過去に執着せず、勝てそうな道へ。動画再生数1億超えのバレリーナ芸人が断捨離したもの【やましたひでこ先生の断捨離(R)トーク】

2023/04/23

やましたひでこ先生が断捨離しているゲストをお迎え!YouTube再生回数1.4億・バレリーナ芸人で吉本新喜劇女優の松浦景子さん。笑いとバレエという独自すぎる道を華麗に舞う松浦さんが断捨離したものは?

断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から...

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スパルタの母の下バレエ一筋のはずが、まさかの芸人に転向

バレエではトップになれないから、「笑い」を足したんです。

ひでこ:松浦さんは3歳でバレエを始めたそうだけど、お母さまがかなりのスパルタだったとか。
松浦:母は私と3歳上の姉を「絶対にバレリーナに育てる!」と一心不乱で、メチャクチャ厳しかったです。「食べると太る家系だから」と炭水化物は一切禁止。家には炊飯器がありませんでした。中学時代のお弁当は毎日、味のない寒天だけ!
ひでこ:うわ…育ち盛りの時期にキツかったでしょう?
松浦:父がときどき母に隠れて食べさせてくれる袋入りの菓子パンが「命の水」みたいでした(笑)。
ひでこ:その後、芸術系の大学の舞踊コースに首席で入学したにもかかわらず、21歳で芸人になったのはどうして?
松浦:父がお笑い好きで、母もお笑い番組を観ることだけは許してくれていて。私も人を笑わせるのが得意な目立ちたがり屋だったので、お笑いの世界への憧れはありました。バレエは成績こそよかったものの、プロとしてトップに立てる実力も才能もない。とはいえ、バレエ以外のことは何一つやってこなかったから、将来どうしたらいいか悩み始めて…。そんなときに父が急に病死して、たまたまその1週間後に吉本新喜劇のオーディションがあり、母が「受けたら?」と背中を押してくれたんです。
ひでこ:え!?お母さまがまさかの「バレエを断捨離」!?
松浦:母は父の死に直面し、「人生何があるかわからない。好きなことをやらせよう」と気持ちが変化したのだと思います。私も自分に行き詰まりを感じていただけに、これはもう勢いで応募するしかない!と。

ネガティブな感情は3秒で断捨離して、新たな原動力に変える

こうして唯一無二のバレリーナ芸人が誕生したのね。

ひでこ:それで合格して、バレリーナ芸人が誕生した、と。
松浦:「私はバレリーナ芸人ですっ!」と自信満々にハッタリをかまして自分を奮い立たせて、あとは死に物狂いで笑いをとる。その連続です(笑)。
ひでこ:ハッタリは大事よ。自信がなくても笑顔で引き受けて、本番で自分をそのレベルにまで強引に高めてつじつまを合わせる。私はそれを繰り返してきたわ。
松浦:同じくです!仮に自信がなくて依頼を断ったとして、その仕事をほかの誰かがやっているのを見たら悔しいじゃないですか。私、負けず嫌いなんです。バレエを始めた瞬間から天才肌の姉と比べられて、それから常に競争の世界にいたので…。今いる芸能界はさらに熾烈な社会。ときには理不尽な扱いを受けて凹むこともあるけれど、3秒後には「いつか見返すぞ!」って思い直して、新たな原動力にしています。
ひでこ:その切り替えの早さ、素晴らしい!子どものころからハードな環境で育ってきた松浦さんにとっては、我慢や悔しさをバネにすることが、サバイバルの手段だったのかもね。
松浦:切り替えは昔から早かったかも。大学時代、バレエ科に実力もルックスも自分より上回っている子が現れたときは「これはかなわない」と即座に頭をスイッチ。バレエでトップを狙うのをやめて、クラスのみんなを笑わせるムードメーカーとしてトップの地位を確立しました(笑)。
ひでこ:さすが!勝ち目がないことにしがみつくのか、別の道に進むかは自分次第。どんなできごとも次の瞬間には「過去」になっているのだから、過去に執着せず、「今・ここ」で「自分」がどうすればサバイブできるかを考える。そして、選んだ道に進む。松浦さんは断捨離的な発想と行動をご自身の経験から体得し、実践し続けている。あっぱれだわ。

人はものを買うことで、自分の心の寂しさやコンプレックスを埋めている

松浦:ところで今日はひでこ先生にご相談が。私はものを断捨離しすぎて、心の中が空っぽになることがあるんです。どうしたらいいでしょうか?
ひでこ:あのね、人はものを買うことで、自分の心の寂しさやコンプレックスを埋めているの。だからものを取り除くと、そのぶん心に穴が開くわけ。
松浦:わ、ドキッとする話。
ひでこ:このときに大切なのは、「私はもので心の穴を埋めていたんだ」と気づいて、自分を受け容れること。
松浦:「心に穴が開いていてもいいんだよ」と自分に言ってあげる、ってことですか?
ひでこ:そう!友人を励ますように、自分を優しく励ます。すると自己肯定感が高まって、やがて心が豊かさで満ちていくはずよ。
松浦:なるほど!そういえば私、断捨離するときは必ず一人二役で「断捨離ごっこ」をするんです。「これとこれ、どっちがいいですか?」「こっちです」「でもこれ、全然着てませんよね? 」とか(笑)。すると、ものを客観的に見られるから、めっちゃスムーズに断捨離できます。
ひでこ:それは目からウロコ!自分が自分の断捨離トレーナーになるわけね。
松浦:これからは「断捨離ごっこ」の最後に、必ず自分を褒めてあげるようにします♪
ひでこ:ぜひ。私も断捨離するときは常に頭のなかで自分に語りかけてきたけど、これからは声に出してみようかしらね。すてきなアイデアをありがとう!『サンキュ!』読者のみなさんにも、松浦さん流の「断捨離ごっこ」、おすすめですよ!

<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日『ウチ、"断捨離"しました!』(毎週火曜夜9時)にレギュラー出演中。最新刊はベネッセコーポレーション『サンキュ!』のムック『人生が面白くなる断捨離』!

・まつうらけいこ(けっけ)さん
バレリーナ芸人。1994年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学の舞踊コースに首席で入学。2015年、吉本興業「金の卵8個目オーディション」に合格し、吉本新喜劇入団。同年、全国クラシックバレエコンクール優勝。You Tube『けっけちゃんねる』を運営。著書『松浦景子のバレエあるある』(マキノ出版)の第2弾を今年発売予定。

参照:『サンキュ!』2023年5月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年3月現在のものです。撮影/久富健太郎(SPTNIK) ヘア・メイク/Hachi(ひでこ先生) 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

人生が面白くなる断捨離(R) (ベネッセ・ムック)

 
 

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