100種類以上のグリーンに囲まれた暮らしをする植物のプロ、でも圧倒的な存在感で迫ってくるのは、青色。物心つく頃から好きだった青を中心に、少しずつ自分の周りに好きなものを増やしたという暮らしを教えてもらいました。
<教えてくれた人>
東京都 森田紗都姫さん
都内のマンションで夫と2人暮らし。会社員として商業施設のガーデンデザインや屋上緑化のプロジェクトに関わりながら、個人宅の庭、ベランダ、室内の植栽提案、書籍の出版など、フリーでも活動。
Satsuki Morita _ Instagram
https://www.instagram.com/yamamori_green/
好きなものはと問われたら、答えは、子どもの頃からずっと青!
植物のプロである森田さん。広いベランダと風通しの良さにこだわって見つけたマンションで、グリーンに囲まれた暮らしをしています。100種類以上は植物が並んでいるというご自宅にお邪魔すると、確かに植物が満載!でも、それよりもインパクトを持って迫ってくるのが、「青色」の存在感です。
「雑貨好きとか、本好きとか、みんな、それぞれに好きなものがあるじゃないですか?そんな感じで青が好きなんです」と森田さん。物心つく頃から、好きなものの第1位に君臨するのが青色で、これといってきっかけは思い出せないのだとか。「強いて言えば、私が育った高知の実家のそばに、仁淀ブルーと呼ばれる青さで有名な仁淀川があり、海も身近。自然も多いから、青と緑のコントラストを見て育ったからかもしれません」。まさに自宅は青と緑の対比が見事な格好いい空間です。
実は、青を取り入れているのはインテリアだけにとどまらず、なんと洋服の8割も青!以前はバランスを気にして、同じ雰囲気にならないように、いろいろな服を持ってコーディネートしていたそうですが、「今は、いつも青を着ている人です。青をまとっているとテンションが上がる。自分が幸せなら、もう青だけにしてもいいんじゃないかなと数年前に方向転換しました」。
周囲に合わせて、いろいろなバランスを取らなければと、つい考えてしまいがちですが、森田さんは自分の好きなものだけに囲まれる暮らしをつくろうと決めたのだそう。だから毎日青い服を着ていても良し!青が好きなのだから、インテリアも青!必然的に家に置くものは青に似合うものだけだから、黒、茶が多くなったと言います。ちょっと極端でも、ときめくものだけを自分の周りに集めて、好きではないものは少しずつ減らす。「すると迷いが減ってラクになりました。選択肢が多いのはいいことのように思われますが、実は迷いを増やすからストレスの原因でもあるんですよね」。
例えば仕事。個人のお客さまのガーデンセンターでの買い物にも同行するし、専門学校で教える仕事も受ける。これは好きだから。一方、家事は極力やらない方法を考える。これは好きじゃないから。植物は大好きだけれど、実は管理は苦手だから、水やり頻度が少なくていい植物に限定して集めたり、水やりしやすい動線を作るといった具合に好きは諦めずに、苦手を手放す。あれもこれもバランスよくではなく、好きなものを選び、苦手なものは遠ざけるべく、知恵を絞る。「そうやってちょっとずつ自分の周りに好きなものを増やしていったら、どんどん心地いい暮らしになり、幸せだなって感じることが増えました」。
#住まいはリゾートホテル風
ベランダの広さは56平米と室内よりも広く、友人たちがくつろぎに来ることもあるのだとか。植物の鉢もハンモックも青です!鉢は自分でペイントしました。
#ずぼらでも管理がしやすい動線
植物を100種以上育てている人がずぼらなんて信じられませんが、月に数回水やりをすればいい植物がほとんどで、水やり動線も短く工夫しているそう。
#光によって色が変わる青の壁
キッチンと書棚の壁はリノベ時にブルーに。「海みたいな深い青」というリクエストをしてつくってもらった色。時間によって色が変わって見えます。
#置物ではありません
かわいがっているカメレオンも、なんと青!「夫が絶対飼うと。トゥルーブルーという種なんですが、この色は私にとっては緑なんです(笑)」。
#青い服が8割
仕事中ちょっと眠くなったらコーヒーを持ってベランダへ。こんな家なら、コロナ禍のステイホームでもストレス知らず。朝食を外でとることも。
参照:『サンキュ!』2022年6月号「わたしのHAPPYのつくりかた」より。掲載している情報は2022年4月現在のものです。photo:mina soma text:kyoko kato 編集/サンキュ!編集部