「スパゲッティ」vs.「中華麺」太りやすいのはどっち?
2024/06/24
「スパゲッティ」と「中華麺」。どちらも同じ麺類ですが、じつは太りやすさに違いがあるんだとか。
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、スパゲッティと中華麺のどちらが太りやすいのかについて解説してもらいます。
スパゲッティと中華麺はなにが違う?
スパゲッティと中華麺はどちらも、小麦粉が主原料として使われています。食感や風味の違いは、ほかに使われている食材やつくり方によって生まれます。
一般的なスパゲッティは、デュラム・セモリナという種類の小麦粉を水で練り、麺の形に整えたものを乾燥させてつくられています。このデュラム・セモリナは、粒が硬くて粗びきになっており、一般的な小麦粉よりもタンパク質を多く含むとされています。
ちなみに、生スパゲッティの場合は、小麦粉の種類は限定されず、そのほかに塩・オリーブオイル・卵などが使われることもあります。乾燥させたスパゲッティに比べると、やわらかい食感であることが多くなっています。
一方で、小麦粉・水・塩・かんすいなどを使い、これらを混ぜ合せてこねて麺状に切り分けると生中華麺になります。生中華麺を揚げたり乾燥させることで、即席ラーメンやカップラーメン用の麺ができあがります。
中華麺は、かんすい(炭酸ナトリウムなど)を使うことによって、ラーメンに合うコシや風味が生まれるのが特徴です。
太りやすさはカロリーのみで決まらない
では、肝心のカロリーに注目してみると……詳細は省きますが、スパゲッティ中華麺とに大差はありません。
しかし、栄養素で比較をするとスパゲッティには太りやすさを左右するあるものが、中華麺よりも多く含まれているのです。それがビタミンB1、ナイアシン、ビオチン。
炭水化物(正確には食物繊維を差し引いた「糖質」)をとるだけではエネルギーとして利用することができず、血糖値を上げて脂肪として体に蓄えることになります。ところが、ビタミンB1などのこれらのビタミンが存在することによって、炭水化物を効率的にエネルギーへ換えて消費できるようになるのです。
中華麺にはこれらがまったく含まれていないわけではありませんが、スパゲッティとは栄養素によって1.5~6倍も含有量に差があります。そのため、スパゲッティと中華麺で比較した場合、スパゲッティのほうが太りにくいと言えるのです。
より「太りにくくする」具の選び方は?
スパゲッティに含まれる栄養素の効果をさらに高めたいのであれば、いっしょに食べる具材にもこだわりたいところ。前述のビタミンB1、ナイアシン、ビオチンは、じつはパスタに合う定番の具材にも含まれているのです。
それは「たらこ」です。たらこをたっぷりと使ったスパゲッティであれば、より効果的に炭水化物をエネルギーへ換えることが期待できるでしょう。
なお、小麦胚芽にもビタミンB1やナイアシンが多く含まれており、これは具としてではなく、「全粒粉」を使った麺と記載があれば練りこまれていることになります。
そのため、選べる場合は全粒粉のスパゲッティを選び、代謝を助けてくれるビタミンB1などを多く含む食品を具として取り入れることがおすすめです。
より「太りにくく」食べるコツは?
また、食べ方を工夫することでも太りにくくすることが可能です。その方法というのが、「冷やして食べる」こと。
炭水化物中のでんぷんは、冷やすことによって一部が消化されにくいレジスタントスターチへ変わります。レジスタントスターチは、食物繊維と似たような働きを持ち、おなかの調子を整えることはもちろん、食事からの糖や脂質の吸収を抑えて体外へ排出してくれる作用が期待できます。
冷製スパゲッティ、冷やし中華、つけめんの冷盛りなどを選ぶことで、同じカロリーであってもより脂肪として蓄えられにくくなることとが考えられます。
また、食べごたえを増やして食べすぎを抑える観点から、芯に少し硬さが残る程度に麺をゆでることや、野菜、きのこ、海藻などの低カロリーで歯ごたえがあるものをたっぷり加えることもおすすめです。
このように、食材の組み合わせや食べ方を選べば、スパゲッティも中華麺も太る心配を減らして食べやすくすることができます。ぜひ、メニュー選びの参考にしてみてはいかがでしょうか?