介護職におけるキャリアアップとは?介護のスペシャリストになるための4ステップを紹介
2024/02/19
介護施設に勤務しながら整理収納アドバイザーとして活動しているおだけみよさんは、介護の経験ゼロの状態から介護の仕事に就き、資格を取得して正社員になりました。
介護は仕事をしながらステップアップして、介護のスペシャリストになることが可能です。今回は介護職におけるキャリアアップについて教えてもらいました。
1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、『在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修』(厚生労働省より)。
この資格を取得すると、介護職としてのキャリアの第一歩がスタートします。
取得するには?
資格を取得するためには、講義と演習で構成される約130時間の研修受講と、全課程修了後の修了試験に合格することが必要です。
主な内容は「身体介助」「生活援助」の二つ。
講習は実技中心で実際に体を動かして学べるので、介護の基本がしっかり身につく内容となっています。
筆者の場合は自宅学習と130時間の研修受講、取得までに4カ月かかりました。
取得するメリットは?
無資格だと勤務形態などに制限があり、例えば身体介助を一人で行う訪問介護はできません。
資格を取得することで訪問介護の現場に出ることが可能になり、仕事の幅が広がります。
2.介護職員実務者研修
初任者研修は実技が中心でしたが、介護福祉士実務者研修では、「介護に関連する制度」「こころとからだのしくみ」「介護技術」等を学びます。
現場経験だけでは十分に修得できない知識・技術を身につけることができます。
「喀痰吸引」「経管栄養」といった、医療的ケアが入るのが特徴です。
無資格から受講する場合の研修時間は450時間以上。
初任者研修同様、自宅学習も必須です。
取得するメリットは?
2017年1月から、介護福祉士国家試験の受験に3年以上の実務経験に加えて、新たに実務者研修を修了することが義務づけられました。
この資格を受講することで、国家資格の受験が可能になります。
また初任者研修だと資格手当はつかないことが多いのですが、実務者研修取得者は資格手当が支給されるので報酬アップにも繋がります。
3.介護福祉士
介護福祉士は、介護サービスの中心となる重要な存在です。
実務者研修までは介護サービスを提供することが中心でしたが、ご家族の介護をする方や、介護現場で働くヘルパーなどに指導・助言をすることが可能になります。
自分の持つ介護の専門知識や技術で、実際に介護をする側の負担も軽減します。
また、介護を必要とする方に、一人ひとりに合わせた適切な介護計画を立てるのも、介護福祉士の仕事のひとつです。
取得するには?
年に1回行われる、介護福祉士国家試験に合格することで取得できます。
試験科目11科目群125問の構成で、1問1点の125点満点となっています。
介護保険制度など法令についての知識を問うものから、具体的な事例について要介護者への正しい対応まであり、理論と実践両方において理解が必要となります。
取得するメリットは?
介護サービスの提供だけでなく、介護をする人の育成までできるようになるので、できる仕事の幅がぐっと広がります。
施設内の介護リーダーなど管理職に就くこともできるようになるので、昇給昇進に繋がりやすくなります。
4.介護支援専門員実務研修
介護支援専門員(ケアマネジャー)になるための資格です。
介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、サービス計画書の作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険におけるスペシャリスト。
取得するには?
指定業務を5年以上かつ900日以上経験することで受験資格を得られます。
試験に合格した後は研修を受講して、修了するとケアマネジャーとして登録し、資格証が交付されると、ケアマネジャーとして勤務することが可能です。
取得するメリットは?
利用者や家族と関わることが多く、感謝の言葉を直接かけてもらえることもあります。
自分が作成したケアプランで利用者やその家族の生活改善に繋がることがあったりと、仕事のやりがいを実感できます。
いくつから始めてもスペシャリストを目指せるのが介護の魅力!
筆者は40代後半から無資格で介護職に就きました。
周りには60代で退職後に初任者研修を取得しヘルパーになった人が何人もいました。
また、友人のお母さまは60代でケアマネージャーになり、スペシャリストとして活躍されています。
「今日が人生で一番若い日」
いくつから始めても専門知識が身につきスペシャリストとして働けるのが、介護の仕事の魅力です。
この記事を書いたのは…おだけみよ
未経験から介護職に就いて介護士になった、サンキュ!STYLEライター。
介護士として認知症高齢者が共同生活を送る介護施設スタッフとして3年間勤務。
サンキュ!STYLEでは介護が気になる同世代に向けて介護初心者情報も発信中。