着付け 資格

着付けの資格とは?試験内容・取得費用・着付け師になる方法についてもあわせてご紹介

2023/01/14

日本文化の象徴の1つである「着物」。ハレの日などの特別な日から日常生活に至るまで、着物は日本人にとって馴染み深いものです。

冠婚葬祭や旅先で何気なく着た着物の美しさに魅了され、「着付けを学んで、自分で着物を着られるようになりたい」「誰かに教えたり、着付けができるようになりたい」と考えている人も多いでしょう。

そんな着物を美しく着付ける仕事である、着付け師の資格とはどのようなものなのでしょうか?

この記事では、着付けの資格や技能検定の種類、難易度や資格取得にかかる費用などを徹底解説します。

着付けの資格とは?技能検定の種類・難易度・費用などを徹底解説!

着付け資格や技能検定の種類・難易度・費用などについて解説します。

  • 着付けの資格には国家資格と民間資格の2つがある
  • 民間資格の種類はさまざま!級によっても難易度が異なる
  • 「着付け技能士」になるには実務試験・学科試験の合格が必要
  • 民間資格なら着付け教室や特定の講座を修了すると取得できる
  • 実際の調査では「自分で着られるようになりたい」人が多い
  • 仕事に就くなら「着付け師」「和装スタイリスト」などの働き方がある
  • コミュニケーション能力は欠かせない

それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

着付けの資格には国家資格と民間資格の2つがある

着付けの資格には、国家資格と民間資格の2つがあります。

資格分類資格名
国家資格着付け技能士
民間資格「着物免許」「きもの講師」「着付け師」「着付講師認定証」「着物着付講師」「きものスペシャリスト技能検定」「きものコンサルタント」など

着付けに関する資格は複数ありますが、国家資格は「着付け技能士」のみです。

民間資格の種類はさまざま!級によっても難易度が異なる

民間資格は各教室や資格を発行している機関によりさまざまです。

着付けの資格は、次の3つのレベルに大まかに分けられます。

レベル目安
初級自分磨きや趣味レベルで着物の着付けができる
中級家族や友人・知人に着付けのサポートができる※冠婚葬祭、七五三・成人式で着付けができる
上級種類を問わず、さまざまな着付けや着付け補助ができる。また、着付け教室運営や、職業としてプロの着付け師を目指すレベル

※目安は教室によって異なります。

また、民間資格はそれぞれ級があり、難易度も異なります。

資格名概要
着物免許京都きもの芸術文化協会が発行する免許で、ハクビ総合学院で取得できます。級は1〜5級のランクがあり、4級(師範)は「着物国際免許」が、1級(教授)と3級(上級師範)の免許取得時には看板が授与され、自宅で着付け教室を開くことが可能です。
きもの講師一般財団法人京都きもの伝承文化協会が発行する資格で、小林豊子きもの学院東洋きもの文化学院学校法人三幸学園で取得できます。級も1〜3級のランクがあります。
日本和装協会認定資格一般社団法人日本和装協会の認定資格で、きもの着方教室いち瑠で取得可能です。レベルに応じ、和装教授、和装師範などの資格があります。初級コースから、中級・上級・極みコースを受講し、各資格試験に合格すると取得できます。
着付け師日本和装教育協会の認定資格で、長沼静きもの学院で取得可能です。1〜3級の着付け資格があり、着付師養成科の受講から資格取得まで、1年間で取得可能です。実践的な和装技術を培えます。

※2022年11月現在の情報です。

※上記資格には級がない資格も含んでいます。

ただし着付けの仕事にはかならずしも資格が必要ではない

「着付けの国家資格があるぐらいだから、仕事には資格が必要」と思いがちですが、必ずしもそうではありません。

資格がなくても仕事をすることは可能です。ただし、資格があるほうが有利でしょう。理由は着付けの資格を保有していることで、客観的に実力を推し量ることができるからです。

着付け師として実力がついていれば、資格で得られる知識を実務経験と照らし合わせ整理することも可能です。

資格をアピール目的で取得するのではなく、知識や実務を積み上げながら、それに見合う資格を取っていくことで、自分や第三者に対する評価になると考えるとよいかもしれません。

資格をどのように活かすかで取得するかを決めるとよいでしょう。

「着付け技能士」になるには実務試験・学科試験への合格が必要

「着付け技能士」は2009年に誕生した国家資格です。この資格を取得するためには、全日本着付け技能センターで実施している技能検定を受験する必要があります。

着付け 資格
出典:全日本着付け技能センター

学科試験・実技試験では、1級・2級それぞれで、次の範囲の知識・実践が求められます。

着付け 資格
出典:全日本着付け技能センター

より詳細な内容は、全日本着付け技能センター公式サイト内の試験範囲と科目詳細をご覧ください。

また、この着付け技能士には学科・実技試験の受験資格が規定されています。

とくに受験資格として重要なのが実務経験で、着付け技能士2級では実務経験が2年、着付け技能士1級では実務経験は5年必要です。

高校・大学などの教育機関での修業訓練で一部免除されますが、それでも最低2年はかかります。

このことから、着付け技能士の資格は一定時間の学習時間と実務経験が求められるため、気軽に受験できる資格ではないことがわかります。

プロの着付け師を目指したいなら、着付け教室にあるプロ着付け師になるコースを受けるのもよいでしょう。

民間資格なら着付け教室や特定の講座を修了すると取得できる

民間資格は基本的に着付け教室や特定講座の受講を終えることで取得できます。

ただしプロの着付け師として働く場合は、年単位の受講と実践を積むことが求められるでしょう。

民間資格が国家資格よりも楽にとれるという認識は、しないほうがよさそうです。

趣味の延長で習うなら独学もあり

着付け技能士のように受験資格に実務経験が含まれない資格であれば、独学も選択肢の1つです。

しかし間違った着付け方や知識を身につけないよう注意しましょう。

インターネットが普及している現在では、通信講座や動画講座を活用するのもおすすめです。

ちなみに「着物マイスター」と「着付け方インストラクター」は通信講座受講で資格取得できます。

通信講座名運営
着物マイスターW資格取得講座諒設計アーキテクトラーニング
着物資格取得講座SARAスクールジャパン

正しい知識を身につけたいなら、上記のような講座も検討してみてください。

実際の調査では「自分で着られるようになりたい」人が多い

株式会社本きもの松葉」のアンケート調査によると、「着付けを習得したらどのようなことにチャレンジしてみたいですか?」という問いに対し、回答者全体の約8割が「自分で着られるようになりたい」と回答していることがわかりました。

着付け 資格
出典:「株式会社本きもの松葉」アンケート調査

実際に多くの人は趣味に活かす手段として、着付け教室に関心を持っているようです。

仕事に就くなら「着付け師」「和装スタイリスト」などの働き方がある

着付けを仕事にしたいなら「着付け師」や「和装スタイリスト」などの働き方があります。

今回独自調査したなかでは正社員、パート・アルバイト、フリーランスなどの雇用形態で活動する人がいました。

私たちの生活のなかでは冠婚葬祭など、着物を着るシーンは意外にたくさんあります。

結婚式場、ホテル、イベントホール、葬儀場、ショー、呉服店などの求人を探してみるとよいでしょう。

コミュニケーション能力は欠かせない

着付け師は人と接する仕事です。当然、相手に失礼な振る舞いがないように接するコミュニケーション能力は欠かせません。

また着付け師は結婚式などのハレの舞台で業務を担当することが多いものです。

相手のちょっとした体調や気分の変化、結婚式を控えて気が張っている新婦さんにこまやかな気配りができるなど、柔軟に対応できる人が求められるでしょう。

さらに着物の歴史やマナーの知識があると、活動の幅は広がりそうです。

資格がとれる着付け教室(講座)の選び方!見るべきポイントとは

着付け資格がとれる教室(講座)を選ぶにあたり、見るべきポイントは次のとおりです。

  • 資格取得にかかる費用
  • 少人数制かマンツーマンか
  • レッスンの振り替えの有無
  • レッスンコースのこまかさ

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

資格取得にかかる費用

例として資格がとれる着付け教室(講座)の資格取得にかかる費用をまとめました。

コース受講終了後に自動的に資格が取得できる教室と、コース終了後に別途資格取得代を払う教室があるようです。

着付け教室(講座)費用
着物マイスターW資格取得講座7万9,800円※スペシャル講座受講は100%取得可能
着物資格取得講座7万9,800円※着物プラチナコースは100%取得可能
典雅きもの学院資格取得コース※「本科」「専攻科」「師範科」の順に受講必須「本科(全15回)」・・・教本1,100円、授業料3,300円/回
きもの着付け文化学苑基礎本科コース:3万7,950円
きものレディ着付学院5万円(うち3級着付講師認定取得代1万2,000円)

※費用はすべて税込表示です。

※コースによっても料金が異なります。

※2022年11月時点の情報です。

各教室で複数のコースがあり、それぞれ特徴が異なります。

1つのコースで資格取得ができる講座や、いくつかのコースを修了した後に資格が取得できるコースもあるので、自分の目的に合うコースを選択しましょう。

詳細は各教室のホームページなどで確認してください。

なかには仕事を紹介してくれる教室もある

京都きもの学院京都本校では、生徒一人一人にあった分野の仕事も紹介しているようです。

過去の紹介事例では、東映撮影所、ブライダルショップ、呉服レンタルスタジオカメラマン補助、ホテルなどがありました。

着付け師として仕事をすることを目的にしている人に最適な教室といえるでしょう。

※2022年11月時点の情報です。

最初に無料体験があると安心

いきなり高額な費用を払うのが不安な場合、無料体験ができる教室を選ぶと安心です。

今回独自調査したなかで、無料体験をおこなっている教室は次のとおりです。

※2022年11月時点の情報です。

独自調査です。

教室のイメージや講師の雰囲気、周りの受講希望者がどんな人たちなのか知りたいなら、無料体験も検討してみてください。

手ぶらで受講するなら着物がレンタルできるかも見ておこう

手ぶらで受講するのであれば、着物がレンタルできるかを確認しておきましょう。

レンタル(無料・有料)が可能な教室は次のとおりです。

※2022年11月時点の情報です。

※独自調査です。

着付けに使う着物や小物はかさばるので、仕事をしながら教室に通うとなると持ち運びが負担になります。

着付けを始めた段階であれば、まずは必要なものをレンタルし、着付けの技術を学ぶことに専念できる教室を選ぶとよいでしょう。

少人数制かマンツーマンか

レッスン形式は少人数制かマンツーマンかを選べる場合もあります。

申し込み前にどのような目的やスタイルで学びたいかをよく考えておきましょう。

マンツーマン形式であれば、丁寧な指導を集中的に受けられるので、短期間での成長を期待できるでしょう。

講義スピードも、先生と調整しながら進められるのも強みです。

一方、少人数制では互いに切磋琢磨できる仲間ができ、人脈も広がります。孤独感もなく着付けを楽しく学ぶ生活にもつながるでしょう。

自分のライフスタイルや性格にあったレッスン形式を選択してみてください。

レッスンの振り替えがあるか

着付け教室を選ぶにあたって、レッスンの振り替えがあるかも確認しておきましょう。

とくに働きながら着付けを学ぶ人にとっては、大事なポイントです。

ちなみにレッスンの振り替えがある教室は次のとおりでした。

※2022年11月時点の情報です。

※独自調査です。

急な用事があっても振り替えがあると安心です。自分の仕事やプライベートを守りつつ、楽しく着付けが学べるでしょう。

レッスンのコースはどれくらいこまかく分かれているか

教室によってはレッスンコースがこまかく分けられている場合もあります。

各教室のレッスンコースは次のとおりです。

教室名コース内容
きもの着方教室いち瑠「初級コース」「中級コース」「上級コース」「極みコース」
典雅きもの学院「プレミアムコース」「資格取得コース(本科)」「資格取得コース(専攻科)」「資格取得コース(講師科)」「資格取得コース(本科・専攻科・師範科)」「個人レッスン」「男性専科」「着付師科(初級・中級・上級)」「着付師科(講師科)」「着付師科(振袖専科)」「アドバイザー科」
きもの着付け文化学苑「初めてのきもの着付けコース」「本科着付けコース」「着付け師コース」
ハクビ京都きもの学院「ぷらっとパスポート」「短期集中レッスン」「着付け2回レッスン」「リバイバルレッスン」「スペシャルパック」「エクセレントパック」

※2022年11月時点の情報です。

レッスンのコースがこまかく分かれていると、より自分に適したコースを選べるでしょう。

ハイレベルな着付けの知識・技能を身につけるなら「着付け技能士」

着付け技能士を取得すれば、着付け師の仕事や転職においても有利になるでしょう。

着付け技能士は国家資格としてふさわしい知識や実務経験が求められます。資格も1級と2級があり、学科および実技試験に合格しなければ取得ができません。

また厚生労働省が発行しているので、民間資格より社会的な信用も高いといえます。

1級は最大で5年の実務経験が必要なのでハードルは高い

着付け技能士1級の受験には、5年間の実務経験が必要です。ただし、大学・短大・高校専攻科を卒業していれば必要な年数が3年に軽減されます。

さらに1級の実技試験では、実際の人間をモデルに着付けをおこないます。モデルも自分で見つける必要があり、他者との協力度合いで合格が左右される試験です。

参考 着付け技能士1級 実技試験問題

かなりハードルの高い資格だけに、取得していると活躍の場が広がるでしょう。

本格的に着付けを仕事にしたいかたは、この「着付け技能士」を目指すのもひとつの手です。

着付けの資格に関するQ&A

着付けの資格に関して、よくある質問にQ&A形式で回答します。

  • 着付け技能士は独学でも取得できる?
  • 着付け師はどれくらい稼げる?
  • 資格は最短どれくらいで取得できる?

気になる項目をチェックしておきましょう。

Q.着付け技能士は独学でも取得できる?

構造的には可能です。しかし、着付け技能士の受験には実務経験が必要です。
したがって、実際に独学で取得するのはかなりハードルが高いと言えます。

未経験者が着付け技能士2級取得を独学で目指す場合は、着付け教室に通い実務経験を積むことがおすすめです。

Q.着付け師はどれくらい稼げる?

着付け師として業務をおこなう期間により稼げる金額はさまざまです。今回独自調査したところ、以下のような求人が出されていました。

  • アルバイト・パートの場合:時給1,050円~3,000円程度

※ヘアメイクができる場合、時給5,000円~13,000円程度

  • 正社員の場合:月給19万円~35万円程度
  • 日勤(スポット勤務)の場合:日給1.5万円~3万円程度

技術力の高さとヘアメイクの可否が、お給料の高さに直結するようです。

Q.資格は最短どれくらいで取得できる?

国家資格である着付け技能士は、実務経験が必要であることを鑑みると、2級でも1年から3年はかかります。

着付け関連の資格の最短取得を目指すのであれば、民間資格を検討してみましょう。

民間資格のある各教室について、次のとおりまとめました。

教室名資格取得最短期間(目安)
着物マイスターW資格取得講座2カ月※最短コースの場合です。通常は6カ月が目安
きもの着方教室いち瑠3カ月
きものレディ着付学院8カ月※着付講師2級以上は5カ月
長沼静きもの学院3カ月
青山きもの学院1年6カ月

※2022年11月時点の情報です

なかには最短で3カ月で資格取得できる教室があります。

まとめ

このページでは着付けの資格に関する内容をご紹介しました。

最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 着付けの資格は国家資格と民間資格の2つ
  • 国家資格の着付け技能士の受験には実務経験が必要
  • 着付けの仕事には必ずしも資格は必要ない
  • 着付けの仕事にはこまやかなコミュニケーションが必要
  • 着付けの仕事には「着付け師」や「和装スタイリスト」などがある
  • 着付け教室に通う目的やレッスン形式をしっかり考えて教室選びをする

唯一の国家資格である「着付け技能士」はハイレベルな知識を持っていると評価される資格です。

そのぶん受験のハードルが高く、実務経験も求められます。

一方で民間資格であれば、趣味で着付けができるレベルから仕事として着付け師になるレベルまでさまざまなコースがあります。

まずは民間資格で着付けを楽しみながら実務経験を積み、憧れの着付け技能士の資格取得を目指すのがよいかもしれません。

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