日本食品の海苔は、海苔を乾燥させます。

「海苔」を食べすぎるとどうなる?知っておきたい海苔のメリット&デメリット

2022/12/17

海苔に含まれる栄養素には、健康に役立つ作用がある反面、とり過ぎてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、海苔の食べ方によって体にどのような悪影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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不調改善やダイエットに!海苔を食べる「メリット」

おにぎり、手巻き寿司、いそべ餅といった主食や、薬味、味噌汁、パスタなどとも相性のよい海苔は、私たち日本人にとって身近な食べ物のひとつです。

そんな海苔は、海の中で養殖されたスサビノリやアサクサノリなどの海藻を乾燥させた食品で、「海の野菜」と呼ばれるほど豊富に栄養素を含んでいます。

乾燥させただけのものを「干し海苔」、それを焦げない程度に高温短時間で焼いたものを「焼き海苔」、さらに焼き海苔に調味料で甘辛く味付けした「味付け海苔」といった種類があります。その中から、本記事では焼き海苔を中心にご紹介します。

焼き海苔1枚(3g:約21cm×約19cm)に含まれている栄養素の中で、とくに多く摂ることができる主な栄養素は次の通り。

・ビタミンB12
・ヨウ素
・ビタミンK
・葉酸

なかでも、とくにビタミンB12が多く、1日の成人の推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす量)の70%ほど含んでいます。

ビタミンB12の主な働きは、正常な赤血球をつくったり、脳神経を正常に保つことなどがあります。また、栄養剤に含まれている成分でもあることから、眼精疲労、肩こり、神経痛の改善にも役立つといわれています。

そのほかの栄養素の働きには、

・基礎代謝の促進(子どもの場合は、成長促進)
・骨を丈夫にする
・動脈硬化や心臓病を予防する
・体のたんぱく質や細胞をつくるのを助ける

といった、健康を増進したりダイエット中には欠かせない働きがあります。

このように上手に海苔をとり入れることで、生活習慣病を予防したり、美容に役立てることができます。

甲状腺機能や便の異常も?海苔を食べすぎる「デメリット」

胃痛に悩む若い女性
maroke/gettyimages

多くのメリットが得られる海苔ですが、過剰に摂取したり体質によっては思わぬデメリットが生じることもあります……。

甲状腺の病気のリスクが高くなる

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となる栄養素ですが、適量であれば代謝を促進するなど体にメリットをもたらします。

ところが、とり過ぎてしまうと甲状腺ホルモンの合成が妨げられるなどの影響があらわれ、甲状腺機能低下症や甲状腺腫といった病気につながることが指摘されています。甲状腺機能低下症になると甲状腺ホルモンの分泌が低下し、無気力、肌の乾燥、むくみ、体重増加、便秘などを引き起こします。

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人の1日の耐用上限量(過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量)は3,000μgと設定されています。これは、焼き海苔だけで満たすためには、約47枚(142g分)に相当します。

一般的な食生活であればこれほど食べることは考えにくいですが、焼き海苔以外の海藻類(だしを含めた昆布、ひじき、めかぶを含めたわかめなど)も食べる場合は、焼き海苔を食べる量が少なくても結果的にとり過ぎてしまうことが考えられるため、注意しましょう。

なお、すでに甲状腺に異状がある人の場合、これより少量であってもリスクが高い可能性があるため、医師の指示に従ってください。

下痢など便の異常を招く

ほかの栄養素と比べるとそこまで多く含まれていませんが、海苔には食物繊維もある程度含まれています。

その食物繊維は、腸内環境を整えるなどして便秘解消に役立ちますが、こちらもとり過ぎによっては逆効果を生むことに……。

食物繊維は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維があります。そのうち、焼き海苔に多く含まれるのは水溶性食物繊維のほうです。

水溶性食物繊維は、体内で水に溶けてゲル状になり、便をやわらかくする働きも持っています。ところが、とり過ぎた場合には便の水分量が増えすぎ、下痢などの腹部症状を起こす原因になることがあるのです。

また、消化しきれずにそのまま海苔の色素が反映され、便の色が黒くなることもあるでしょう。

海苔を楽しむ量とタイミングは?

Ryzhkov/gettyimages

上記のとおり、海苔に含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。

そこでここからは、海苔を楽しむ量とタイミングについて解説していきます。

健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?

まずは、1日の推奨量に対して一番多く含まれているビタミンB12の数値に注目してみましょう。

成人の推奨量は2.4μgであるのに対し、焼き海苔1枚には1.7μg含まれることから、約1.5枚食べれば十分ということがいえます。

次に多く含まれているヨウ素は、成人の推奨量が130μg、焼き海苔1枚には63μg含まれることから、約2枚で満たせることがわかります。

これらのことから、1日に「1.5~2枚」食べるのが効果的に安心して毎日食べられる量ということができます。
なお、ビタミンB12などの水溶性ビタミンは、とり過ぎても体に長時間蓄えておくことが難しいため、1日に多く食べるよりも毎日こまめにとることが大切です。

ここで示した適量は一般的な太巻きであれば2本分、細巻きであれば4本分、寿司の軍艦巻きであれば24個に相当する焼き海苔の量となっています。

この量であれば、たとえほかの海藻類を食べるとしても、それらをよほど大量に食べるのでなければ、健康への悪影響が心配されるヨウ素や食物繊維のとり過ぎになるリスクは少ないといえるでしょう。

どのタイミングで食べるのがいい?

海苔の主な食べ方には、おにぎり、巻き寿司、いそべ餅などの料理が有名です。また、薬味、味噌汁、パスタのトッピングなどで食べられることもあります。

そのように料理の一部として食べるのであれば食べるタイミングは気にしなくてもいいですが、ダイエットに役立てたいというのであれば、焼き海苔は食前に食べることをおすすめします(食事だけでなく、間食時にも◎)。

その理由は、焼き海苔には水溶性食物繊維が含まれており、水分を吸って胃で膨らんで食べ過ぎを抑えたり、糖や脂質を吸着して排出させやすくしたり働きもあるからです。さらに、食事の最初に食物繊維をとることによって食後血糖値の上昇を抑え、食事からとった糖を脂肪として体に溜め込みにくくすることにも役立ちます。

ただし、単に食前に焼き海苔を食べることはおすすめできません。せっかく食べるのであれば、焼き海苔を少しずつ食べて一口ごとによく噛むことと、水分を少し多めにとることも意識するとよいでしょう。

噛む回数を増やすことは、脳の満腹中枢を刺激して満腹を感じやすくさせてくれ、適度な水分は水溶性食物繊維を十分に膨らませてくれることが期待できます。


正しい量さえ把握できていれば、海苔はメリットが多い食品です。海苔のメリット・デメッリトを理解し、上手にとり入れてみてくださいね。

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

参考サイト
 
 

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