「もしも売れなかったらカッコ悪い」という見栄も、彼氏からのプロボーズも断捨離!平野ノラさんの断捨離ストーリー

2024/12/11

ひでこ先生のご自宅に毎月大物ゲストを迎え、縦横無尽の断捨離(R)トークをお届けして4年。『サンキュ!』が誇る人気連載が、なんと最終回!大トリを飾るのは、芸能界きっての断捨離マスター・平野ノラさん。「断捨離で人生を切り拓いている人のお手本ね」と、ひでこ先生のトークもキレッキレ!

お笑いタレント。1978年、東京生まれ。31歳でお笑いの道を本格的に志し、36歳でバブリーキャラでブレイク。...

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断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から...

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人生が面白くなる断捨離®

見栄もプロポーズも断捨離して芸人に

ひでこ:最終回のゲストは第1回に登場くださったノラさん。既に一流のダンシャリアンですが、これまでの人生で最大の断捨離は?
ノラ: 31歳で芸人を目指す覚悟を決めたときに、それまでの仕事も生き方も彼氏も全部捨てたことですね。
ひでこ:全部!あっぱれです。
ノラ:もともとお笑いの道を目指していたけれど、25歳で挫折。その後は天職を探して、あらゆることにトライしました。正社員、派遣社員、アルバイト、彼氏に養ってもらう立場。それから宅建(宅地建物取引士)の資格を取ってみたり、タイマッサージの先生を目指したり。でもどれもしっくりこず、自信を失うばかりで。
ひでこ:迷走していたのね。
ノラ:ハイ。最終的には昼夜逆転の引きこもり生活に。物があふれた汚部屋で自己嫌悪に陥っていたときにたまたま片づけの本に出合って、変わりたい一心で物を捨て始めました。そのとき、私に必要なのは立場や肩書きで外側を固めて不安をごまかすことではなく、自分の内面と向き合うことだと気づきました。
ひでこ:家の中の状態は実は頭の中の状態を反映しているのよね。逆もまた然り。物を捨てて部屋がスッキリすると、頭の中も余計な思考が消えて本当の自分が見えてくるんです。
ノラ:私の場合、物を捨てて見えてきたのは、「芸人になりたい」という本心。「本音を無視し続けたままじゃ自分がかわいそう。死んでも死に切れない!」と思いました。それで「もしも売れなかったらカッコ悪い」という見栄も、彼氏からのプロボーズも断捨離して、「成功するかしないかはどうでもいい。とにかくやる」とお笑いの世界に再び挑んだんです。
ひでこ:私たちはやる前に「できるかできないか」を考えてしまいがち。でも、できるかどうかなんてやってみないと分からないのだから、やる前に悩むのはナンセンス。やってみることが重要だし、その背中を押してくれるのが退路を断つこと、つまり断捨離なんです。すべてを捨てたおかげで芸人としてブレイクし、公私ともに幸せを手に入れたノラさんはダンシャリアンの鑑(かがみ)だわ。

「今が大事」と我が子が教えてくれた

ひでこ:今は3歳の娘さんの子育てと仕事の両立で、忙しい毎日ね。
ノラ:子育てで日々驚かされるのが、子どもの変化は早いということ。服はすぐにサイズアウトするし、おもちゃもあっという間に飽きちゃう。子どもの成長から「今が大事」ってことをリアルに学ばされます。
ひでこ:人間関係と同じく、人と物との関係性も常に変化するものだけれど、幼い子の時間の流れは特に早いわよね。子どもにとって今は大事な物も、この先もずっと大事とは限らない。だから、今をいちばんいい物で満たしてあげることが重要。
ノラ:不要になった娘の服やグッズを必要な人に譲るのは我が家の習慣です。誰かが使ってくれるって、うれしいものですし。娘にも「これは赤ちゃん用だからもういらないね。〇〇ちゃんにあげようか」と話すと、納得して受け容れてくれます。もちろん毎回すんなり理解してくれるわけではないし、根気よく向き合わなくてはならないこともありますけどね。

趣味じゃないカートが重宝する理由

ひでこ:断捨離は一日にして成らず。大人だってさんざん練習してようやく少しずつできるようになるのだから当然よ。私もまだまだ修行の身ですしね。
ノラ:ひでこ先生でも?たしかに断捨離にゴールはないと思ってますが……。
ひでこ:私は今年から生活と仕事の拠点が5つに増えて、東京暮らしを限りなく断捨離中。以前は物を愛でる気持ちもあったけど、最近は住空間をコンパクトにしていることもあり、物への執着がどんどん減ってきているの。これって年齢的には都合がいいことで、なぜなら人間は年を重ねると脳の認知機能が低下するから、たくさんの物を管理するのは負担が大きいのよね。
ノラ:それを言うなら私は45歳ですけど、仕事と子育てに追われて、出産前と同じようには物を管理できないです。
ひでこ:バタバタで物にかまっている暇なんてないでしょ?
ノラ:ないですっ!以前はおしゃれな家具にこだわっていたけど、今は利便性を優先。子どもの物入れとして、今までなら選ばない見た目のワゴンが重宝してます(苦笑)。でも、そういう変化も面白いなって。
ひでこ:人間は一生変化し続ける生き物。ステージが変わるたびに、今の自分にふさわしい物・人・空間を選んでいくことこそ、豊かな人生といえるんじゃないかしら。

断捨離が人生の新たな扉を開く

ノラ:私は断捨離のおかげで救われたし、断捨離は人生を導いてくれるものだと思っています。道に迷ったときはあれこれ思い悩むのではなく、とりあえず不要な物を捨てる。すると、必ず答えが出てくるんです。
ひでこ:その通り。断捨離を続けていると、思った以上のことが起こるどころか、想像すらしなかったことが起こる。私はまさか自分がテレビのレギュラー番組(BS朝日『ウチ、“断捨離”しました!』)をもつなんて思ってもいなかったもの。
ノラ:私も芸人を目指した時点で、自分が結婚や出産を経験するなんて思いもよらなかったです。いま「目標がない」と悩んでいる人には、むしろ目標を立てずに、ひたすら断捨離することをおすすめしたいな。
ひでこ:まさしく! 断捨離は人生の新たな扉を開くもの。「まずは一つ捨ててみる」ことから始まる、大いなる旅を楽しんでいただきたいわね。

芸人への道、結婚、出産etc.断捨離が人生を後押ししてくれた。――平野

断捨離で自分の内面と向き合えば私たちは間違いなく幸せになれる!――ひでこ


<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。レギュラー出演中のBS朝日『ウチ、“断捨離”しました!』(毎週火曜夜9時)は放映200回を突破!

・平野ノラさん
お笑いタレント。1978年、東京生まれ。31歳でお笑いの道を本格的に志し、36歳でバブリーキャラでブレイク。結婚後、42歳で女の子の母に。断捨離がライフワークで著書に『部屋を片付けたら人生のミラーボールが輝きだした。』(KADOKAWA)。日本バレーボール協会評議員。

参照:『サンキュ!』2024年12月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2024年10月現在のものです。撮影/久富健太郎 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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