【君島十和子さん】コロナ自粛中に家じゅうを断捨離。ここから人生が好転し始めました。

2023/06/13

1966年5月30日生まれ。50代も半ばを過ぎ、「アラ還」となった君島十和子さん。メディアでは美容家として、さらには自身が開発に携わるコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして華やかな存在感を放ちながら、インスタライブではすっぴんを無加工で披露し、自身のエイジングについても率直に語ります。ゴージャスなのに飾らない。そんな十和子さんのターニングポイントは、コロナ禍の断捨離でした。

「ありのままの私を発信しよう」と思ったのは、断捨離がきっかけ

――今年4月に発売された著書『アラ還十和子』(講談社刊)、売れ行き絶好調だそうですね。この本では十和子さんの美しさの秘密がまるごと明かされているだけでなく、ときには過去の苦悩や葛藤、失敗談も包み隠さず描かれていて親近感が湧きました。そもそも、十和子さんが今回の出版に至ったきっかけは、断捨離を行ったことだったそうですね。

【十和子さん】そうなんです。今から3年前のゴールデンウィークに、衣類や小物でパンパンだったクローゼットの断捨離に思い切って着手しました。ここで弾みがついて、冷蔵庫の中身や化粧品、本なども次々と断捨離。すると、家がスッキリ片づいてきたうれしさもあって、自宅でYouTubeのための撮影を行い、おすすめの美容法や私のふだんのライフスタイルを積極的に発信するようになりました。

YouTubeを観てくださる方が日に日に増え、それがテレビ出演への糸口となり、さらにその番組を観てくださった編集者の方がお声がけくださって、今回、7年ぶりに著書を出版させていただくことになりました。断捨離のおかげで、素晴らしい流れをいただいたと実感しています。

――十和子さんの初めての断捨離が3年前。コロナ禍が始まった年ですね。

【十和子さん】はい。実はもともと断捨離にはとても興味があって、断捨離®提唱者のやましたひでこ先生の著書を何冊も読み込んでいました。ですが、なかなか行動に移せなくて……。コロナ禍で家にこもる生活になり、自分に向き合うようになりました。そのときに、「本当の豊かさってなんだろう?」と考え始め、家にあふれている物に向き合いたくなりました。私は物を持ち過ぎているせいで気持ちやフットワークが重たくなっているのかも……?と気づき、まずは私のクローゼットを断捨離しました。

「もっと早く断捨離すればよかった!」と思いました。使っていない物を手放して物理的な空間が増えると、脳の空き容量が増えたみたいに、新しいことをどんどん吸収できるようになったのです。そこで、今までなかった発想も次々沸いてきました。インスタグラムでの発信もそうですね。「1つ手放すと、1ついいことが入ってくる」とやましたひでこ先生がおっしゃっていますが、まさにそう。ここからはもう、断捨離に夢中になりました。今はすっかり、断捨離が習慣になっています。

――十和子さん流の断捨離のコツを教えてください。

【十和子さん】これから断捨離を始めるという人におすすめしたいのは、まずは冷蔵庫の中身に着手すること。どれも賞味期限が決まっているので、捨てるか否かの判断がつきやすいので。慣れてきたら、クローゼットや収納の中身などにトライしていくといいと思います。

年を重ねた分だけ伝えたいことが増えるから、リタイアはしない

――『アラ還十和子』のなかでは、「リタイアなんて考えられない」と語っていたのも印象的でした。十和子さんの美容の仕事への情熱を感じます。

【十和子さん】私が美容の仕事を始めたのは、日焼けざんまいだった20代のころに肌がボロボロになり、正しい美容の知識を身につけることの大切さを実感したのがきっかけでした。それから30代、40代、50代と、自分の肌や身体に起こる変化に向き合い、その年齢の人にとってどんな美容法が最適なのかを検証しながら、FTCのスキンケアアイテムを作り続けてきました。

――ご自身の経験が、そのまま仕事に結びついたんですね。

【十和子さん】私が20代のころはインターネットなんて便利な物はなく、どうにか肌トラブルを治そうと手当たりしだいにスキンケアアイテムを試していたら、やりすぎて状態がさらに悪化してしまったんです。私のような苦労はみなさんにはしてほしくないという一心でFTCの製品を開発してきましたが、今は物も情報もあふれすぎていて、何を選んだらいいのかわからないという、当時とはまた別の面で苦労する時代になってしまいました。

そこで私は、よい製品を生み出すだけでなく、どんな人が何を選んでどう使ったらいいのかをお伝えするという役割も、この先ずっとまっとうしていきたいと考えているんです。年齢を重ねて、経験を積めば積むほど、お伝えできることは増えていきますしね。

忙しいママでも超簡単! 寝る前の「暗闇ラジオ体操」でメンテナンス

――リタイアするどころか、今後はやるべきことがますます増えていきそうですね。『サンキュ!』読者には子育て中のママが多く、なかなか美容に手間もお金もかけられないという悩みをよく聞きます。ぜひアドバイスをお願いしたいです。

【十和子さん】よく「何を塗ればいいの?」と聞かれますが、まずは正しいクレンジングと洗顔を行うのがスキンケアの入り口。私の公式YouTubeチャンネルで洗顔の手順を紹介していますので、よかったらぜひご覧ください。それから、年を重ねると、肌や身体にうれしくない変化も出てきますよね。でも、そのうれしくない変化こそ、大事なサイン。例えば、白髪一本にしても、「イヤだわぁ」なんて抜いてしまうのと、「生えてきた部分の血流が悪くなっていることを白髪が教えてくれているのかも?」と向き合ってみるのとでは、違う未来が待っていると思いますよ。

――年齢を重ねたことによる変化からも目を反らさず、自分の状態やライフスタイルを見直すチャンスと前向きにとらえることが、美と健康の秘訣ということですね。

【十和子さん】それと、今回の著書でも紹介したのですが、「暗闇ラジオ体操」はまだお子さんが小さいママにもすごくおすすめです。子どもを寝かしつけたあと、電気を消した真っ暗な部屋のなかで、無音でラジオ体操をするんです。目や耳からの情報が入ってこないぶん、自分の身体に意識を向けやすくなるので、その日の体調や身体のコリ具合がよくわかります。汗をかかない程度の運動量で血流がよくなるので、その後の睡眠の質も上がりますよ。

――さっそく試してみます。今日はありがとうございました。

アラ還十和子

『アラ還十和子』/講談社 著:君島 十和子 定価:1,760円(本体1,600円)

たとえケンカをしていても、ごはんを食べるときはみんなで「いただきます!」と言うのが君島家のルール。

撮影/久富健太郎 スタイリスト/青木宏予 ヘア・メイク/古根壮記(アリーザ) 取材・文/志村香織

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND