今だから思い出そう!子育てで大事なこと3つ
2022/10/25
子どもといっしょにすごす日々。幸せであり、ときに悩ましくもありますね。
一生懸命育児をしているからこそ、ときどき見失ってしまうことがありませんか。
今回は子育てで大切なことを3つ、子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザーの山名美穂さんに教えてもらいました。
子どもは「自分とは別の人格」
最初から当たり前のことを書いて申し訳ないです。ちょっとだけ、おさらいしていきましょう。
ご存じのとおり、子どもは自分とは別人です。思いどおりには動きません。
保護者として大切なことは根気よく伝えるのと同時に、「言うことを聞かなくて当たり前」という気持ちも持っておくと、少し楽になります。
子育てに疲れるときって、「子どもが言うとおりに動かないとき」ではないでしょうか。片づけない、食べない、勉強しない、同じことを繰り返す…。
お気持ちはわかります。そして、片づけたり食べたりする主体は子どもですよね。自分以外の人間の言動に「こうなれ~」「こうして~」と念を送っても、エネルギーを摩耗するだけだったりもします。
子ども自身で決め、実行できることをする。まずはそれでOK!としてもらえるとうれしいです。
子育てのポリシーは「思い込み」でもある
子育てをしていくうえで、大切にしていることがそれぞれおありだと思います。
例えば
・ケンカはその日のうちに解決して、仲直りをする
・家のことは、子どもも含めた家族全員が分担して行う
・毎日、栄養バランスのとれた食事を与えたい
などなど。
経験したことのない未知の子育てにおいて、それらのポリシーは日々の指針となり、自分の支えとなる大切なものです。同時に、必ずしもそれが「正しい」わけでもありません。
上にあげた例であれば
・ケンカをしたら少し距離を置いて落ち着いてから話すべきだ
・子どもは家の手伝いより、友だちとの遊びを優先させるのが当然
・子どものうちにジャンクフードも経験させておくほうがいい
など、真逆の「正しさ」が存在しても不思議ではないですよね。
少し乱暴な言い方をすると、ポリシーや信念は「思い込み」です。あまり強固な育児方針は、子どもに受け入れられなかったときに「一生懸命やったのに!どうして受け入れてくれないの?」なんて思いになって、子どもも自分も苦しめかねません。
主体性なく迷ってばかりも疲れますが、頑固になりすぎないのも、楽に子育てをするポイントです。
ひとつひとつの教育に目的を持つ
例えば
・朝の犬の散歩は子どもの役割と決めたのに、やらない
などのお悩みをお持ちのお母さまは、少なくありません。その場合、わりに多くのかたが「どうしたら、子どもが犬の散歩にするようになるか」を考えます。
ところで、どうして子どもに「朝の犬の散歩」をさせたいのでしょうか。
恐らく、
・与えられた役割を、責任をもってやる人になって欲しい
など、散歩という「行為」を通して達成したい「目的」があるはずです。
「責任をもって行動する人」になって欲しいのであれば、役割・行為は「朝の犬の散歩」でなくてもいいのではないでしょうか。役割を「水筒は自分で洗う」「玄関の掃除をする」とかに変えても、遂行できれば問題はないですよね。
子どもは子どもなりに、朝はいそがしいのかもしれません。「朝の犬の散歩」に固執せず、責任をもって行える役割を、子どもといっしょに決め直しましょう。
朝の犬の散歩は、責任感のある人になる手段でしかありません。手段を目的にして、本当に大切にしたいことを見失わないで。
ときどき立ち返ろう「自分が当たり前ではない」
今日「子どもは親のいうことを聞いて当たり前」とお考えのかたは、少ないと思います。
しかし
・なんで言うことをきかないの?
・どうして大切なことが伝わらないの?
・なぜ決めたことができないの?
という思いに共通するのは、無意識に自分を基準としたものの見方です。
ちょっと俯瞰して見れば、必ずしもそれが正しいわけではないことにも、一生懸命になりすぎて視野が狭まっているかもしれないことにも、みなさんすぐに気づかれますよね。
・子どもは自分とは別の人格を持った人間
・自分のポリシーとは自分だけのもの。真逆のポリシーも成立する
・手段ではなく、目的が大切
ときどきそう思い出して、肩の力を抜いてもらえるといいんじゃないかなと思います。
■執筆/山名美穂…子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子育てを楽にするメソッドを発信している。
編集/サンキュ!編集部
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