松本明子さんが『捨てられる人』になれた理由~ひでこの部屋 スペシャル 

2023/06/15

やましたひでこ先生のご自宅(本物)で、断捨離トーク!スペシャル編となる今月のゲストは、実家じまいと家財・遺品整理という人生最大の「捨て活」を経験した松本明子さん。果たして松本さんは、「捨てられる人」になったのでしょうか?

売れてますー!

家を延々持ち続ける。そんな価値観、そろそろ捨てましょ

ひでこ:松本さんはズルズルと先送りにした「実家じまい」で気づいたら1800万円使ったと。他人事とは思えない人多そうですね。
松本:私はもともと断捨離が苦手な性分でして。それで思い切れず実家を空き家のまま25年も持ち続けてしまったんです。芸能界でもケチで通していたのに、痛過ぎる出費でした。
ひでこ:おいたわしい。そもそも、ご両親が亡くなったあとも実家を維持する必要はあったのかしら?
松本:いいえ……もっと早くに手放すべきでした。ただ、実家は父の念願のマイホームでしたし、家族の思い出がたくさん詰まっていて、処分するなんてしのびないという気持ちはありました。父の「実家を頼む」という遺言も重圧でしたね。
ひでこ:「不動産」って「不動」という言葉のイメージが強いからか、愛着や執着が湧きやすいんですよ。でもね、しょせん建物、つまり「物」なの。昔は「家は一生モノ」という考えが当たり前だったけれど、高齢化が進んで空き家問題が深刻化している今の日本では、そんな考えは断捨離するべきよね。
松本:うーん。私も「家は一生モノ」という親世代の考えに縛られていたのかもしれません。
ひでこ:人生は常に変化していくのだから、生き方に合わせて住まいも変わっていくのは自然なこと。私の場合は親世代が亡くなってすぐに彼らの家は処分したし、夫とは10年近く前から別々の家で暮らしているの。なぜなら、私は東京と鹿児島県、夫は石川県と沖縄県でそれぞれやりたいことがあるから。
松本:えー、ビックリ!ひでこ先生ご夫妻は「夫婦は一緒に暮らすべき」という世間一般の価値観も断捨離なさっているんですね。
ひでこ:旅に出るのに大荷物を抱えていては、途中で疲れて、思いどおりに動けなくなるでしょう?荷物が少なければ心も身体も軽くなって、行動力が高まる。物理的にも精神的にも断捨離すればするほど、人生の旅は楽しくなるわ。

女性にとって50代は、断捨離を始めるのに絶好のタイミング

松本:なるほど……。私も気づけば50代半ば。一人息子がまもなく社会人になるので、これからは人生をもっと楽しみたいと思い始めました。
ひでこ:素晴らしい。今の松本さんは、断捨離を始めるのに絶好のタイミングですよ。というのも、子育てが一段落したり、バイオリズムが変化したりする人生の転換期に、「今の自分にふさわしい物だけ選び抜く」という断捨離のレッスンを始ると、自分と深く向き合うことになって、本来の自分が見えてくる。すると「母だから」「妻だから」といった縛りから解き放たれて、とっても身軽になれるわ。
松本:そうか~。これからは病気と年金の話しかしないものと思っていたけど(笑)、違う道もあるんですね。
ひでこ:ありますとも!50代で断捨離を始めれば、60代で人生が面白くなって、70代でさらに弾けるんですよ。

「1つ買ったら1つ捨てる」では遅いの。捨てるのが先よ!

松本:とはいえ、私は根っからのドケチで、捨てられない人間なんです。実家じまいだけは息子に将来的に負担をかけたくない一心で重い腰を上げたけど、自分のための断捨離なんてできそうにないな~。
ひでこ:松本さんみたいに断捨離に抵抗がある人は、小さなトレーニングから始めるのがおすすめよ。例えば、いつも使っているバッグの中身を断捨離する。
松本:いや~ひでこ先生、私は持ち物が多くて、バッグの中身はぜ~んぶ必要なんです。断捨離すべき物なんてひとつもありません!
ひでこ:もしや、バッグの中にティッシュや飴を入れっぱなしにしてる……?
松本:もちろん、入れっぱなしです!
ひでこ:(苦笑)。あのね、入れっぱなしにしていると中身を把握できなくなって、持ち物がどんどん増えていくの。バッグは使ったあと毎回中身を出して、点検するのが鉄則!
松本:うぐぐ、言われてみるとバッグの中は常にパンパンです。あ!よく「1つ買ったら1つ捨てる」って言うじゃないですか。バッグの中身も新しい持ち物を1つ入れたら、古い持ち物を1つ取り除けばいい?
ひでこ:残念ながら不正解。満員電車は人が降りなければ乗れないのと同じで、取り除く前に入れてしまったら定員オーバーになってしまいますよ。
松本:物を入れるよりも、取り出すのが先、ってことか……。
ひでこ:そう。どんなに体にいい食べ物を摂ったところで、出すことをしなければ、便秘で不健康になるのと一緒。
松本:ひえ~。そういえば私、3歳のころから40年間便秘でした。今は物がいっぱいで家が便秘状態!両親が取っておいてくれた小学校時代の縦笛やハーモニカ、それから、私が「置き場がないから」と実家に預けていた舞台衣装やトロフィーが、実家じまいとともに全部ブーメランのように我が家に戻ってきてしまって。しかもそれ、全部私が持ち帰ったんです。
ひでこ:ダメダメ。これからは身体も住空間も「取り入れる」ことより、とにかく「出す」ことを心掛けましょう。詰まりが取れて、身体も思考も住まいもクリアになっていくはずですよ。
松本:物の断捨離って、身体をケアするのと同じことなんですね。老後を健康に過ごすためにも、思いきって挑戦してみたくなりました。まずは縦笛やハーモニカから手放すかな?
ひでこ:その調子。応援していますよ!

家も身体も詰まりを解消するには「入れる」より前に「出す」よ!

実家断捨離でしくじったのに、今も家は物でパツパツ。

<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日の冠番組『ウチ、"断捨離"しました!』(毎週火曜夜9時)は全国で超高視聴率をマーク中。

・松本明子さん
1966年生まれ。香川県出身。82年にオーディション番組「スター誕生!」に合格し、翌年、歌手デビュー。元祖バラドルとして「進め!電波少年」などに出演し、気さくで明るいキャラクターで人気を確立。現在はバラエティー番組、ドラマ、映画、舞台で幅広く活躍。22歳の息子の母。

参照:『サンキュ!』2023年6月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年4月現在のものです。撮影/久富健太郎(SPUTNIK) ヘア・メイク/Hachi(ひでこ先生) 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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