イライラが止まらくなったり、筋力が低下したりするリスクも!?じつは不足すると怖い栄養素とは

イライラが止まらくなったり、筋力が低下したりするリスクも!?じつは不足すると怖い栄養素とは

2025/07/01

健康を維持したり、病気の予防に欠かせない栄養素。そのなかでも、「ビタミンB1」にはどういった働きがあるのかご存じでしょうか?

必要量が足りているからこそ、私たちは当たり前に毎日をすごせるのですが、不足してしまうといくつものデメリットが出てくることに…。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、「ビタミンB1」が不足するとどのようなことが起きるのかと、効率よくとるための食べ方について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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「ビタミンB1」の働きとは?

「ビタミンB1」とは、水に溶けやすい性質(水溶性)を持つビタミンの一種です。腸で吸収され、とくに神経や筋肉などで多く使われます。

また、食品に含まれるだけではなく、一般的な栄養ドリンクに配合されることも。

そんな「ビタミンB1」の働きは、おもに次のとおり。

・糖質の代謝を促し、エネルギーを効率よくつくる
・心臓や筋肉の機能をサポートし、疲労回復を助ける
・脳や神経の正常な働きを維持する

ビタミンB1は、食事の糖質から生命活動や日常動作を行うために必要なエネルギーをつくるために欠かせない栄養素となっています。エネルギーが充足することで疲労を防ぎ、運動時のパフォーマンスを維持したり、日常的に集中力をアップさせたりすることにも役立ちますよ。

このようなことから、「ビタミンB1」が体内で果たす役割はとても大きいと言えるのです。

「ビタミンB1」不足になると起きることとは?

そんな「ビタミンB1」が不足すると、さまざまな不調が見られるようになります。

たとえば、倦怠感(だるさ)、食欲不振、イライラ感、集中力低下などが起こりやすくなります。重度の不足が続くと、脚気(かっけ)、ウェルニッケ・コルサコフ症候群などの病気の原因にも……。

脚気ではむくみ・手足のしびれ・筋力低下・歩行困難に、その他では意識障害や記憶障害といった重度の症状も現れるという特徴があるのです。

なお、令和5年国民健康・栄養調査におけるデータを見てみると、食品からの「ビタミンB1」の1日の摂取量は、とくに男性で推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす量)よりもやや不足していることがわかっています。

このほか、ダイエット中や高齢者などで日常的に食事量が少ない、偏食がち、運動量が多い、長期的にアルコールを多く飲んでいる人の場合には、ビタミンB1の不足・消費量の増加・吸収不良になりやすいためとくに注意が必要です。

「ビタミンB1」を多く含む代表的な食材

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出典:Adobe Stock ※画像はイメージです

ここからは、「ビタミンB1」を多く含む食品についてご紹介します。

・豚肉(とくにヒレ、もも、ロース、かたの赤身部分)
・ハム
・たらこ
・うなぎ
・そば粉
・ライ麦
・玄米

「ビタミンB1」は、動物性食品、植物性食品のどちらにも幅広く含まれています。

このほか、あまり一度に多く口にする食品ではありませんが、米ぬか、小麦胚芽、ひまわりの種、チアシード、ごま、ドライトマト、あおのり、焼きのりなどにも「ビタミンB1」は多く含まれていますよ。

なお、「ビタミンB1」は水溶性のため多くは尿として排出されて体内に溜まりにくく、通常の食事では過剰摂取の問題はありません。ただし、サプリメントなどで長期的に過剰摂取した場合には、頭痛・いらだち・不眠・かゆみなどの症状が現れることも報告されているので注意しましょう。

効率よく摂取するための食べ方や、おすすめの組み合わせ

「ビタミンB1」は水に溶けやすく熱に弱い性質のため、調理時に水にさらす時間をできるだけ抑えたり、生食できるものは加熱せずに食べたり、長時間の加熱を避け、煮汁ごと食べるようにするのがおすすめ。体内にとどまる時間が短いため、一度に多くとるよりも毎食こまめにとることも意識してみましょう。

また、にんにく、ねぎ、玉ねぎ、にら、らっきょうなどのニオイが強い野菜と一緒に食べるのも効果的です。これらには刻んだり潰すとアリシンに変わる成分が含まれ、ビタミンB1の吸収を高めて体内での持続時間を長くする作用があります。

アリシンもビタミンB1同様に長時間の加熱を避けるようにし、調理の最後に加えてサッと加熱する程度にしてみてくださいね。

ただし、特定の栄養素のことばかりに目を向けて、基本の食事がおろそかになっては元も子もありません。

主食・主菜・副菜をそろえ、炭水化物・脂質・たんぱく質が偏らないような食事を意識し、そのうえでご紹介した栄養豊富な食品をとり入れるようにしてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

 
 

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