2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。
●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。
<ゲスト>
●加藤雅俊 Masatoshi Kato
薬剤師・体内環境師。大学卒業後、製薬会社に入社。研究所にて血液関連の研究開発に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり毎年患者数が増えている医療現場に疑問を抱く。薬に頼らずに若々しく健康でいられるための食事+運動+心のケアを一緒に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。ホリスティックな観点から健康をとらえ、サロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやアスリートのコンディショニングケアも担当する。
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんです。「先生とは10年くらい前から、プライベートでも仲良くさせていただいています。ゲスト出演が実現して嬉しいです。たくさんの著書を出されていますが、ほとんどがベストセラーです。これまで販売された著書の販売部数が累計で230万部というのは、本当にすごいですよね! 女性が心身ともに幸せでいられるためのアドバイスを伺うのが楽しみです!」(伊久美)
笑って一生を過ごすために、健康をサポートするのが体内環境師
■東島アナ「今回のゲストは、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんです。製薬会社で糖尿病検査薬の開発研究に携わり、その後独立。薬と上手に付き合い、健康な心身をつくるという観点から活動を続け、モデルやアスリートの体内環境ケアなどに携っていらっしゃいます。体内環境師というお仕事は、具体的にどんなことをされているのでしょうか」
■加藤「私は “人間の細胞にとって足りない栄養素を補っていく” という考えを基本に活動しています。栄養が不足することで病気は生じるので、足りなくならないように補い、病気にならない心身をつくる必要があるのです。人間は寝ることによって日々、自分自身を修復していますが、一人一人体の大きさや性別も違うので、個別に“食・睡眠・運動”を総合的にとらえる必要があります。そのお手伝いをするのが体内環境師です」
■東島アナ「心強い存在ですね。まず、薬剤師でもある先生に伺いたいのは、“薬との上手な付き合い方”です」
■加藤「薬をうまく活用すれば、自身のコントロールで病気になりにくい体を目指すことができ、生活は非常に豊かになると思います。同時に、なるべく薬に頼らずに、自分の力で健康を維持する努力も大切です」
■東島アナ「若い頃は自然治癒力もありますが、年齢とともに衰えていきますよね」
■加藤「不調があるなら、まずは薬で症状を和らげることが大切です。そこから、足りない栄養素や運動法を取り入れていくのがよいです」
■伊久美「年齢に関わらず、誰もが日々気軽にできる運動はありますか」
■加藤「いちばん簡単なのは、“椅子に座って立ち上がる”という動作を繰り返すことです」
■伊久美「オフィスでも家でもできますね!」
■加藤「それができたら、低いソファから立ち上がるようにするなど、少しずつ負荷をかけていくとよいと思います」
■東島アナ「女性は月経トラブルなど、特有の健康問題を改善したい人も多いと思うのですが、健康を保つために、日常生活で心がけることはありますか」
■加藤「食べ物ですね。今、野菜中心の食事をしている女性が多いですね。野菜を摂ることはよいことなのですが、たんぱく質が足りていません。たんぱく質は血管や髪の毛、肌を生成するのに必要な栄養素なので、野菜と一緒に摂っていただけたらと思います」
■東島アナ「確かに最近、野菜ばかり食べている女性は多い気がします。先生は長い目で、どんな健康を目指したらよいと思われていますか」
■加藤「最終的に“人間は泣いて生まれて、笑って死ぬる”ことが目標です」
■伊久美「東島さん、キーワードをいただきましたね! 人は産声を上げて泣きながら生まれ、いつまでも食事を楽しめ、笑顔であの世へ行ける、本当にそれが理想だと思うので、私も目指していきたいです!」
理想の血圧をキープするために心がけたいことは?
■東島アナ「テーマは“血圧のメカニズム”についてです。加藤先生は、血圧に関する本もたくさん出されていますが、そもそも血圧って何でしょう」
■加藤「心臓は全身に血液を送っています。その時に、血管にかかる圧力が血圧です。心臓というポンプが収縮する時を上の血圧、拡張する時を下の血圧といいます。上下の差が60くらいに収まっていればよいのですが、年齢とともに心臓機能が低下して、その差が大きくなる傾向があります」
■東島アナ「ベストな血圧値は、いくつなのでしょうか」
■加「1999年には140が理想といわれていましたが、2014年に130が目標値ということになりました」
■伊久美「年齢や性別に関係なく、130を目指すということなのでしょうか」
■加藤「そうです。男女問わず、20歳のかたも80歳のかたも同じ目標です」
■東島アナ「高血圧になると、体にどんな症状が出てくるのでしょうか」
■加藤「心臓から血液を押し出すときに高い圧が必要になる、ということはその先の血管が細くなり、周辺の筋肉も硬くなっているということなのです。また、心臓の機能が弱まっていれば、一生懸命に圧力をかけて、全身や脳に酸素を送ろうとしているのです。この高血圧の症状を放置していると、当然、血管に負荷がかかって、いろんな病気になるリスクも増えてきます。そのため、ある程度管理する必要があるのです」
■伊久美「日頃、“脳に酸素を届けよう”と、私たちは意識していないですよね」
■加藤「だから、寝ている時、血圧は高くないのです。ただ、起きる瞬間は、重力に逆らって圧をかけなくてはならないので、朝は血圧が高くなります」
■東島アナ「血圧を適正な数値に保つために、行うとよいことはありますか」
■加藤「散歩はおすすめです。そして行程の中に、階段の上り下りを入れていただければ理想的です。足には一番大きな筋肉があるので、動かすことがとてもよいのです」
■東島アナ「階段がポイントですね! もう一つ伺いたいのは、よく“高血圧にならないように塩分を控えよう”と言われていますが、関係性はあるのでしょうか」
■加藤「高血圧=減塩という考え方は、もう古いのです。昔、どこの家庭でも使っていた食卓塩は、99.9%が塩化ナトリウムでした。ナトリウムは体内に入ると水を溜め込む性質があるので、血圧が上がってしまうのです。自然海塩は、ナトリウムだけでなく、水を排出しようとするカリウムも入っているので、血圧を気にせずに、塩分を摂ることができるので、おすすめです」
■東島アナ「自然海塩なら、必要以上の量を取らなければ問題はないのですね。まずは、日々、自分の血圧値を把握しておくことも重要ですね」
■加藤「そうですね。もし、血圧が高かったら薬を飲んでください。運動するのもよいでしょう。そして、定期的に健康診断を受けて結果が出たら、必ず前回の検査の数値から上昇していないかをチェックしてください」
■伊久美「世の中の平均値は気にしていても、前回の自分のデータとは比較していませんでした。今後はしっかりチェックしたいと思います」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
●次回も、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんをゲストにお迎えします。
【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀