血圧を上げる&下げる食べ物・飲み物とは〜身近な食品をランキングで紹介〜

2025/03/24

当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。

「減塩には気をつけているけど、なかなか血圧が下がらなくて苦労してるんだよ‥」

加齢に加え、体質や生活習慣などが重なり合って引き起こされる高血圧。対策としては、減塩やお酒の飲み過ぎに気をつけるよう言われますよね。

しかし身近な飲食物には、お菓子や麺の汁など塩分の多い食べ物がある反面、意外な食べ物や飲み物が血圧を下げるのに効果的だったりします。

そこで今回は、血圧を上げる食べ物・下げる食べ物&飲み物をランキング形式でご紹介します。

なお、ご紹介する食べ物は一般的にスーパーで購入できるもの、また飲み物はコンビニでも手軽に購入できるものという身近な観点で厳選しました。

毎日の食事に役立つポイントが満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

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要注意!血圧を上げる食べ物

早速、血圧を上げる食べ物から見ていきましょう。

血圧を上げる大きな要因は食塩の摂りすぎということで、食べ物の塩分量に着目しランキングを行います。

ただし、塩分も人の体にとって大事な要素です。あくまでも摂取しすぎが問題であって、塩分をとること自体が悪いわけではありません。

それでは、さっそくランキングをご紹介しましょう。


●第1位:梅干し
梅干しは梅の実の塩漬けです。

漬物の中でも梅干しの塩分は高く、1個(13g)あたり2.4gも含まれます。

健康に良い梅干しではあるものの、何事も程々を心がけてください。


●第2位:塩鮭
塩鮭はその名のとおり、食塩をまぶして保存性を高めている鮭のことです。

そのため塩分は高めで、1切れ(100g)あたり1.8gあります。

鮭を食べるなら、塩分を使用していない生鮭や冷凍の鮭を使って、自分で味を調整するとよいです。


●第3位:はんぺん
はんぺんなどの練り物は塩分を加えて作るため、塩分は1枚(100g)あたり1.5gと高めです。

1.5gの塩分は味噌汁1杯分に相当します。日常的に食べ過ぎると血圧の上昇につながる可能性があるでしょう。

血圧を上げる意外な飲み物

出典:写真AC

血圧を上げる原因は食べ物だけではありません。日常的に飲んでいる飲み物にも、血圧を上げる原因があるのです。

今回は3つの飲み物をご紹介します。


●アルコール
アルコールは摂取後一時的に血圧を低下させますが、日常的にアルコールを飲んでいる場合は血圧を上昇させます。

一方で、アルコールの摂取により病気のリスクが下がる場合もあります。アルコールと上手に付き合うためには、飲みすぎないよう適量の範囲で飲酒することが大切です。


●ジュース
糖分を多く含むジュースを日常的に飲み続けると、カロリーオーバーの原因となり肥満につながる可能性があります。

肥満になると、血糖値を下げるインスリンというホルモンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)になりますが、血糖値を下げるためにより多くのインスリンが分泌されます。

このインスリンにより、体内で血圧を上昇させる状態が作られると考えられているため、肥満の方は高血圧になりやすいといわれています。


●経口補水液
熱中症予防に活用する経口補水液ですが、通常のスポーツドリンクなどに比べて塩分をはじめとする電解質が多く含まれています。

そのため、1日に大量の経口補水液を飲み続けると血圧を上昇させる可能性があるのです。

経口補水液を飲むのは、脱水症の疑いがある場合など必要性の高い時だけにして、通常の水分補給は水やお茶にしましょう。

毎日取り入れたい!血圧を下げる食べ物

まずは、血圧が気になる方にオススメしたい血圧を下げる食べ物についてご紹介しますね。


●第1位:野菜やきのこ類
野菜やきのこ類には、血液中のナトリウムを尿中に排泄させ血圧を下げる効果が期待できるカリウムが豊富です。

ちなみに、身近な野菜やきのこ類のカリウムは以下の通りです。

トマト   210mg
きゅうり 200mg
小松菜   500mg
しめじ   370mg
えのき   340mg
※100gあたり

またカリウムとあわせて食物繊維も豊富なので、毎食積極的に取り入れていただきたい食べ物です。


●第2位:青魚
青魚(サバやイワシ)といった脂質の多い魚に含まれるオメガ3系脂肪酸(※)には、直接血圧を下げる効果があります。

(※)n-3系脂肪酸とはEPA、DHA、αリノレン酸から成り立つ、高い健康効果が期待できる成分です。

ちなみに、身近な魚のオメガ3系脂肪酸は以下の通りです。

さんま(皮つき・生) 5.59g
ぶり(生)       3.35g
さば(生)       2.12g
まいわし(生)     2.10g
まあじ(生)     1.05g
※100gあたり

さらにオメガ3系脂肪酸は血管障害を防ぐ効果も期待できますので、高血圧から発症しやすい脳血管障害の予防に役立ちます。


●第3位:乳製品
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品にはカルシウムが含まれます。カルシウムが不足すると血管が収縮して血圧が上がりやすくなりますので、血圧対策ではしっかり取り入れる意識が大切です。

乳製品のカルシウムは体内に吸収されやすいので、牛乳であればコップ1杯(150ml)程度を飲むようにしましょう。

なお、参考までにカルシウムはししゃもや桜エビなどの小魚、また豆腐や納豆などに多く含まれています。乳製品が合わない方はこれらの食材をベースに、カルシウムを摂取してもよいでしょう。

参考までに、食べ物に含まれるカルシウムの含有量をご紹介します。

牛乳     110mg
無糖ヨーグルト 120mg
プロセスチーズ 630mg
ししゃも   360mg
糸引き納豆   91mg
絹豆腐     75mg
※100gあたり

簡単に手に入る!血圧を下げる飲み物

次に、コンビニなど身近なところで手に入る、血圧を下げるのに役立つ飲み物をご紹介します。


●第1位:胡麻麦茶(サントリー)
サントリーの胡麻麦茶は日本人間ドック健診協会も推薦しているお茶で、ゴマペプチドという血圧に効果を発揮する成分が含まれています。

そして特定保健用食品(※)であることもポイントです。

(※)特定保健用食品とは、目的となる効果が得られる成分を含む食品のことを言います。日本の制度で認められた食品で、使う用途に適すること(例:血圧が高めの方に)等を表示できます。

胡麻の風味が麦茶の香ばしさに程よくマッチしていて、飲みやすいですよ。

またカフェイン(覚醒作用あり)もゼロですので、夜飲んでも安心ですね。


第2位:カゴメトマトジュース(KAGOME)
KAGOMEの低塩トマトジュースは機能性表示食品(※)で、高めの血圧を下げる効果と善玉コレステロールを増やす効果が期待できる飲み物です。

(※)機能性表示食品とは、商品の科学的根拠や安全性などの情報を企業の責任で消費者庁へ「届け出」を行うもので、基本的な安全事項をクリアしている食品のことを言います。

また一般的なトマトジュースには塩気があるものが多いですが、こちらは1本あたりの食塩相当量が0.42-0.78gと少ないのも嬉しいですね。

なお、善玉コレステロールは余分なコレステロールを回収して、動脈硬化の予防に役立つものです。高血圧が長く続くと血管が痛んで老化し、動脈硬化が進みます。

ですので、トマトジュースで善玉コレステロールが増える効果があるのも良いですね。


●第3位:栄養強化型 1日分の野菜(伊藤園)
伊藤園の野菜ジュース、「栄養強化型 1日分の野菜」には、先ほどもお伝えしたカリウム(血液中のナトリウムを排泄して、血圧を下げる)が1本あたり780mg(※紙パックの場合)も含まれます。

ちなみにWHO(世界保健機関)では高血圧予防のためのカリウム摂取目標を1日あたり3,510mgとしていて、日本の厚生労働省もこの数値を支持しているとのことです。

少し目標数値が高いように感じるもしれませんが、こちらの野菜ジュース1本で、1日のカリウム目標量の約1/4が手軽に補えるのは大きなメリットでしょう。

日頃、忙しくてなかなか緑黄色野菜を食べる時間がないという時に、上手に活用していただきたい飲み物です。

まとめ

以上、血圧を上げる&下げる食べ物、飲み物ランキングをご紹介しました。

結果をまとめます。

血圧を上げる食べ物 : 1位 梅干し、2位 塩鮭、3位 はんぺん
血圧を下げる食べ物 : 1位 緑黄色野菜、2位 青魚、3位 乳製品
血圧を下げる飲み物 : 1位 胡麻麦茶、2位 低塩トマトジュース、3位 栄養強化型 1日分の野菜

梅干しやはんぺんなど塩気の多い食べ物の頻度や量に気をつけながら、野菜やきのこ類、青魚、そして乳製品を日々の食事に上手に取り入れていただければと思います。

血圧を下げる飲み物も参考になさってくださいね。

それでは、当記事があなたの血圧対策に役立つことを願っています。

■教えてくれたのは・・・

シンクヘルスブログ編集部

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マインドフルネスなど幅広い健康情報について、管理栄養士や臨床心理士、運動指導士などの専門家陣が確かな根拠をもとに執筆している。


 
 

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