トマトジュースを飲みすぎるとどうなる?メリット、デメリットをそれぞれ解説
2024/04/28
「高血圧にはトマトジュースがいいって聞いたから毎日飲んでいる」
トマトジュースを飲むだけなら、手軽で毎日の生活に取り入れやすいですよね。高血圧の気になる方の中には、実践されている方も多いでしょう。
では、なぜ高血圧にはトマトジュースがよいといわれているのでしょうか?
今回は高血圧にトマトジュースが効くといわれる理由について、わかりやすくお伝えします。毎日どれぐらい飲むとよいのかも解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
教えてくれたのは: シンクヘルスブログ編集部
糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マイン...
なぜ高血圧にトマトジュースが効くといわれているのか
血圧が高めの方を対象とした検証で、トマトジュースを飲むと血圧が下がったと報告されているからです。
トマトジュースにはGABAというアミノ酸が含まれます。実は、GABAの血圧を下げる効果は完全に解明されているわけではありません。そのため、現段階ではGABAが交感神経の働きを抑えることで、血管の収縮と血圧が抑えられると考えられています。
GABAは私たちの体の中で神経伝達物質(※)として、脳の興奮を鎮め精神を安定させる役割があります。
(※)神経細胞から他の細胞へ情報を伝える物質のこと
私たちはストレス状態に陥ると、脳を中心に興奮が高まります。GABAは興奮を抑えストレス状態の緩和をするといわれているのです。
●ダイエットにもいいの?
トマトジュースは一般的な食品と比べてカロリー・糖質ともに高くはないので、ダイエット中に飲んでもよいです。
また京都大学の研究で、トマトから13-oxo-ODAという血中中性脂肪改善に効果の期待できる成分が発見されたことから、ダイエットによいといわれているようです。
ただしこの研究は、肥満・糖尿病の動物を対象としたものなので、現段階で人においての効果はわかっていません。
●コレステロールを下げる可能性も
高血圧の方を対象とした研究においてトマトジュースを飲むことで、血中総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値が下がったとの報告があります。
またトマトジュースには、リコピンという赤色の色素が含まれます。リコピンは強い抗酸化作用をもち、生活習慣病を予防する働きも。リコピンを継続して摂取すると、HDL(善玉)コレステロールが増えたことを確認した、という報告もあるようです。
コレステロール値はただ下げるだけでなく、LDLコレステロール値とHDLコレステロール値のバランスが大切です。トマトジュースを飲むことで、コレステロール値のバランスを整える助けになるかもしれませんね。
トマトジュースを毎日たくさん飲むデメリット
健康によいとはいえトマトジュースを毎日飲みすぎると、カロリーオーバーや塩分の摂りすぎにつながるデメリットもあります。
●カロリーオーバー
1日に何杯もトマトジュースを飲むと、カロリーオーバーにつながる可能性があります。トマトジュースのカロリーは1杯おおよそ40kcalと高くはないものの、何杯も飲めば話は別です。
高血圧を引き起こす原因の1つは肥満です。毎日カロリーを摂りすぎればもちろん体重は増え、肥満へとつながります。
トマトジュースを飲むことは、あくまで補助にすぎません。高血圧を改善したいときは、基本的な生活習慣を整えることが1番大切ですよ。
●塩分の摂りすぎ
トマトジュースには塩分の入った有塩タイプと、塩分の入っていない無塩タイプがあります。
高血圧の方は塩分量が気になるので、無塩タイプを選びたいところです。ところが飲みやすさや味の好みで、有塩タイプを選びたい方もいらっしゃるでしょう。
参考までに、有塩タイプのトマトジュースは1杯200mlあたり0.6gの塩分が含まれます。1日に何杯も有塩タイプのトマトジュースを飲むと、高血圧によくないとわかりますね。
【高血圧の方向け】トマトジュースの飲み方
高血圧の改善を期待してトマトジュースを飲む方は、できるだけ効果的に飲みたいですよね。そこで、4つのポイントをお伝えいたします。
①選び方
1番おすすめしたいのは、無塩タイプのものです。
血圧を上げる原因の1つは塩分の摂りすぎです。そのため、高血圧を改善するには適度な塩分摂取量を心がける必要があります。高血圧症の方は、1日の塩分摂取量6g未満が目標です。
日本人は醤油やみそなどの調味料をはじめ、漬物や麺類といった塩分の多い食事を好むといわれています。令和元年の国民健康栄養調査によると、1日の平均塩分摂取量は成人で10.1gです。
そこでトマトジュース以外の食事から塩分を摂取すると考えれば、無塩タイプがよいでしょう。
くり返しになりますが有塩のトマトジュースを飲むと、1杯200mlあたり0.6gの塩分を摂取することになります。もし、有塩タイプのトマトジュースを飲む場合はご自身が1日に摂ってよい塩分量の中で調整してくださいね。
なお低塩タイプのトマトジュースも販売されていますが、商品によって塩分量が異なります。パッケージの成分表示で、塩分量の確認をするとよいですよ。
②量
無塩タイプ有塩タイプ問わず、トマトジュースは1日200ml程度がよいでしょう。
有塩タイプは適度な塩分摂取量の観点から、200ml程度がよいといえます。
さらにトマトジュースはカロリー・糖質ともに高くはないものの、普段の食生活にプラスして飲むとカロリーや糖質を摂りすぎる可能性も。
参考までにトマトジュース1杯(200ml)のカロリー・糖質・塩分量を表にまとめました。
【トマトジュース1杯(200ml)のカロリー・糖質・塩分量】
■無塩タイプ
カロリー:37kcal
糖質 :6.6g
塩分 :0g
■有塩タイプ
カロリー:31kcal
糖質 :6.6g
塩分 :0.6g
*トマトジュース200ml=206gで計算
*糖質は差引法による利用可能炭水化物を記載
③飲むタイミング
とくに決まったタイミングはありませんが、15時ごろの間食に飲むのがおすすめです。
GABAは夕方に摂取すると睡眠によいといわれています。睡眠不足は高血圧のリスクを高めるため、質のよい睡眠のために、夕方にGABAの含まれたトマトジュースを飲むといいでしょう。
また甘いお菓子などの代わりにトマトジュースを飲むと、カロリーや糖質の摂りすぎを防ぎ肥満防止になります。肥満も高血圧のリスクとなるため、一石二鳥ですね。
ちなみにリコピンの働きを活かしたいのであれば、朝トマトジュースを飲むとよいといわれています。
④続ける期間
トマトジュースはどのくらい飲み続けるとよいか言い切ることはできませんが、まずは1~2ヶ月程度様子をみるとよいでしょう。
とはいえ、トマトジュースはあくまで食品です。飲むだけで、すぐ目に見える効果が得られるわけではありません。
高血圧は、日々の生活習慣や病院で処方された薬の服用で改善していくのが基本です。基本的な治療をおこないつつ、補助的にトマトジュースを活用してくださいね。
なおトマトジュースが体質に合わず、腹痛などを起こす可能性もあります。その場合は、目安期間にかかわらず飲むのを辞めましょう。
まとめ
高血圧にトマトジュースがよいといわれるのは、トマトジュースに含まれるアミノ酸であるGABAの効能が関係しているとわかりました。
GABAが高めの血圧を下げるメカニズムは、まだ解明されていません。そのため現時点ではGABAが交感神経の働きを抑える働きによって、血圧が下がると考えられています。
とはいえ高血圧の治療の基本は、生活習慣の改善や医師が処方する薬の服用です。トマトジュースはあくまで補助として、活用してくださいね。
それでは、当記事があなたの生活習慣を改善する手助けになれば、うれしいです。