《ひでこの部屋 ゲスト:君島十和子さん》「こう見られたい」という欲を捨て、ありのままの自分を発信

2023/08/26

50代も半ばを過ぎ、ますます輝きを増す君島十和子さんが今月のゲスト。すっぴんを惜しみなく披露したインスタライブをおうちから配信したり、美の秘密を飾らずに明かした著書『アラ還十和子』を発表したり……セレブ&ゴージャスなイメージからは意外な挑戦のきっかけは、クローゼットの「大断捨離」だったそう…… !

「FTC」クリエイティブディレクター。美容術などを配信するYouTube『君島十和子チャンネル』、等身大の自...

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断捨離(R) 提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」か...

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服を雑に扱うのは、自分を大切にしていないのと同じ?

ひでこ:十和子さんは2年前に平野ノラさんとYouTube番組で断捨離に挑戦していましたね。断捨離はあれが初めて?
十和子:いえ。実はその1年前、コロナ禍が始まった年のGWに「断捨離しよう!」と決めて、クローゼットに三日三晩かけて立ち向かったのが初の断捨離でした。
ひでこ:立ち向かった……ということは、それほどの量だったのかしら?
十和子:もう、ギッシリです。それまで断捨離イコール収納だと思い込み、「物が多くても整然と収納されていればOK!」と勘違いしていて。ところが、ひでこ先生のご本を何冊も拝読し、自分の考えが根本から間違っていたことに気がつきました。
ひでこ:おっしゃる通り。断捨離とは、物や空間、自分と向き合い、過剰な物を引き算して、今の自分にふさわしい物だけを残すレッスンですから。
十和子:その視点でクローゼットと向き合ったら、「私は服の価値に見合った扱いをしていない……」と愕然として。「これは自分を大切に扱っていないのと同じ」と反省したのが、断捨離に挑んだきっかけです。
ひでこ:服は私たちを包み込むもの。クローゼットにぎゅうぎゅうに押し込まれた服には淀んだ「気」が沁みつき、着るたびに自分が淀んだ「気」をまとうことになる。そもそも、ぞんざいに扱われている服は不憫よね。

断捨離しているとトンネルの向こうに光が見えてくる

十和子:ちょうどその頃、コロナの影響で世の中の価値観が大きく変わり始めたのを肌で感じまして。たとえば私が手掛けている化粧品の世界もそう。これからは品質だけでなく、背後に哲学や物語のある物が求められるようになる、と。ならば私は、今後どんなふうに美容の世界に貢献していけばいいのか。自分の役割を見つめ直したいと思ったとき、ふと断捨離を思い出したんです。
ひでこ:面白いものでね、人間って本気で「変わりたい!」と思うと、断捨離に出会うんですよ。そして、ひたすら断捨離していると、トンネルの向こうに出口の光が見えてくる。
十和子:まさしく。私も断捨離した結果、思わぬ方向から光が差してきました。家が片づいたおかげで、自宅でYouTube番組を撮影しようという発想が生まれて。普段の美容法やライフスタイルなど、今の私の姿をどんどん発信していたら、テレビ番組出演のオファーが舞い込み、さらには7年ぶりに本(『アラ還十和子』)を出版することになって。「こう見られたい」という欲を捨て、ありのままの自分を発信するようになったのが、大きなターニングポイントになりました。今は"産直十和子"をお届けするのがすごく楽しいです。
ひでこ:産直とは言い得て妙!初めての断捨離から丸3年で大きく飛躍されましたが、ご自身がプロデュースしているスキンケアブランド「FTC」の物づくりにも変化は表れましたか?
十和子:はい。以前は新商品の開発中に「発売予定日に間に合わないかも」と焦ることもあったのですが、今はたとえ発売を遅らせてでも、心底納得できる物ができるまで突き詰める、という方針に変わりました。
ひでこ:断捨離を続けていくと、不要な物とともに迷いや不安がそぎ落とされて、本来のその人らしさが際立ってきます。探究心とブレない心は、十和子さんが誇るべき個性ね。
十和子:そうかもしれません。本気でおすすめできる製品を開発するには、信念と判断力が問われます。自分がブレていたら、いい物は絶対に作れませんので。この3年の経験から、断捨離をしていれば世の中にあふれる情報に振り回されなくなるということがわかったので、これからも断捨離を一生続けていきます!
ひでこ:きゃ~、最高の宣言!(拍手)

今、手元にある物が、自分を高めてくれる

十和子:断捨離は美容と同じで、終わりなき旅ですね。私たちは年を重ねるごとに肌も身体も、気持ちも変化する。すると、自分に合う物も美容法も変わるから、常に自分と向き合い、最適な答えを見つけていかなくてはならない。
ひでこ:しかも断捨離の場合、難易度が上がっていく。放置していた物は捨てやすいけど、次には「せっかく買ったから」「いつか使うかも」という"未練グッズ"の壁が立ちはだかり、その先には「思い出の品」「大好きだけど今は使っていない物」という"執着グッズ"が現れる。
十和子:あ!今まさに"執着グッズ"と格闘中です。大好きなドレスがあるのですが、1回着たあとはコロナの影響で着る機会がなくなって、最近はそのドレスを毎日眺めては、このまま持っているか手放すべきかを自分に問いかけています……。
ひでこ:手放すのが嫌なら、ドレスに出番をつくってあげてはどうかしら?
十和子:なるほど。しかも、出番を待つのではなく、私自身がつくる?
ひでこ:正解。さすがだわ。実は私も最近、素敵な着物を買ったの。そのとき、「この着物にふさわしいパーティーに呼ばれるように頑張ろう」というビジョンを描いたのね。そんな心構えが、理想的な現実を引き寄せることにもなるんですよ。
十和子:物が自分を引き上げてくれるんですね。
ひでこ:その通り。十和子さんもそのドレスで、ぜひ試してみてくださいね。

<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日『ウチ、"断捨離"しました!』(毎週火曜日夜9時)にレギュラー出演。『サンキュ!』と作った最新ムック「人生が面白くなる断捨離」大好評発売中。

・君島十和子(とわこ)さん
FTCクリエイティブ・ディレクター、美容家。1966年、東京生まれ。モデルや女優として活躍したのち、結婚を機に芸能界を引退。子育てと並行し、2004年、自身がプロデュースするスキンケアブランド「FTC」をスタート。等身大の自らを綴った最新刊『アラ還十和子』(講談社)が話題に。

参照:『サンキュ!』2023年9月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。撮影/久富健太郎 スタイリスト(十和子さん)/青木宏予 ヘア・メイク(十和子さん)/古根壮記(アリーザ)、(ひでこ先生)/Hachi 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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