ヤンキーインターン” のロールモデルになっているのですよね」

■勝山「はい。私自身は京都の経済的に恵まれない家庭に育って、周りにも生活保護を受けていたり、母子家庭で育った若者がたくさんいました。“自分と同じような境遇の若者にチャンスを届けたい”という思いが、“ヤンキーインターン” プロジェクトの始まりです」

■東島アナ「勝山さんはフェムテックという言葉や考え方についてご存知でしたか?」

■勝山「聞いたことはありましたが、これまでは馴染みもなかったですし関心ももたなかった分野です。でもこの番組のお話をきっかけにきちんと調べてみました」

■東島アナ「勝山さんは今回フェムテックを考えるにあたって、ご自身の経験から思い浮かんだことはありましたか?」

■勝山「性教育の必要性についてです。私の身近なところでは、経済的な理由で避妊用具や生理用品が買えなかったり、正しいセックスの知識がないために、若くして子どもが生まれてしまう。また、性病にかかって重篤な症状になったケースもありました。若者たちが、性やフェムテックに関する正しい知識を得る機会が重要だと感じています」

【勝山 Voice 1】

正しい性教育を受けられる場が必要

私が育ってきた環境の中では、10代前半での出産を経験したり、性病にかかったまま放置して深刻な健康状態になったりした人もいた。性の問題に直面した時に知識がなく、どのような行動をとるべきなのかがわからないので、出産しても施設に預けることになってしまったり、育てても虐待してしまうというケースもよく耳に。現実の日本社会で、こういうことが起きている。若者が正しい性の知識を得るために、学校などをはじめ相談できる場の必要性を感じています。

【Talk 2】

■東島アナ「若者たちに、新たな道、幸せを提案されていますが、勝山さんが考えるフェムテックのゴールについて教えていただけますか」

■勝山「私たちが大切にしているメッセージがあるんですが、それが“CHOOSE YOUR LIFE (人生を自分で選択しよう)”という言葉です。“自己選択が自分を豊かにする”ということを、いつも若者たちに伝えています。フェムテックも、女性の皆さんが抱えるさまざまな課題が解決されて、一人一人が豊かに幸せに生きていける社会になっていくことがゴールではないでしょうか。例えば“CHOOSE YOUR LIFE”とフェムテックをかけ合わせた取り組みが、社会全体に広がっていく必要があると思っています」

■伊久美「“CHOOSE YOUR LIFE”とフェムテックをかけ合わせた取り組みという発想は新しいですよね。具体的には、どういうことでしょう」

■勝山「今、“若者の自己肯定感の低さ”は、日本社会の課題といわれています。自分に自信がもてなくて、一歩踏み出すことができない人が多い。まずは、社会の中で生きていくために適切な選択肢を知り、その上で自分に合った道を選ぶ!ということが “CHOOSE YOUR LIFE”を可能にすると思っています。ですから私たちは、社会のことや自分自身を知る経験を若者たちに届ける活動をしています。フェムテックも、まずその意味や概念を理解し自分自身にどんな課題があるかを考え、選択肢を知った上で動く、という流れになるのがいいと思います」

■伊久美「まずフェムテックを知る、自分を知る、そして適したものを取り入れていく。今後、フェムテックを広めていく上で、大きなヒントになりました。ありがとう」

■勝山「こちらこそ! この番組をきっかけに、私自身もフェムテックの推進について考え、どんな選択肢があるのか学ばせていただこうと思いました」

【勝山 Voice 2】

人生もフェムテックも、自分で考え選択していくことが幸せにつながる

自分で進むべき道を選択することができれば、人生はより豊かに幸せになっていくと思う。まずは、教育現場でフェムテックの意味や概念を学び、自分にどういうつながりがあるのかを自分事として考える機会が必要。そうすれば、生活の中にフェムテックを自分らしく取り入れ活用する若者が増え、その概念やサービスが社会全体に広がっていくと思います。

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次のゲストは、一般社団法人 HASSYADAI social 理事の三浦宗一郎さんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・火曜日~木曜日の19時53分~57分にオンエア。火曜日:ニッポン放送をキーステーションに、全国19局ネット、水曜日・木曜日:ニッポン放送をキーステーションに全国27局ネット、で放送中。聴き逃したかたは、お住まいのエリアのradikoでもお聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki

 
 

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