最悪、命を落とす危険性も…!不足すると怖い身近な栄養素って?

2025/04/03

健康を維持したり、病気の予防に欠かせない栄養素。そのなかでも、「ナトリウム」にはどういった働きがあるのかご存じでしょうか?

必要量が足りているからこそ、私たちは当たり前に毎日をすごせるのですが、不足してしまうといくつものデメリットが出てくることに…。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、「ナトリウム」が不足することでどのようなことが起きるのかと、効率よくとるための食べ方について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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「ナトリウム」の働きとは?

「ナトリウム」とは、塩素と結合した状態で食塩として摂取されることが多く、小腸から吸収されてその多くは細胞外液(血漿、リンパ液、間質液など細胞を取り囲む液体)や骨の中に存在しています。体内のナトリウム量は、体重の0.1~0.2%ほどと推測されています(※)。

ほとんどの食品中に含まれ、わたしたちに塩味を感じさせる成分でもあります。

そんな「ナトリウム」の働きは、おもに次のとおり。

・体内の水分バランス、細胞外液の浸透圧を維持する
・血圧を調節する
・pHの調整、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などに関わる
・胆汁、膵液、腸液などの消化液の成分になる

このようなことから、「ナトリウム」は生命維持に大きな役割を担っていることがわかります。

※……体重60kgの人の場合、60~120gに相当。

「ナトリウム」不足になると起きることとは?

出典:写真AC

そんな「ナトリウム」が不足すると、つぎのような不調が見られるようになります。

たとえば、吐き気、疲労感、頭痛、全身倦怠などが起こります。ナトリウム不足は通常の食生活で起こりにくいのですが、多量の発汗、激しい下痢や嘔吐、大量飲水(1時間に1L以上)、高齢などの場合には注意が必要です。大量飲水では、急激に細胞外液のナトリウム濃度が薄められ、それによって低ナトリウム血症が引き起こされてしまうのです。

ナトリウム不足や低ナトリウム血症が重症化すると、筋けいれん、意識障害、昏睡などのリスクがあり、命に関わることも……。

近年の気温上昇に伴い、夏場に限らず汗をかく機会も増えてきています。ただし、汗をたくさんかいたからと言って、ナトリウム摂取のために味が濃いものをとるのは避けましょう。

ナトリウム不足を伴う脱水症には、素早く水分とナトリウムが体内に吸収される「経口補水液」が推奨されています。

経口補水液のナトリウム濃度は0.2%前後、その吸収を高めるためにさらにブドウ糖が1.8%ほど加えられています。
スポーツドリンクの場合はこれよりもブドウ糖などの糖質量が高く、みそ汁の場合はナトリウム濃度がかなり高いため、ナトリウムの不足時には適していないことがわかります。

「ナトリウム」を多く含む代表的な食材

ここからは、「ナトリウム」を多く含む食品についてご紹介します。

・食塩(精製塩、粗塩、減塩タイプ食塩など)
・顆粒だし
・昆布茶
・即席すまし汁
・お茶漬けの素
・焼きそば粉末ソース
・カットわかめ

このほかにも、多くの調味料や塩辛、梅干しなどの塩蔵品に「ナトリウム」が多く含まれています。
いずれも一度に多くとるものではありませんが、食事だけでなく間食なども含めると、日本人はナトリウム(食塩)をとり過ぎている傾向にあります。

食塩の過剰摂取は、むくみ、高血圧、慢性腎臓病(CKD)の発症や重症化、胃がんなどのリスクを高めるとされています。

不足に注意するよりも、いかに普段の食塩摂取量を抑えるかという点に、十分気を付ける必要があるといえるでしょう。

とり過ぎを防ぐための食べ方や、おすすめの組み合わせ

「ナトリウム」を含む塩分を減らすためには、薄味でもおいしく感じられる味付けの食事を心がける必要があります。

とくに、うま味、酸味、香りのあるものを加えてから味を調えると、塩味を引き立たせて薄味による物足りなさを抑えることが期待できます(だしの出る食材、かんきつ類、酢、ハーブ、香辛料などの使用)。ほかにも、煮汁や麺類のスープを残したり、減塩タイプの醤油、味噌、コンソメなどに置き換えて使うことも効果的です。

また、カリウムの摂取量を増やすことにより、過剰にとった「ナトリウム」を尿へ排泄しやすくなります。
ナトリウムを多く含む食品をとり過ぎないことと同時に、カリウムを多く含むつぎのような食品の摂取量を増やしましょう。

・海藻(昆布、ひじき、岩のり、あおさなど)
・乾燥野菜(切り干し大根、ドライトマト、干しわらび、干しぜんまい、かんぴょうなど)
・きのこ類
・大豆製品(炒り大豆、きなこなど)

ただし、特定の栄養素のことばかりに目を向けて、基本の食事がおろそかになっては元も子もありません。

主食・主菜・副菜をそろえ、炭水化物・脂質・たんぱく質が偏らないような食事を意識し、そのうえでご紹介した食品のとり方を見直してみてはいかがでしょうか。

参考サイト

 
 

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